はる
春がきたね
光を湛えた瞳がぼくを見つめる
春がいたよ
ひんやりあたたかい掌がぼくに触れる
ねえ みてみて
笑い声を映した瞳の中でぼくが揺れる
ねえ ここにいたよ
3つになった掌がぼくの隣の空気をそっと包む
春を探すあなたのすぐそばに
春は
春になる前からそっと
ぼくを探すあなたのすぐそばに
ぼくは
土の中の中にそっと
そっと 暮らしながら
あなたの足音をきいていた
足音の世界に顔を出した今日
ぼくは
あなたの瞳に映る春が ぼくだということを知った
あなたと出会った今日
ぼくは
あなたの掌が探し当てた春が ぼくだということを知った
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