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保母さんになるのが夢だった親友


№296 今回紹介するお話

今回紹介するのは、高校生の頃に親友が中絶したことへの罪悪感から自殺をしてしまったことについて、当時と今の状況や心境を綴った女性の投稿です。

投稿時期に関して
まとめサイトに掲載しているものから2003年4月1日の投稿を確認しましたが、違っていたらごめんなさい。

このお話を元にしたYouTube動画がありましたので、併せて紹介していきます。

投稿内容

高校生の頃、親友が自殺した。
原因は、中絶したことの罪悪感からだった。

その子はとても大人しくて男と付き合って、ましてやそんなことをするようには全く見えない子だった。

初めにうち明けられた時は、彼女のお腹には赤ちゃんがいた。
両親とはもめたが産むことを許してもらえたと、とても嬉しそうだった。
しかし、彼女の笑顔を見たのはそれが最後だった。
保母さんになるのが夢だった子供好きの優しい子だった。

次にあった時彼女はとてもやせこけていた。
彼女は何も喋らなかった。ただただ泣いていた。

きけば、相手の親にこっぴどく罵倒されたと彼女の母から聞いた。
しかも相手の男は、声も出さずに泣いていた彼女をかばうことなく淡々としていたというのだ。

そして、「うちの息子の子供だという確証はあるんですか?」とか「子供が出来たのはお嬢さんの知識が不十分だったんじゃありません?」とまで言われたのだという。

ただでさえ精神的に弱っていた彼女は追い詰められ、とうとう中絶を決意した。
そうでもしなければ、相手の親が毎日でも嫌がらせにやってきていた。

手術当日、私は彼女に付き添って病院まで来ていた。
あれ以来ほとんど何も食べていない彼女の身体はやせほそって手術に耐えられるかどうかさえ危なかった。

直前まで彼女はずっと空を見ていた。
会話は全く無かった。

数時間後、彼女の手術が終わった。
まだ完全に麻酔の切れていない彼女は、泣きながら上の空でずっと
「赤ちゃん天国いけるよね・・・」
「赤ちゃんちゃんと供養されるよね・・・」
「ごめんね・・・ゆるして・・・」
と繰り返していた。

私は彼女が落ち着くまでしばらく会わないほうがいいと思い、家に立ち寄らなかった。
今思えば、もっと会いに行けば良かった。
本当に後悔している。

数週間後、彼女の母から電話があった。
彼女が自殺した、と。
呆然とした。何も考えられなかった。
もしかしたら手術の失敗で・・・とも思った。
自殺だとは考えられなかった。

私はまっさきに相手の男に問いただした。
すると、手術代に慰謝料まで上乗せしたしたんだからもう関係ない、自分は悪くない、と抜かしたのだ。

生まれて初めて、人に殺意を抱いた。
泣きながら、そのどうしようもない男に目一杯の言葉を浴びせてやった。
男は反省の色など全く見せなかった。

通夜にも葬式にも相手の親は表れなった。
世間体、彼女の死の原因は拒食症、ということになっていた。
私は悔しくてたまらなかった。

相手の学校にバラしてやろうかとも思った。
だが必死に押さえた。
そんなことをしてもあの子は喜ばない。

納骨された彼女の骨はほんとうにわずかで、少なかった。
高校二年の冬のことだった。

あれからあの子のような経験をする子が一人でも減らしたいと思い、産婦人科医を目指したが挫折し、今は高校の保険医をしている。

複数の異性と付き合うのが当たり前になってしまった現代の子供達の、私のお説教がちゃんときいているかは分からない。
が、ひ妊に対する考えを改めてくれた生徒もいる。

今でも、彼女の親とは交流が続いていて、
月命日にはお線香をあげにいっている。

YouTube

このお話を元に作られた動画がありましたので紹介します。
※ご紹介する以外にも動画はあるようです。

ニコるん

さいごに

私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。

しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。

なお、掲載している画像は いらすとや 様 から頂いています。

最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。


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イッチ
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