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iCAP活動報告 第39回日本環境感染学会総会・学術集会

第39回日本環境感染学会総会・学術集会
 2024年7月25日(木曜日)~ 27日(土曜日)
 京都国際会館
 楽しく学ぼう感染対策 集え、京都へ!

【日本環境感染学会とiCAPの合同企画】

今、改めて精神科病院の連携を考える
 ~コロナ禍の経験を経て再認識した連携の重要性~

座長
 森田 亮一さん(兵庫県立ひょうごこころの医療センター)
 高濱 正和さん(医療法人方佑会 植木病院)

演者
 高濱 正和さん(医療法人方佑会 植木病院)
 山田 学さん(医療法人杏和会 阪南病院)
 中島 燈子さん(大阪ろうさい病院)
 島野 武さん(医療法人好寿会 美原病院)


令和4年の診療報酬改定により地域連携加算が取れなくなったこと、

企画の立案・構成、座長と演者をしてくださった高濱正和さんの感想です

 この企画を考えたきっかけは、コロナ禍の中、孤軍奮闘していた精神科病院の看護部長と当時のことを振り返って話をする機会があったことでした。
クラスターが発生した際に相談する相手が、保健所にも助力を得ることが難しい状況であったことでした。その様な状況で堺ICNネットワークの相談機能を精神科病院も含めて活用できたことが、この企画の原点です。
 大阪府堺市では令和3年8月に「堺ICNネットワーク」を立ち上げ、地域の中で私達に出来ることは何か?と考えて動き出しました。最初に手がけたのは中小規模病院や社会福祉施設の感染対策を支援するコンサルテーション機能を構築することでした。この取り組みがその後、大阪府看護協会との協働で施設への訪問ラウンドへと展開し、感染対策支援の枠組みが構築されました。
 令和5年度には、堺市内の複数の精神科病院で診療報酬における加算の枠組みを超えた連携を構築しましょうと呼びかけ、堺ICNネットワークの”精神科部会”を立ち上げました。精神科看護の経験を有するICNが存在することのメリットを最大限に活用して、組織ぐるみでの交流と情報共有が可能な連携構築を目指しています。
 「地域連携」を充実させるためには組織の支援が大きなポイントです。病院長、看護部長、事務長など、組織の部門長がこの取り組みに理解を示してバックアップしてくれるように戦略を立てることが必要です。すぐに理解や協力を得るのは難しいこともありますが、少しずつでも仲間を増やし活動を継続することが必要です。iCAPのセミナーや研修会等でディスカッションする機会を設けたいと思っています。

座長をしてくださった森田亮一さんの感想です。

 精神科における感染対策のネットワーク構築についての検討の中で、会場から『保健所等でも精神科病院への感染対策に介入しているが、感染対策向上加算連携に至るまでに、「入院基本料」における感染対策の施設基準を満たせていない精神科病院も少なくない』とのご意見をいただきました。
 実際、感染対策に関して相談する先がなく、どのように介入すべきか悩んでいる精神科病院も少なくないと思います。そういった状況を少しずつでも改善するため、まず相談できる先を作るためにもネットワークを構築し、相互で相談・支援ができることが大切だと思います。そういった取り組みが進めば自然と感染対策の底上げや加算が取得できる環境に近づけるのではないでしょうか。ですので、地域で相談できる先がないという方も、iCAPのメーリングリスト等で、お困りごとを相談されてみるのも一つではないかと思います。

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