ごうちゃん
№217 今回紹介するお話
「6歳の時に両親が離婚したが、自分の親権をなすりつけあっていた。それを見かねた叔父が・・・」
今回紹介するのは、両親は離婚したものの自分の親権をなすりつけあいで引き取ろうとはせず、それに見かねた母の弟である叔父が「俺が引き取る」と言い、愛情深くに育ててもらったという男性の投稿です。
投稿時期に関して
投稿日は確認できませんでした。
このお話を元にしたYouTube動画がありましたので、併せて紹介していきます。
投稿内容
母が24、父が26、自分が6歳の時に両親は離婚した。
母は別の男をつくり、父は別の女をつくり、両親は裁判で自分の親権をなすりつけあっていた。
それを見かねた母の弟、つまり自分の伯父は『俺がこの子に愛を教える。貴様らはクソだ。どこにでも行ってしまえ。二度とこの子の前に現れるな。』
そう言い放って僕を引き取った。
こうして伯父と僕との共同生活が始まった。
幼い僕はまだ大人の事情を知るおつむがあるわけがなく、突然消えた両親と、突然現れた熊みたいなあんちゃんに戸惑いが隠せなかった。
伯父は自分のことを伯父さんではなく『ごうちゃん』と呼べと僕に言って聞かせた。
たぶん両親のいない僕に伯父さんと呼ばせるのは酷だと思ったごうちゃんなりの優しさだろう。
ごうちゃんは23歳で土木作業員。
ボロいアパートで一人暮らし。
僕は最初はぎこちなかったものの、いつの間にかごうちゃんのことが大好きになっていた。
ごうちゃんとの毎日はとても楽しかった。
土木の軽トラで毎日幼稚園まで迎えに来てくれて、その足で夕飯の材料を買いに行った。
料理は天才的にヘタクソで、マズいねマズいねと笑いながらも作った料理を平らげて、眠くなるまでプラモデルを作ったりして遊んだ。
休みの日になると朝から日が暮れるまでキャッチボールやサッカーを近所の子供達を交えて遊んだ。
悪いことをすると躊躇なく殴る。
でも、何か良いことをすると頭をガシガシ撫でて思いっきり褒めてくれた。
ごうちゃんは僕に愛を、優しさを、喜びを与えてくれた。
高校で始めたラグビーの応援もいつもきて、大事な試合前には丹念にマッサージしてくれた。
高校卒業して働くつもりだったのに、『やりたいことがあるんだろう、糞ガキが家のことなんか心配すんな。俺はまだ若い』そう言って服の専門学校に入れてくれた。
就職内定決まった時は鼻水垂らして泣いてくれた。
初めての給料で材料を買ってごうちゃんにスーツを作った時は、初めておもちゃを買ってもらった子供みたいにはしゃいでた。
ごうちゃん結婚式に着てくれたね、奥さんに長い間待たせてさ。
俺のことなんてきにしないでさっさと結婚しちゃえばいいのにさ。
これからは俺ではなく自分と奥さんの幸せを大切にしてほしいと願ったのに。
神さまなんて本当にいない。
ごうちゃんは仕事の現場で突然倒れて即入院。2週間後に手術。
手術から1ヶ月後にはあっけなく逝ってしまった。
今でも忘れられない。
死の際になり意識がなくなったごうちゃんに僕はとっさに叫んだ。
『父さん!』
言った瞬間に自分に驚いた。でも続けて何回も叫んだ。
父さん、父さん、父さん、父さん。
ごうちゃんが倒れて一度も涙なんか出さなかったのに、自分の口から溢れ出る父親への呼びかけに涙が止まらなかった。
ごうちゃんはうっすら目をあけて、意識を取り戻した。
そして、ゆっくりと、ふるえる腕で、僕の頭をガシガシと撫でた。
あんなに逞しかった手は枯れ枝のようになっていた。
でも誰よりもその手は温かかった。
そして静かに目を閉じて動かなくなったそれっきり二度と目を覚まさなかった。
ごうちゃん、病室で紹介した女の子と結婚して子供が生まれたよ。
男の子だよ。
ごうちゃんから一字もらったからね。
ごうちゃんに抱っこして欲しかった。
抱きしめて欲しかったよ。
あれから今日の命日まで何年も経ったのに涙が止まんないよ。
実の両親の顔なんか今は全く思い出せない。
お父さん、伝わったのかどうかもわからないし面と向かって言ったのは一度きりだけどいいよね。
血の繋がりがなくてもあなたは私の母親であり、父親でした。
今度生まれ変わったら本当のあなたの子供として生まれたいと思うよ。
そうして何度でもあなたに頭を撫でられたい。
お父さん。
今とても会いたいです。
YouTube
このお話を元に作られた動画がありましたので、一部を紹介します。
※ご紹介する以外にも動画はあるようです。
ニコるん様
/ゆっくりが語る1分で泣ける2ch様
思い出のゆっくり2ch様
※0:00~7:42が今回のお話になります
さいごに
私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。
しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。
なお、掲載している画像は いらすとや 様から頂きました。
最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。