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【#refereenote 2020】vol.1 大宮アルディージャ河面選手の決定的な得点の機会阻止について

こんばんは。
重要事項報告書を書く企画ついに始まりました!!いつ怒られるかヒヤヒヤしています!!笑
始めたはいいものの何も考えてなかったので、構成を決めぬまま走り出しました!
こうした方がいいのでは?とかあれば、コメントでもリプライでも教えて下さい!
さて今節、J1/J2/J3で一発退場を命じられた選手は1人で、大宮アルディージャの河面旺成選手でした。
(*警告2枚での退場は柏レイソルの高橋選手)

1.今回のケース紹介

簡単に今回のケースを紹介しましょう。
明治安田生命J2リーグ第15節V・ファーレン長崎 vs 大宮アルディージャ
@トランスコスモススタジアム長崎
からご紹介します。
スコアは畑選手の3試合連続ゴールの素晴らしいシュートで長崎が1-0でリードして迎えた62分の事象です。
⑴長崎の亀川選手が左サイドからダイレクトでボールを蹴る
⑵蹴ったボールは長崎陣のセンターサークル付近で競られて大宮陣中央付近ヘ流れる
⑶ヘディングで擦らし流れたボールが河本選手が目測を誤り脇を抜ける
⑷抜けたボールを畑選手の巧みなコントロールで河面選手を抜き、身体ごと入れ替わる
⑸河面選手は前に入られた畑選手を右手で右肩付近を押さえ、倒してしまう
簡単に言うとこういった流れかと思います。

DAZNでは、1:35:10〜該当シーンがご確認頂けます。
下記、Youtubeリンクは再生位置が退場シーンになっています。

2.5W1Hで整理しよう

では、例に倣い5W1Hで整理してみます。
・Why:決定的な得点機会の阻止
・When:62分40秒付近(記録上は63分)
・Where:自陣ペナルティーアーク手前付近で
・Who:大宮アルディージャ6番河面選手→V・ファーレン長崎29番畑選手
・What:相手競技者を押さえた(押さえて倒した)
・How:畑選手がドリブルでゴールに向かってドリブルするのを後方から右手で右肩付近を押さえて
+判定後の態度について
主審が退場を命じた後、河面選手は判定を受け入れ、フィールドから速やかに離れた。

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ここまで書ければほぼ完成同然なのですが、文章に起こしてみましょう。

3.重要事項報告書

「63分大宮アルディージャ6番河面旺成選手の決定的な得点の機会を阻止したことによる退場処分について」
63分、大宮アルディージャ6番河面旺成選手はV・ファーレン長崎29番畑潤基選手を自陣ペナルティーアーク手前でゴールへ向かってドリブルするのを後方から右手で右肩付近を押さえ、倒して決定的な得点の機会を阻止した。
この行為により、河面旺成選手を退場処分とした。
主審が退場を命じた後、河面選手は判定を受け入れ、フィールドから速やかに離れた。

4.判定の簡単な解説

私が主審であれば、上記のような文章を重要事項報告書に書きます。違和感のあるところがあれば、是非教えてください!
ここでは簡単な判定の解説を行います。
今回はポイントを2つに絞ります。
⑴決定的な得点の機会を阻止する反則の考慮する点
⑵このファウルがペナルティーエリア内であれば、警告に下がっていたか

⑴決定的な得点の機会を阻止する反則が起きた際に考慮する点
今回の河面選手が命じられた退場処分は最近Jリーグ界隈でお馴染みの"DOGSO"です。
DOGSOとは、「Denying Obviously Goal Scoring Opportunity」の略語で、小題の「決定的な得点の機会を阻止」と同義です。
決定的な得点の機会を阻止する反則が起きた際には以下の4つの項目を考慮しなければなりません。

・反則とゴールの距離
・全体的なプレーの方向性
・ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性
・守備側競技者の位置と数

実は今回ほど、クリアなDOGSOもなかなかないのですが…
記した4つの項目が全て満たされないとDOGSOには値しません。
今回のケースであれば、例えばこんなときには成立しないでしょう。
・反則が起きた場所が長崎の自陣内
・畑選手のトラップしたボールがサイドに向かっている
・河面選手をかわした後に他のディフェンダーがいる
など、どれか1つでも合致してしまえば、警告になるかと思います。

⑵このファウルがペナルティーエリア内であれば、警告になっていたか
結論から言うと、「NO」です。
主審が決定的な得点機会の阻止でペナルティーキックを与えた場合に警告になるケースはボールをプレーしようと試みた場合です。
今回のケースは河面選手はボールに試みることができる状況になく、その意図も感じられません。
また、基本的にボールに試みる時は相手を押さえる反則の場合は適用されないと考えています。
よって、今回のケースが仮にペナルティーエリア内で起きていたとしてもカードの色は変わらなかったでしょう。

5.終わりに

初回はいかがでしたでしょうか。
個人的には書いていて楽しかったです。
今回はケースとしても明快でわかりやすかったかなと思います。
ただ今読み返していると、ペナルティーアーク手前の表現は引っかかりますね…
これはどのように表現したらより正確で読み手に伝わるのか。
また勉強します!

明日のゲームでも一発退場の事象がもしあれば、書ければ良いなと思います!
ではまた!
Have a nice match day!

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