xRエンジニアが近江神宮で競技かるたをして感じたこと
6月末に行った競技かるたの合宿からxRや撮影に関する備忘録や感想をまとめてみます。スケジュールをたどるような形で感想を書いていきます。
スケジュール
6月29日と30日に競技かるたのため、近江神宮に行ってきました!
2024年6月29日
朝6時ごろ
夜行バスで京都駅に到着!
Scaniverseでもやりましたが、高さが不足し、ダメだった。
Luma AIで処理した京都駅の羅城門跡。
3D Gaussian Splattingの良さが出ている。
早速朝ラーメンをキメて、ローカル線で約1時間かけて近江神宮へ向かいました。近江神宮の周辺にはたくさんの史跡があり、かつて政治の中心地だったことが感じられました。
ラーメンのLuma AIは以下のリンクから見れます。
10:00から競技かるたスタート!
5試合ほど行いました。今回は、競技かるたコミュニティの「Karuta Club」の合宿に参加しました。
久しぶりにかるたをやってみて
競技かるたの試合をするのは1年半ぶりくらいでしたが、意外と決まり字や配置を覚えていたのでスムーズに進行できました。試合のうち1試合は撮影に入っていたので、実際は4試合を行いました。競技かるたの1試合は約1時間なので、合計4時間は競技を楽しめました!
さまざまな映像作品や配信で見たことがある浦安の間で競技かるたを行えたことで、人生のやりたいことリストの1つが叶った感じです。
夕食
深夜
xR体験会を開催!持ち込んだMeta Quest3で競技かるたとMRの親和性を川瀬将義名人(以下、川瀬名人)に体験してもらいました。
今回のxR体験で感じたこと:
Meta Quest3の録音では体験者の声しか収録できないため、読手の和歌に合わせた同期ができる収録システムが必要そう。
Meta Quest3には実装されていないが、アイトラッキング機能があると指導の観点で使いやすい。
Meta Quest Pro2やApple Vision Proのほうが相性が良いかもしれませんが、ガジェットの価格が高すぎるため、広く体験できる設計を考える必要があります。
また、私が所属するIwaken Lab.でお世話になっているIwakenさんと川瀬名人の思考が一致し、MRデバイスでの追体験が指導に役立つという発想に驚きました。競技かるたとMRの相性はとても良いと確信しています。これからも競技かるたとxRの社会実装を微力ながら頑張りたいと思います。
Iwaken Lab.にご興味ある方はこちらからご覧ください。
2024年6月30日
天気は雨。
撮影したかった近江神宮の屋外は断念し、近江神宮 勧学館内の撮影を行いました。合宿参加者の多くは第0試合を行っていましたが、私は身体的な疲労から撮影に専念しました。
朝食の3Dスキャンはこちら。
朝食後、2日目も4試合撮影させていただきました。
後半2試合は膝が痛かったので座布団を敷いて頑張りました。
2日目は大会があり、景品でいただいたべにふうきの茶葉を夏バテに負けないように美味しくいただいています。
ちなみに景品の一覧はこんな感じです。
競技かるたとxRの親和性について
競技かるたとxRの親和性については、Meta Quest3での体験会を通じて確認しました。競技かるたは、さまざまな視点からの分析や反応速度の向上において、xR技術と相性が良いと感じています。これにより、選手の視点を再現したトレーニングや試合の解析が可能となり、競技の質を向上させる可能性があると考えています。
どうしても0.1秒やそれよりも速い速度で取りが決まるスポーツかつ揉めた時の判断は基本的に審判が付かないルールなので、選手の視点が取れることが判断や解析対象として有益になると感じています。
選手に違和感を与えずに撮影する方法の現時点での最適解がHMDだと思うし、より強い選手であれば示唆深い結果になる可能性が高いという感想を持ってます
そのため、引き続き競技かるたとxRの関係性を模索していきたい。
撮影について
今回は実際の試合を撮影することを目的としていました。使用した撮影機材は以下の通りです:
三脚2台
GoPro 12 1台
Insta360 One 1台
Sony Alpha7 II 1台
Sony Alpha7 II専用のバッテリー2本
今回の合宿ではすべての機材を使用しました。カメラ系統は1試合の撮影分の充電しか持たなかったため、試合終了後に交換し、モバイルバッテリーで充電して運用しました。カプラーなどの常時電源供給セットがあれば、もう少し簡潔な配信セットを組めたと思いますが、多めに機材を持って行ったことが功を奏しました。
競技かるたの選手は横からの定点撮影を好むため、三脚の1台は選手を横から撮影するために使用しました。
まとめ
この記事では2024年6月に開催された「第5回Karuta Club合宿」に参加した感想をxR配信や3Dスキャンの観点からまとめました。
競技かるたと技術好きのコミュニティの違いは感じましたが、どちらも熱量があり、心地よかったです。
引き続き、競技かるたに関する盛り上げを行いたいと思います。作成中の近江神宮の3Dモデルは完成次第また公開します。
Karuta Clubと著者紹介
今回の合宿の記録は以下のツイートやYouTubeでもご覧いただけますので、ご興味ある方はこちらをご覧ください!
Day1の実況ツイート:
Day2の実況ツイート:
Karuta Clubのラジオ:
Karuta Clubとは?
“Karuta Club Room”は、第68-70期競技かるた名人の川瀬将義さんが中心となって設立した、競技かるたで強くなるためのオンラインかるた部です。部員はオンラインで競技かるたの相談やイベントを企画するコミュニティです。
筆者紹介
群馬高専 電子メディア工学科、生産システム工学専攻を修了。その後、筑波大学 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群 修士課程を修了し、現在は同大学の博士後期課程2年(D2)に在籍。豚の健康管理システムの構築に関する研究を行う一方で、イベント運営や3Dスキャンを用いたデジタルアーカイブを全国で行い、xR(Cross Reality)の開発も手掛けています。私の活動はX(旧Twitter)でも発信していますので、ご興味ある方はご覧ください。
いっちーのTwitter
用語解説
AR(拡張現実):
現実の空間上に仮想的な物や空間を配置する方法です。また、スマートフォンでも体験しやすいことから時間変化をだれでも体験することができるという観点では一番体験しやすいです。
VR(仮想現実):
ユーザーが完全に仮想空間に没入できるようにし、直接的に伝えることができます。一方で、ヘッドマウントディスプレイが必要になるため、体験するデバイスという観点で障壁の高さがあります。
xR(クロスリアリティ):
ARやVRを組み合わせた体験を提供し、ヘッドマウントディスプレイやスマートホン、そのほかのディスプレイを使います。AR体験よりも没入度の高い体験になることが期待できます。しかし、ヘッドマウントディスプレイが必要な場合もあるので、体験コストはやや高いという印象です。