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てまひま。

繁殖農家(子牛を生ませてセリ販売する専門の牛農家)にとって
子牛は3カ月までの間にどれだけてまひまをかけるかが大事になります。
病気に気を付けることは基本中の基本。

母牛と同部屋で飼育する場合は哺乳時間をコントロールしたり、乳質に変化が出そうな時はすぐ対処したり。
母牛と離す場合は一日数回ミルクをあげることになります。
そしてなるべく早いタイミングでエサを食べることに慣れさせられるかがポイントです。
そして栄養価の高い食べやすい硬さの牧草を、長さをそろえて準備しちょこちょこ食べきる量を入れてあげてと。
小さいうちにしっかりエサを食べさせて消化器官の柔毛と脂肪細胞を増やせるかがのちのちA5の牛作りには大事になります。

こうして小さいうちからてまひまかけて育てると子牛のセリ出荷時には高値で取引されるような立派な牛になります。
もちろん血統や成長度合いにも係るので、どのうな子牛にするを種付け段階からしっかり考えられる繫殖農家さんはいい購買者さんが常連となっています。

いぶさなの場合は肥育する子牛はうちで生まれた子牛を肥育するので、脂肪細胞を一生懸命増やす必要もないし、無理やり短期間で食込ませて成長曲線をピーク値にしなきゃ!と言う意識はあまりありません。のんびり健康管理中心のてまひまをかけるくらいです…写真のようにお母さん牛のエサをつまみ食いなんかもしています。

たまに子牛セリに行きますが、そんなてまひまのかかってる子牛はしっかり値段が出る印象ですね。もちろん能力の高い子牛も稀にいますよ、放っておいても勝手に食べて病気もせず大きくなる子が。こんな牛ばらりならいいのにな。

話は変わり、デパートの催事販売でのことです。
催事ではお弁当を作っていますが、面白いくらいに盛り付けにてまひまかけたものから売れていきます。
もちろん美味しそうに肉を焼けているかどうかもありますが、一ミリ単位でちょこちょこと動かし、どう並べようか頭を悩ましながら盛り付けるた物は出したとたんに売れたり。
美味しいそうだ!と感じればお値段関係なくお客様はかっていかれます。7,000円のお弁当も値段も見ずに直感で買っていかれることも。

てまひまは目に見えないものだと思っていましたが、見る人が見ればすぐに伝わるものなんですね。何を売る時もする時も、何か一つてまひまですね。

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