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どんな肉?       限定10パックの焼肉セット      いぶさな牛つる 43 ヶ月(竹の谷蔓牛)去勢      

とうとう43ヶ月まで出荷を延ばしてきた牛を出荷しました。
いぶさなの農場で生まれ、ゆっくりゆっくり育った牛です。
さてさてどんな風に仕上がったのか。

竹の谷蔓牛の成長は、現代の改良された黒毛和牛と比較すると成長は遅いように感じます。
10カ月の子牛の時点で、2か月分ほどの差はあるのではないでしょうか。
成長の遅さは、いぶさなでの飼育方法の影響による可能性も多少あります。
いぶさなの農場では母牛の出産時の負担を軽くするため、子牛はなるべく小さく産んでもらっています。
出産前の母牛に与える濃厚飼料の量は他の農場よりも控えめです。

近年、改良され育ちの良くなった現代の黒毛和牛は過大児による出産のトラブルがたびたびあります。
あまりにも子牛が大きく、自分達では引っ張り出せないので獣医さんに立会ってもらったり、トラクターで子牛を引っ張り出したり、お腹を切って帝王切開で出したり…
そうすると母体にもかなりの負担になり、予定よりも早く引退させざるおえない状態になります。
ですが、大きな子牛の方が高値がつく傾向にありますので生まれたときはある程度の大きさが望まれます。
子牛セリに出すまでの約10カ月(宮崎の児湯市場では10カ月前後で出場します)の間にいかに大きくするか。
生まれた時の体重が50㎏と30㎏ではスタート地点が違いますから、やはり少しでも大きく生ませたい、という風になります。

また、子牛を少しでも大きく育てるため、小さなうちから大量の濃厚飼料を与えます。
病気になりにくくなるモネンシンと言う抗生物質入りの濃厚飼料を与える農場もあります。

いぶさなではモネンシン入りのエサは使いません。
成長過程の内蔵の負担も考え、濃厚飼料の量も個体差を見ながら徐々に増やします。
ですが、1番エサの量を食べる時期でも他の農場よりも濃厚飼料は少なめです。
後はたっぷり国産稲わらを食べてもらいます。

もともと竹の谷蔓牛は山間部の雪の多い地域出身の和牛ですので、遺伝的に粗食に耐えられる体質だと考えています。
逆を言えば育った環境から、過度な飽食には耐えられない面も持ち合わせている可能性があります。
実際に濃厚飼料を成長過程で多給し過ぎると牛の体調と成長のバランスがあまり良くない状態になります。
ですので、無理のないよう個体差を見ながらゆっくり育てています。

そう言った点でいぶさなでは成長が遅れ気味となっているのかもしれません。
もっと良い方法もあるかもしれないですが、それは今模索中です。
養豚では、6ヶ月で出荷するように身体の成長が早くなるように改良されてきていますが、内蔵の成長が追いつかずに何頭かは死んでしまうと養豚農家さんから聞きました。
牛でもさらに改良が進むと今後同じことが頻発して起きるかもしれません。
経費的には早く大きくして出荷する方がいいので、仕方のないことでしょう。

さてさて話を戻して43ヶ月の子ですが、
今回の出荷の牛は当初、36か月くらいを予定しておりました。
そろそろ予定の月齢になってきたけど…毎日観察しておりましたが、イマイチ(美味しさと言う意味ではなく、出荷適齢かどうか)。
様子見しながら月齢をさらに重ねて、ようやく39カ月になりいい感じに仕上がってきました。
写真ではなかなか伝えられませんが、肩や背張り胴回り…
仕上がって来た時はなんと言いますか、全体的に厚みが増し重量感が感じられます。
毛並みも艶が落ち着いてきて、迫力がでます。
毎日見てると何となくわかります。

後は牛の体力を見ながら出荷時期を決めるばかり!
体力は申し分ない程あり、健康状態も良かったので、他の出荷牛との兼合いから43カ月となってしまいました。
はてさてどんな肉に仕上がったのか。

濃い小豆色、非常に柔らかい脂、ちょうど良い2等級評価のサシの入り具合。
見た目は良さそうです!
脂はものすごく柔らかく、冷蔵庫でもプルプルしています。
いぶさなでも肥育期間が長くなるとこのような軟脂になる事があります。

食感は
肉らしい繊維感、月齢分の噛み応えはあります。
控えめながらもじわっと噛むほどに染み出る味わい。
焼いている時の香りも良い。

実にいぶさなで育てた竹の谷蔓牛らしい味わいになりました!
今回はこの牛を持って催事販売に行きます。


今回出荷した43ヶ月の牛です

ホームページでの販売ではこのいぶさな牛つる(竹の谷蔓牛)の焼肉セット10パック限定で販売始めました。
なくなり次第終了です!

2024年9月11日〜24日まで新宿髙島屋、美味コレクションでこのお肉も販売いたします!
もしお近くにお越しの際はお立寄りください!

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