豪州留学生の食事事情:自炊で節約、フードデリバリーで忙しい日々を支える
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大学のStudent Blog(学生ブログ)においても記事の執筆を始めました!
今週は2記事アップロードされたので、アデレードでの学生生活に関してご興味のある方は、是非下記のリンクからご確認いただけますと幸いです。
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皆さん、こんにちは!アデレード大学に留学していますイブキです。
学生生活を少しでも良くするために
私は今学期の授業で「Information Technology Project」というITを使ったプロジェクト・マネジメントの基礎を学ぶ授業を必修科目の1つとして履修しています。
この授業の目的は一言でいうと、IT企業をけん引するために必要なマインドセットやスキルを生徒に経験させること。市場調査からプロジェクトの対象となるペルソナの選定、プレゼンテーションといったプロセスを通じて、実際に社会で求められるあれこれを勉強していきます。
教授も現在の職に就かれる前までは、大手会計事務所で長年監査の仕事をされていた方で現場での経験が豊富なので、ITの舞台で活躍したいと思っている方にとってはとても良い学びの場になっています。
そんな授業の中で先日、
「今の学生生活を少しでも良くできるようなビジネスを考えなさい」
という課題が出ました。
そこで、私が考え出したのが料理サイトの作成。日本で言うところのクックパッドのようなものをオーストラリアでも作りたいなと思い、今回授業のプロジェクトとして始めることにしました。
留学2年目にして身に着けた料理の実力
そもそも私は料理が好きです。授業の良いリフレッシュになることも多いし、自分の料理が美味しくできると(そして誰かに褒められると!)やっぱり嬉しいものです。
料理を始めたのはオーストラリアに来た2022年の9月から。
大学に大した食堂がないことや自分で作った方が安上がりなことから、自炊を始めるようになりました。
ご存じの通り、オーストラリア国土の大半がなだらかな平地で3分の2以上が乾燥地帯のため、農用地のうち9割が牛や羊の放牧地となっており、結果的にお肉の値段がとても安いです。
ColesやWoolworth、ALDIといった庶民向けのスーパーでは牛肉のミンチが6.5ドル(約600円)ほどで売っています。日本で買うとなると1.5倍から2倍ほどはするのではないでしょうか。
先日はこの牛肉を使って牛丼を作りました!みりんや酒、醤油なども(もちろん、お米も)近くのスーパーで手に入るので便利です。
少し遠いですが市内には中央市場(Adelaide Central Market)やアジア食品を取り扱うお店があったりするので、スーパーよりも安い食材や新しいメニューを試したいときは、そちらに行くようにしています。
また、自分もびっくりだったのですが、大学から紹介されたアパートで共同生活をしている同居人の1人がGold Coastで育った日豪のハーフなので、彼とも日本食について意見を交換し合ったり調味料を分け合ったりしていて、割と楽しい自炊生活を送れています。
結果的に、半年前のMediumの記事でも話していますが、毎日のように自炊をすることで一カ月の食事を315ドルほど(約3万円)にまで抑えることが出来ています。
オーストラリアの自炊・外食事情(日本との比較)
そんな恵まれた環境にいる私ですが、オーストラリア全体を見てみるとあまり自炊に積極的ではない人が多いことも事実。
少し古いリサーチになりますが、2019年の調査によると、オーストラリアではフルタイムで勉強している学生のうち46%もの学生が週に1回はテイクアウェイを取っています。
若い人の方(25-29歳)が、テイクアウェイを取る頻度は最も高く、なんと10人に1人は日常的にテイクアウェイを取っているとも。
対して日本の学生はというと、1週間に一回はフードデリバリーを活用している人(平日)の割合は4%にとどまっており、オーストラリアとの大きな違いを感じさせられます。
でもオーストラリアの外食って決して安くはありません。
同じリサーチによると、オーストラリアにおける1テイクアウェイあたりの費用は23.7ドル(約2260円)。また、物価高の影響も否めず、ABCニュースによればKFCのZinger burgerは2022年6月には$8.95(約850円)だったのが2023年8月時点には$10.95(約1040円)と1年弱で22%も上昇しています。
結果的に、2018年の調査によるとオーストラリアでは7人に1人もの学生が日常的に食事を抜きにすることがあるらしく、この数字は貧困家庭の学生に限って見てみると5人に1人、先住民家庭の4人に1人といった具合です。
同じ調査では大多数の学生が経済的な不安を抱えていることも指摘しています。オーストラリアでは5人に4人の学生が何かしら学業の傍ら仕事をしており、3人に1人は週に20時間以上働いていることが現状だそう。
これらの数字は私にとっては驚きでした。
たしかに、私の友人も平日は勉強で忙しい中、休日はずっと働いている学生が国内生・留学生に問わず多いものの、食事をとれないほどの経済状況であるとは聞いたことがなかったからです。
フードデリバリーが盛んな理由
一方、ご飯時になるとよく市内で、黄色や青色のジャンパーを着て電動自転車を走らせている人たちのことをよく見かけます。
フードデリバリーをする人たちです。
オーストラリアで有名な宅配サービス(とそのイメージカラー)といえば、
- Uber Eats(黒とグリーン)
- DoorDash(レッド)
- Menulog(オレンジ)
- Hungrypanda(黄色と青色)
などですが、特に一番人気なのはUber Eatsです。定期的にクーポンが配布されたり、月$9.99(約952円)のサブスクリプション費用を支払えば毎回の宅配料が無料になったりすることで、利用者に圧倒的な支持を集めています。
インド出身で、ソフトウェア会社のマーケティング担当をしている私の同居人も同じような理由でUberをよく使っていると話していました(ちなみに彼も週2-3回はテイクアウェイを取るヘビーユーザー)。
DoorDashも似たようなUber Eatsと似たようなサービスをサービスを集めているのでUberの次あたりに人気なサービス。シドニー発のMenulogはUber Eatsの代替サービスとして支持されていることが多いようです。
アジア料理が食べたい場合は、Hungrypandaがおすすめ。メルボルン発で中華料理を中心に圧倒的なシェアを誇っていたフードデリバリー・サービス、EASIを2022年に$181 million(約172億円)で買収してから、更に力をつけています。
日本においても、市場拡大と利用者の増加を受けて、Uber Eatsや出前館といった有名なフードデリバリーサービスだけでなく新しいサービスも登場してきています。
オーストラリア発のサービスは1個もランクインしていませんが…
いつの日か、日本でも使われるようになるように願いたいものです!
オーストラリアの外食は高いですが、同居人によるとフードデリバリーはそれだけ時間の節約にもなるし、平日や疲れた時はスマホをスクロールするだけで注文も出来て便利。
実はこんなにフードデリバリーサービスについて語っておきながら、一度もオーストラリアで宅配を頼んだことがないので…
もし良いクーポンが配布されたら、近いうちにでも試してみようかなと思います!
今回のブログは以上になります。ここ数年はオーストラリアでも物価高が続いて厳しい生活を強いられておりますが、この記事がこれから留学や移住をしたいと考えている方にとっての参考になれば幸いです。
また次回の記事もお楽しみに!
ではまた!