職員のおもい 〜 episode003 〜
今日は泊まらないよ お母さん迎えに来るって
2012年4月、なかまたちのパストラルいぶきでの生活が始まったばかりのころ、彼女がよく口にしていた言葉です。
おやごごろ と なかまのねがい と 職員のおもい と
ご家族が、まだ20代である彼女のグループホーム入居を決心したのは、自分たちが元気であれば新しい生活のスタートを十分支えてあげられるから。
しかし、彼女は大好きな家族と離れて暮らすことがどうしても納得できません。
「(ホームに)連れていかんといてよ!」そう泣き叫ぶ彼女に、職員は「こんな思いをさせてまで…」と悩みました。
なるべく家族と会わないように 思い出さないように
そう考えた時期もありました。しかし、職員は「家族と暮らしたい」という彼女のねがいに向き合うことを選びました。無理強いせず、気持ちの整理をつけて送迎車から降りてくるのを待ち…、家族が恋しくなった日には「悲しいね。でもここもあなたの居場所なんだよ」と彼女の葛藤に寄り添い…一緒に過ごしました。
わたしここにいてもいいかな
彼女にそうしたおもいが芽生え、育つまでの取り組みがスタッフから語られたのは、パストラルの開所から3年後。2014年7月20日に行われた法人設立20周年事業「いぶきの実践を確かめ合う集い」の中。いぶき福祉会が始まって7,318日目のことでした。
場所ができたら、すぐになかまの居場所になれるわけではありません。そのためには本人と家族と職員とが一緒に悩み、葛藤することも必要です。これらに寄り添っていくために、「親なき後」に向き合っていきたいのです。
*この内容は2014年10月と2019年9月に発行された通信「夢よもっとひろがれ」に掲載された内容を元に再編集しています。
2つの通信はこちらから【外部サイト:いぶきの小窓】
2014年10月20日発行号 2019年 9月発行特別号
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