そこそこ漫画家が、ファンをお見舞いしたときの話
№384 今回紹介するお話
今回紹介するのは、マイナー誌で漫画を連載しているという漫画家の男性がファンレターを送ってくれた少年のお見舞いに行った時の状況を綴った投稿です。
投稿時期に関して
まとめサイトに掲載しているものから2002年2月7日の投稿を確認しましたが、違っていたらごめんなさい。
このお話を元にしたYouTube動画がありましたので、併せて紹介していきます。
投稿内容
レスポンス含め掲載いたします。
漫画家の男性の投稿は太文字にしています。
231 名前: そこそこ漫画家 投稿日: 02/02/07 10:39 ID:p6VHnfS2
俺は漫画家なんだけど、出版社気付でファンレターが来る。
そんな大御所でもないし掲載紙もややマイナーなので、その数は一ヶ月で数十通程度なのだが、ヒマな俺はその大半にサイン色紙を送っている。
その中に住所が病院の子からのワープロ打ちの手紙があって、見るとその病院はうちから車で20分くらいのところにあった。
ファンレターをくれるくらいなら、きっと直接あげたらもっと喜ぶだろうと思った。
いや、それと同時にヒマな漫画家の俺がそのときはきっとスター気分に浸れるだろうというスケベ根性ももちろんあって、俺はその病院に向かった。
行って見ると、面会受付にその子の母親が偶然そこにいて恐縮した様子だった。
バカな俺はそれでスター気分に酔い始めた。
俺は母親と一緒に病室に入りその子に会って俺は愕然とした。
「これは・・・人類なのか?」
折れそうな手足、頭蓋骨の輪郭がはっきりわかる顔つきは命の気配を感じず、かろうじて動く手で五十音を書いた板を指して、意思の疎通をする状態だった。
俺が動揺しながらも、その子に話しかけ連載している漫画のキャラクターを
目の前で描いてみせると、その子は体を激しく痙攣させ、目から涙、鼻から鼻水、口からよだれを流しながら、激しく震える手で五十音の板をまさぐり、たった四文字をありったけの力で俺に伝えてきた。
う・れ・し・い
俺はその瞬間スター気分が吹っ飛んだ。
その代わり(その子にとっての)スターを演じ切って、帰りの車を運転しながら泣いた、昼間だったが声をあげながら泣いた。
涙がどうしても止まらなかった。
藤子は、石ノ森は、そして手塚は、俺みたいな経験をしたことがあったのだろうか。
232 名前: 大人の名無しさん 投稿日: 02/02/07 13:50 ID:nVhG3KqZ
>>231
あなたは、あなたがその子に与えた以上のものをその子から貰ったのかもしれませんね。
どうぞ、これからも良いお仕事をなさって下さい。
233 名前: 大人の名無しさん 投稿日: 02/02/07 18:33 ID:CmgBx3su
ここのスレ見てると、いかに自分が無力で堕落した人間か、思い知らされる。
231さん、あんたきっと良いマンガ家になるよ。
234 名前: 大人の名無しさん 投稿日: 02/02/07 21:27 ID:2r8Z12cq
>>231さん
もう泣けて泣けてしょうがなかった。
今ようやく落ち着いてこうやってキーボードを打っている。
その子のためにも、どうか身体に気をつけて人に夢を与えられる作品を生み出していってほしい。
そしていつか私もあなたの作品に触れてみたいと思うよ、
237 名前: そこそこ漫画家 投稿日: 02/02/08 01:32 ID:W2BhoA7k
>>232-234
少し落ち着いた
その子とは、いろんな事を話した。
「せんせいのすきなたべものはなんですか」
「すきーはやったことありますか」
「おやすみのひはなにをしていますか」
俺はすべての質問に丁寧に答えた。
そして最後の質問。
「○○○は、○○○○をどうやってたおすのですか」
この質問に俺は思わずこう言ってしまった。
「○○○○とはね、もうすぐ決着がつくんだ。
でもね、今度は新たなる敵が登場するぞ、今度の敵は恐ろしいぞぉ!
なんと○○○の 必殺技が通じないんだよ、
あああ!ここまでしか言えないなあ!!!!」
その子の笑顔は健常者からみると、ただ歪んで見えるだけだったけど
明らかに、俺の話を聞いたそのか細い体の中に、(つきなみな表現だが)熱い血がたぎっていってるのがわかった。
そう、この子は病人だけど少年、男なんだと再確認した。
俺は漫画家、少年を熱く燃えさせてなんぼの商売だ。
(本当は「萌え」させる方が金にはなる)
ってなわけで、今必死にその「新たなる敵」を描いている。
とりあえず設定まではできたけど、どうやって倒すのかなんて考えていない。
YouTube
このお話を元に作られた動画がありましたので紹介します。
※ご紹介する以外にも動画はあるようです。
思い出のゆっくり2ch様
さいごに
私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。
しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。
なお、掲載している画像は いらすとや 様他から頂いています。
最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。