おやごころ ~ episode008~
いぶき最高齢のなかま
今年で84歳。ご両親とお兄さんはすでに亡くなられ、職員とのやりとりや行事への参加、帰省の受け入れはお義姉さんがしてくれていました。
加齢と衰えに逆らえない中でも
彼女は法人化以前からいぶきに通い、いぶきのグループホームで20年以上暮らしていました。どれだけ歳をとっても、いつまでも大好きななかまたちと、かわらず仕事に取り組みたいと頑張っていました。できないことも増えてきたけれど、まだみんなと一緒に過ごせるだろうと思っていました。急激に食事量が減ってきた今年の夏までは。
その日は突然に
金曜日、いつものようにみんなと「また月曜日ね」とあいさつし、彼女はホームへ帰っていきました。しかしその週末、体調不良で緊急入院することになりました。そして、医師から告げられたのは「もう今のホームに戻ることはできない(医療への備えが不十分)」ことと、「積極的治療をするかどうか選択しなければならない」の2つでした。
家族に迫られた選択
お義姉さんは、積極的治療を望むことができませんでした。どれだけ悩んでも「残された家族も少なくなる中、自分もいつまで頑張れるかわからない中、延命のためだけの治療は選べない、わたしが見送ってやりたい」と。
こうして、彼女は慣れたなかまや活動のあるいぶきを離れ、医療を受けられる施設へと移ることになりました。コロナ禍できちんとしたお別れも難しいままに。
最後の問に
「親なき後」の行きつく先。全ての人に等しくやってくるそのとき。誰が、どんな答えを用意すれば良いのか、それまでにどんな選択ができるのか。容赦なく突きつけられるこの問いに答えるため、「親なき後」に向き合っていきたいのです。
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