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iCAP活動記録 第13回 日本精神科医学会学術大会 ②

第13回 日本精神科医学会学術大会
日時 2024年7月25日(木曜日)~ 26日(金曜日)
場所 仙台国際センター
テーマ 精神科医療のイノベーション
  ~新しいあるべき姿を求めて~

機構専門医共通講習 感染対策 9:00~10:00
 施設や患者の特性に配慮した感染対策

座長
 安田 重 先生
 (安田病院 理事長・院長)

演者
 糠信 憲明
 (広島国際大学看護学部)

以下、糠信の感想です。
 講演の依頼をiCAPに頂き、どの先生にお願いするかをあれこれ考えていたのですが環境感染学会との日程の重複があり、演者の選定が難しく「畏れ多いのですが、私で良ければ」と手挙げをしてお話しする機会を頂きました。
「私で良ければ喜んで!」と返事は即レス、内心ビクビク。
”ええかっこしい”の私。
 精神科医学会での講習会だから、精神科に携わっている先生だよな。専門医の共通講習ということは若い先生なのかな?など、アタマの中では「キコウセンモンイキョウツウコウシュウのカンセンタイサクって、誰に何を話せばいいんだろう??」とクエスチョンマークが飛び交っていました。
 「精神科と感染症の共通点」という、いつものイントロから、

構造(Hardware)の特徴
 閉鎖病棟・隔離室・喫煙室の存在,扉の多さ・鍵,水道の数が少ない

人的資源(Liveware)の特徴 マンパワーの少なさ
 100床当たりの職員配置(一般科135.7 vs 精神科68.2)
          (H29 病院報告および医療施設調査より)

患者要因(Patient)の特徴
 認知症の患者さんを含め入院患者の平均年齢が上昇していること
 自分からは症状を訴えない患者さん(逆に身体愁訴がある患者さん)
 手指衛生・咳エチケットが難しい患者さん
 床に座る・床に寝転ぶ患者さん
 患者からの咬傷
 興奮状態にある患者への注射
 安静が保てず嘔吐しながら移動する患者さん
 自傷行為等で血まみれの患者への対応

といった精神科の感染対策の特徴から、隔離室内での段ボール机の取り扱い、ベッドではなく畳を利用する際の注意、PPEや手指消毒薬の携帯などについて「一般科にも共通する難しさ」もありながら「治療の場であり、生活の場でもある」ことをふまえた対策についてお話しさせていただきました。

 会場には理事長や院長をされている先生を含め多くお越しくださり、中には日精協の副会長をされている先生にも拙い話をお聞きいただきました。「糠信先生らしくて良い講演でしたよ」とのお言葉を頂き、ようやく肩の荷が下りました。本当は緊張しまくりでカミカミだったのですが(苦笑)。
 改善するべき点は多々あれど、貴重な機会を頂けたことを光栄に感じました。講演後には学会場に出店されている書店のスタッフさんがお声掛けくださり、「iCAPの本が完売しちゃいました。もっと仕入れておけばよかったです」とのこと。これも嬉しい言葉でした。

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