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職員のおもい ~ 001

気づけなかった異変と不安

「今すぐ入院させないと間に合わない! 
        息子さんのことは どうにかできないんですか?」

近所の方からの電話を受け家を訪ねると、そこには布団の上で動けなくなっているお母さんの姿がありました。お母さんは癌でした。ずっと前からお医者さんや近所の方は入院を勧めていたそうです。

「わたしがいなくなったらこの子が一人になる。
                                        そう考えたら  入院できなかったんです」

そう言い残して、お母さんは病院へ向かいました。

いぶきは通所施設ですが、なかまが自分で通ってくるとお母さんにはなかなかお会いできないケースもあります。なかまも教えてはくれません。そうした中でお母さんは体の異変、この先の不安と一人で戦っていたのです。

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大丈夫…ですか?

入院と退院を繰り返し、少しずつ病状が悪化する中、お母さんの口から出るのは息子さんの心配ばかりでした。
「あの子はどうしてますか…?大丈夫…ですか?」
「グループホームで元気にしてますよ」
「ありがとうございます…あの子をよろしくお願いします」
「僕たちも一緒にいますから、心配しなくても大丈夫ですよ」
「ありがとうございます…」

そんな会話を最後に、2009年11月23日、彼はお母さんとお別れすることになりました。お母さんと最後に交わした約束

「心配しなくても大丈夫」 

この約束を守り続けていくため、なかまたちにに向き合っていきたいと思っています。

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