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垂直搬送機で有名なホクショー☆EC物流にぴったりな商品『EASY』を発見!
物流最適化コンサルタントの一木(イチキ)です。
9月中旬より、前職で関係のあったマテハン機器メーカーを訪問しています。
嬉しいことに・・・どこも大歓迎しれくれます。
前職での縁がなくなったと同時に、冷たくされるとやはり悲しいですよね。
これまでの人脈に感謝感謝です。
そんな中で、EC物流の話しをしていると各マテハンメーカーのいろんな状況が見えてきます。
ネット情報だけではわからない生の声が聞けます。
コンサルタントとして、これは非常にありがたいですね。
今回より、そんなマテハン機器メーカーから得た情報を元に、EC物流の視点からみての評価をしていきたいと思います。
まずは、トップバッター『ホクショー』です。
垂直搬送機のブランド商品名「バーチレーター」はあまりにも有名
ホクショーといえば、バーチレーターです。
バーチレーターは、垂直搬送機のホクショーブランド名ですが、バーチレーター=垂直搬送機がイメージ化されているので、物流業界では当たり前の現象です。
そんなホクショーは、石川県金沢市に本社があります。
金沢といえば、私も2年間暮らしていた地です。
それだけに思い入れのある会社になります。
北陸を本拠地に頑張っている会社・・・応援したくなりますね。
ホクショー東京支店に先日訪問しました。
その時、私の話を聞いてでた商品が『EASY』でした。
正直、私にとっては初めて聞く商品でした。
ホクショーには、バーチレータの他にPAS(バラ物自動仕分けシステム)など面白い商品はありますが、『EASY』は全くの初耳・・・
どうも今年2月に東京ビッグサイトで開催された物流展に出品してたようなのです。
そして、パンフレットをみました。
すると、私の脳裏でピピッとくるものがありました。
「これは使えそう!」
EC物流5つのキーワードを使って5段階で評価
前号・前々号で紹介した5つのキーワードです。
1)シンプル
2)スマート
3)フレキシブル
4)緊急対応
5)最適化
これを基準に評価をしていきます。
各項目で1~5の5段階にします。
5が各項目のMAXです。
5項目ありますので、総合点の満点は5×5=25点になります。
基本的に加点主義をとります。
棚方式店舗別仕分け支援システム「EASY」の評価
まずは、結果からです。
1)シンプル 5
2)スマート 3
3)フレキシブル 5
4)緊急対応 2
5)最適化 3
※ 総合点 18
1)シンプル(評価:5)
名は体を表すといいますが、「EASY」とつけるだけあってシンプルな構成です。
・正確性~ミスが発生しないしくみ
とても大事なことです。
人間は作業でミスしやすいものです。
ミスした担当が悪い・・・これでは時代錯誤ですね。
担当がミスしにくい装置やしくみを導入しなければいけないのです。
作業が簡単なので、ヒューマンエラーが発生しにくいしくみになっています。
・生産性~歩きまわらないしくみ
物流作業で多いのが導線が複雑で、人間が歩き回ること。
この無駄をどれだけ排除していくのか?
