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高い建造物に見える文化の価値観の違い

文化とはなんぞや?
例えばあなたが違う文化の国に初めて旅行したとしましょう。
飛行機から降りて目に入る、その国の言葉やファッション、食べ物、建造物、看板や広告、全てが目新しく見えるに違いありません。
これらは「文化」ですよね?

答えはYes でもあり、Noでもあります。
これらは文化の象徴ではありますが、文化自体とはちょっと違います。
文化とは、これらが形成される価値観の表れ、と言えばいいでしょうか?

もうちょっとつっこんでお話しましょう。
社会心理学者、ヘールト・ホフステードによると、文化は玉ねぎみたいなものだと言います。

文化の玉ねぎ

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ホフステードは、一番見える外側にシンボル(ファッションや食べ物、建築物、言葉)があり、その中にその国や地域のヒーロー(みんなに尊敬される人々)があり、その中にその国の儀式やしきたりがあって、それは全て一番核心の価値観から生まれているというのです。

つまり、文化とは、たまねぎの層のようになっていて、外の一番見えるところは目につくけども、一番見えにくい価値観がが、その核になっている、という考えです。
(Geert Hofstede & Jans Hofstede著 ”Cultures and Organizations”より)

例えば高い建物を建てる理由を考えてみましょう。ニューヨークでは高層ビルが多いですが、その高層ビル(=シンボル)はもしかすると、高い=それだけの物を建てる金がある、という権力の象徴かもしれないですし、高いものを建てられる位のテクノロジーがあるというテクノロジーに価値を置く文化ということの表れかもしれません。

それに対し、ヨーロッパの色んな街で一番高い建造物は教会ですが(教会より高い建物を建ててはいけないという法律がある所も多い)、その場合、高い教会(=シンボル)は教会の絶対的な権力の象徴かもしれないですし、ひいては宗教に大きな価値を置く文化、という表れかもしれません。

つまり面白いのは、同じもの(高い建物)だからといって同じ価値観の表れだとは限らないということです。いずれにしても、文化を理解するには外側だけ見ただけでは核心の価値観まではその文化を良く知らないとなかなか理解できません。では、価値観とは一体何でしょう?
その話は次回に。

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