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風の電話
№219 今回紹介するお話
岩手県上閉伊郡大槌町の三陸海岸を見下ろす丘にある「ベルガーディア鯨山」には私設電話ボックス「風の電話」というのがあります。
ボックスの中には電話線が繋がっていないダイヤル式の黒電話があり、またノートが1冊置かれ、電話機の横にはある詩が掲げられています。
来訪者は電話で亡き人に思いを伝えたり、ノートに気持ちを記載したりすることが出来るのです。
詩
風の電話は心で話します
静かに目を閉じ
耳を澄ましてください
風の音が又は浪の音が
或いは小鳥のさえずりが聞こえたなら
あなたの想いを伝えて下さい
「風の電話」とは
ベルガーディア鯨山のサイトに下記が掲載されていましたので、転載致します。
当初はガーデンのオブジェとしてベルガーディアにやってきた電話ボックス。ベルガーディアを訪れる人が他界した家族や友人など大切な人と「想いをつなぐ」ということが喪失感(グリーフ)から立ち直るきっかけになると立ち上げました。
「風の電話」はどこにも電話線はつながっていません、つながっていないからこそ想いはつながるのかも知れない。これが心の想像力であり、人の持つ力なのかも知れません。これが希望となり、生きる力になる。それを支えているのが心で話す「風の電話」なのです。
突然訪れた別れには「最後に一言伝えたかった」という思いが逝かれた方、残された方にも残ります。また遠くに離れてしまった友人、何か大切なものを失った方々もグリーフを感じます。そんなグリーフを抱えた方々が心で話します。
見えない相手と対話し、心の内を吐露することで心の負担を軽くします。そうすることにより、鳥の声を聞き、風を感じたり、周りの風景が見えるようになり「感動・感激」する心が蘇ります。やがて、自分の意識の向け換えが出来るようになります。
「風の電話」には他の五感(見る、聞く、味わう、触れる,嗅ぐ)の他に“感じる”という表に現わすことのできない感覚で、癒されることを実感できます。この表に現すことができないところは「祈り」と同じものを感じます…。
そうです、「風の電話」は宗教と関係ない「祈り」の場なのです。
YouTube
風の電話にまつわる話を元にしたYouTube動画がありましたので、紹介致します。
(2ch)ひまつぶしチャンネル『LAN』様
風の電話 沿革
風の電話は、太平洋が見える風景を気に入って移住した庭師の佐々木格(ささき いたる)氏が、2010年(平成22年)に死去した従兄ともう一度話をしたいとの思いから、海辺の高台にある自宅の庭の隅に白色の電話ボックスを設置したことに始まります。電話ボックスはパチンコ店から譲り受けた物でボックス内には筆で書かれた詩は従兄が書いたものがあります。
2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災の際、自宅から見える浪板海岸を襲った津波を目にした佐々木氏は、生存した被災者が震災で死別した家族への想いを風に乗せて伝えられるようにと敷地を整備し、祈りの像や海岸に向かうベンチを置いて「メモリアルガーデン」を併設した上で開放しました。
2012年(平成24年)4月には2階建て約40m2の建物を増設し、「森の図書館」として開館。「森の図書館」には全国から約4,000冊の本が寄贈され、完全予約制になっているが入館できるようになっています。2014年(平成26年)2月には、絵本『かぜのでんわ』(いもとようこ作・絵、金の星社)が刊行されされました。同年7月時点での来訪者は10,000人を超えています。
2014年(平成26年)9月、東日本大震災から3年半を迎え、「風の電話」設置者の佐々木自らが作詞したCD『風の電話』が制作されました。「被災地の最大の危機は忘れ去られることにあると言われている。被災地では忘れさられるべきではない多くの被災者の生活があることを忘れずにいたい。忘れて欲しくない」という想いを、風の電話と同様に言葉を口にする、歌を口ずさむということにより心の負担を軽くし、一日も早く被災者が日常生活を取り戻せるよう願いを込められた内容となっており、風の電話が設置されているベルガーディア鯨山にて販売されています。
2015年(平成27年)1月8日、電話ボックスが強風で飛ばされていたのが発見されたが2日後、支援者らによって元の場所に再建されました。2018年(平成30年)8月18日には、老朽化していた木製ボックスが全国からの寄付金によりアルミ製に更新されました。
2017年(平成29年)8月24日には、風の電話の成り立ちから現在までの活動を佐々木が綴った書籍『風の電話:大震災から6年、風の電話を通して見えること』が風間書房より刊行されました。
メディア情報
NHKスペシャル 風の電話 残された人々の声
2016年3月10日(木) 午後10時00分~10時49分
風の電話 (映画)
2020年1月24日公開
絵本:『かぜのでんわ』
(金の星社、2014年)いもとようこ
さいごに
私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。
しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。
なお、掲載している画像は いらすとや 様、イラストAC様、silhouette-illust様から頂きました。
最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。
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