コンベヤなどで自動化するのも方法ですが、コンベヤの配置は環境によっては折角の人の導線を阻害します。
この商品は、歩きまわることを未然防止していますね。
棚ユニットは、片側で2ユニット・両側で4ユニットまでで3坪に収るコンパクト性になっています。
・ステーションPCのタッチパネルがシンプル
必要な項目のみをシンプルに配置し、こちらもヒューマンエラー発生を防いでいます。
カラーで文字が大きいのも使いやすいですね。
・一人屋台方式
スタンドアローンの一人屋台方式なので、効率的です。
スペースも最小限になります。
2)スマート(評価:3)
・シンプルな棚にトレーをケースを配置したしくみ。
棚ユニットには6ケース(6店舗分)と最小限の構成になっています。
おそらくは、8ケースでも10ケースでも製作できないことはないと思いますが、そうすると高さや長さの副作用が発生します。
6ケースに押さえたあたりは、何かの人間工学に基づいているのかもしれません。
・新しいスタイルには勉強熱心な社風です。
新しいしくみにもチャレンジしていく会社です。
そういう社風もスマートさといえると思います。
・デザインに関しては、シンプルさ故に厳しいのかもしれません。
ただ、前述のように3坪に押さえている、高さを1.3m以下に抑えている。
大事な要素です。
3)フレキシブル(評価:5)
・運用性~移転・増設が容易
フレキシブルには、前職で私もこだわっていた点です。
流通研究社主催のセミナーで講師をやった時も、このテーマで話しましたがユーザーからは非常に高い評価を頂いたと感じています。
各ユニットはキャスターをつけています。
フレキシブルの第一条件を満たしています。
・8ステーションまで増設可能
1ステーション(24ケース・24店舗)のしくみを最大8ステーション(192ケース・192店舗)まで増設できます。
こういう拡張性は大事ですね。
・棚ユニット間をつなぐハーネスがシンプル
棚ユニット間をつなぐハーネスが1本にしています。
シンプルな接続が大事です。
もし、接続線が複数あるようなら・・・価値は半減します。
・未使用な時は、移動させてスペース確保
装置の構成的に可能です。自重が軽量な点も大きいですね。
・ビルのエレベーターに乗せることも可能です。
ビル内のデポ内などでの活用もできそうです。
4)緊急対応(評価:2)
・停電の場合の緊急対応は厳しそうです。
ステーションPCが立ち上がらないとシステムは活用できません。
・また、棚ユニットが手動で対応するか現時点で未確認です。
もし、可能なら加点要素です。
・リモートメンテナンスにオプションで対応しています。
リモート内容については未確認です。
5)最適化(評価:3)
・スタンドアロン型のため、ステーションへ何らかの出荷システムを半連動させることは可能と思われます。
ケースをどのようにしてトラックが待つ出荷エリアまで持って行くのか?
現状は、カゴに入れての人間で移動作業になると思います。
それを自動化して、一連のしくみまでなっていくと面白いですね。
・ケースは特注対応が可能です。
こういう対応は必用なことです。
・店舗別仕分け支援システムですが、他の分野に応用性があると思います。
納入事例の紹介・・・オークション後の落札商品仕分けに活用がユニーク
ホクショーのホームページで3カ所納入事例が紹介されています。
1つめは、何とオークション後の落札商品の仕分けに活用されています。
オークション商品は絶対に間違いは許されませんよね。
ニーズとしては非常に高いのだなと感じました。
棚方式店舗別仕分け支援システム EASY
貴金属類オークションセンター〈RFID入力〉
2つめは、通常環境での仕分けです。
チルド環境でも同様に対応されています。
(チルドは、0℃程度の環境)
通常環境は、至る所で考えられると思います。
棚方式店舗別仕分け支援システム EASY
食品物流センター(ドライ環境)
どんな所で使用が考えられるのか?
どんな所で使用するとメリットが高いのかを私の経験値で考えてみました。
・飲食チェーン店への食材仕分け
・大型店舗での出前館/Uber Eatの配達員仕分け
・コンビニの店舗別仕分け
・食品卸での店舗別仕分け
・小規模スーパーでの店舗別仕分け
・医薬品卸での店舗別仕分け
それ意外にも、まだ利用価値は高い商品だと思います。
※2020.10.5追記
(某大手物流センター責任者の意見)
・仕分けの機械としては、現場の状況にもよるがありだと思う。
<良いところ>
・上記Noteに書かれている点は優れている。
<状況によるポイント>
・棚からケースが飛び出る機構は戻す行為が発生する為、GAS等に比べればアクションが多い分、生産性は劣ると思われる。
・オリコンや段ボールをセットする行程や取り出す行程、紐付けのBCDを差し込む行程は自動化できそうにない。
・BCDは最初からオリコンに貼られているものをスキャンした方が行程は短縮できる。
・以上、生産性を突き詰める場合は向いていないが、物量に応じたフレキシブルに運用を行いたい場合には、可搬性、連結自由度、といった点ではありだと思う。
物量がさほど無いが物量波動が大きい現場で生きるような気がする。
貴重なご意見ありがとうございました。
(一木)
◎相談がある場合は、私まで一報下さいね。
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