見出し画像

和牛は輸出によって救われる?

R6年10月出荷の牛は いぶさな牛(竹の谷蔓牛✕但馬) 経産牛12歳でした。
いぶさなで10年以上過ごし、途中何度か肥育されつつも無事妊娠してここまで一緒に頑張ってくれた「おおやす6の3」。
体高が低めだったので、肉量も少なく214㎏でしたが2等級のいい色見のお肉に仕上がりました。
少し繊維質なのは仕方がないだろうと思います。
優しめの風味で、食べやすい味わいになっているのではないかと思います。

昨夜も焼肉ぽんちゃんでお客様がお肉のお代わりをたくさんしてくださいました。
今月の出荷の「おおやす6の3」のブリスケも唸りながら召し上がっていただけたようで嬉しい限りです。

こうやってコツコツといぶさなの色んな部位を「焼肉ぽんちゃん」では食べていただいているわけですが、小さいとはいえ1頭200㎏のお肉を売り切るのはなかなか大変です。
全部位焼肉にできるわけでもないですし。
それに今回はたまたま小柄な経産牛なだけで、大きい去勢等は400㎏以上ある時もあります。

いぶさなは月に1~2頭出荷しておりますが、R6年8月の国内の和牛の出荷頭数は全農の発表によると約38,500頭だったようです。
全農の資料に家計消費や輸出に関する情報もあったので見てみると1世帯当たり同月の消費量は484g(前年比93.8%)で減少していますが、支出金額は1,855円(前年比102.7%)と上がっているようです。

和牛の輸出は好調とニュースでも報道されていまして、財務省「貿易統計」によれば、2023年の牛肉輸出量は前年比113%の8421t、輸出金額は同111%の569億7700万円だそうです。

国内消費が落ちても、輸出が伸びれば畜産も安泰!?なのかと一瞬思いますね。
1頭当たり350㎏の肉量がとれるとすると年間約24,060頭分のお肉が輸出される計算です。
出荷頭数1カ月分には満たないですが、まあまあの頭数が輸出されている印象を受けます。
ですが、主に輸出される牛の部位はヒレ、リブロース、サーロイン。1頭当たりこの3部位で約50~60㎏とるすと牛1頭分のお肉の15~17%程度です。

このような限定的な部位の取引で本当に今後大丈夫なのでしょうか。
国内消費も落ちている状況で、続く飼料高に子牛価格の低迷…

なぜ消費が伸びないのか
なぜ輸出は限定的な部位となるのか

国内も輸出ももっと需要を伸ばしていきたいのなら今のままの感覚で和牛を作っていくことに不安を感じます。
物価高で消費が落ち込んでる中でも手に取ってもらえるような肉作り。
そしてそのような肉をきちんと評価してもらえる市場。

和牛農家もわかってはいるけど舵がきれない。
育てればだいたいA5になる現代の和牛を今後どう盛り上げていくのか。

A5の和牛は日本を代表するものだと思います。
ただ和牛ってもっともっと良いところあると思います。
国内でも国外でも求められる和牛にしていきたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?