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#12 【商品レビュー】Joseph Cheaney & Sons/セミブローグシューズ

1.Joseph Cheaney & Sonsとは

 Joseph Cheaney & Sons(以下Cheaney)は創業者であるジョセフ・チーニー氏によって1886年に設立された。Edward Green、Chrokett & Jonesなど名だたるブランドが誕生した製靴の聖地であるイギリスはノーザンプトンで現在まで一貫して生産を続けている由緒正しいシューメーカーである。
 カジュアルなカントリーシューズから私が今回購入したようなドレスシューズまで幅広い、かつハイクオリティな革靴を生産しており、そのようなブランドは唯一無二と言えるだろう。また、品質に対してのリーズナブルさも魅力の1つである。かつての親会社Church'sの靴の値段は今や青天井だがCheaneyの方が品質は良いとまで言われることもある。

2.レビュー

 まずは簡単な仕様の紹介をしたい。革は肌理の細かいボックスカーフ、キャップドトゥのセミブローグで内羽根、ソールは革底、グッドイヤーウェルト製法の実にオーセンティックで基本に忠実な靴だ。
 そしてなによりこの美しさを見てほしい。短めなセミスクエアトゥのタイムレスなシルエット、Tricker'sなどにも通ずるトラディショナルで丁寧なメダリオン。そのすべてがイギリス靴らしいオーセンティックで生真面目な雰囲気を存分に醸し出している。また、購入したWinstonというモデルに使われているラスト(木型)は6184という型番のもの。その昔、Cheaneyがアメリカ市場に流通させていた靴に使われたラストであり、普段からPolo Ralph Laurenなどアメリカントラッドの影響下にあるブランドの服を着用している私にはぴったりだ。足入れしたときのフィット感はやはり快適で、ラストの完成度の高さを実感させられる。
 「流行に左右されない」「タイムレス」といった言葉が私のスタイルにおいて座右の銘となっており、典型的なイタリア靴のようなロングノーズであったりシーム等の個性的なデザインであったりはあまり好ましいと感じるものではない。一方、良いものをメンテナンスと修理を重ねて経年変化を楽しみ長く履くという革靴本来の良さを存分に発揮できるポテンシャルを持ったCheaneyの製品は私の価値観によりフィットしたものと言えるだろう。“持続可能”という言葉がにわかに注目を集めている現代にも受け入れられる製品なのではないだろうか。

3.まとめ

 Cheaneyなどの良い革靴はしっかりとメンテナンスをしていれば10年20年、それ以上の時間を共に過ごせるものである。この美しい靴を自分の足に馴染ませ、自分だけの経年変化を楽しみつつ歩みたい。

追記

 革底の靴は地面が濡れているとめちゃくちゃ滑ることに履いていて気づきました。

Joseph Cheaney & Sons公式サイト

日本公式代理店サイト

筆者:吉本伊吹

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