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推しカクテルを呑んだ。その『奇跡』を、想った。
※あてんしょんぷりーず※
映画『ある用務員』のネタバレしかありません。(読者層的にいないとは思いますが)未見の方は閲覧をお控えください。また例に漏れずおれの性癖がダダ漏れの怪文書となっております。苦手な方は閲覧をお控えください。
公式さん、いつもちさまひの供給をありがとう。
無いのなら
作ってみせよう
おれの推し
あるいは別名、『いつも心にハリボテエレジー』。
そんな心意気で限界オタクをしていた辺境のオタクが、おれの今年の最高傑作の座を一瞬で奪い取ってしまった『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』のせいで、ベビわる沼に見事に再燃し。
公式の供給がほぼほぼない沼と、毎週のようにてぇてぇあまりにも多すぎる供給が注がれる沼の両方に、図らずも両足を突っ込んでしまってから数ヶ月が経過しました。
いやほんとに『ナイスデイズ』からの『エブリデイ!』やばかったな???まさに神の流れだったな???(ガンギマリ顔)
当初はてっきり、『ナイスデイズ』で不足していたちさまひkawaii成分とかちさまひキャッキャ成分を補うべくして始まった……かに思えたそのドラマ版は。蓋を開けてみたらそれはこれまでのちさまひの総決算であり、彼女らの『幸せ』を願い続けたすべてのおれたちに対する『答え』であり、そして『無印→ベビ2→ナイデイ』の中で少しずつ変わり続けてきたちさまひ二人の、『終わりであり始まり』の物語であり。最終話を迎えてもうすぐ1ヶ月になるというのに、おれは未だにあの史上最高の11話と12話の余韻から抜け出せておりません。
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いやほんとに『エブリデイ!』からシリーズに入るのも悪くないのではと思っていた数ヶ月前の自分を恥じたい。『エブリデイ!』から入ってもいいがその場合見ていいのは最初の3話だけだ。後半戦の尊さと辛さと美しさは、(シホリカちゃんも含めて)彼女らの旅路を見届けてこそ、その『本質』が容赦なく心に突き刺さってくる。
シリーズ全作品、U-NEXTくんが配信中。
ドキュわるとナイスデイズのみ課金必要ですが。年末年始のお供に是非どうぞ。↓
脱線しました。これだから限界オタクはよくない。
そんなこんなで未だにベビわる熱が冷めないおれですが。ベビわるを語るとなると、おれはどうしてもおれたちの愛すべき二人、『ちさまひ』の原型となったものたち。型月世界でいうところの『ちさまひのプロトタイプ組』、シホとリカという二人の少女にも、思いを馳せずにはいられないのです。
おれたちの創造神……もといおれたちが愛してやまない『宇宙』の創造者、阪元裕吾監督。
ベビわるシリーズが生まれる少し前、阪元監督の手によって、おれたちの『のだめ』の黒木くん(わかる人はおれと握手だ)もとい福士雅治先生を主役に、生み出されたもう一つの殺し屋たちの狂詩曲。映画『ある用務員』の中に、その二人が燦然として存在していた奇跡から。おれは何回だって、何度だってそこから、彼女らがおれたちの『ちさまひ』になる物語を、語りたくなるのです。
そして、みんなの『ちさまひ』になった。
監督、そして観衆が愛したふたりは、
闘いを重ねるたびに、人々の心の中へ。
意気軒昂、うら若き戦乙女たちの旅は続く。
幾多の想いとともに。
まぁこんな怪文書を捏造してしまうほどには。
とある二人の少女たちが。『刹那』の鮮烈な煌めきを刻んで、散っていった二人の少女が。
みんなの、みんなから『永遠』を願われる二人に、みんなの『ちさまひ』になったという事実に。おれは何回だって愛おしさと切なさと、美しさを覚えるのです。
≪Cast紹介≫
— 映画「ある用務員」公式 (@aruyoumuin) December 27, 2020
リカ役:#髙石あかり (@a_akari1219)
女子高生の殺し屋。
シホ(#伊澤彩織)とコンビを組み、深見(#福士誠治)を狙う。
キレると人格が豹変。
↓公式HPはコチラ↓https://t.co/oCt5F9T6gi#ある用務員 pic.twitter.com/GzWGUYYLpg
≪Cast紹介≫
— 映画「ある用務員」公式 (@aruyoumuin) December 27, 2020
シホ役:#伊澤彩織 (@izwsaori)
女子高生の殺し屋。
リカ(#髙石あかり)とコンビを組み、深見(#福士誠治)を狙う。
リカの無鉄砲さをいつも心配している。
↓公式HPはコチラ↓https://t.co/oCt5F9T6gi#ある用務員 pic.twitter.com/BpM9vzO0Jv
リカとシホ。
用務員さん、もとい深見さんと少女・唯を抹殺すべく、集められた殺し屋たちのうちのふたり。今となってはおれたちを狂わせ続けている、『ちさととまひろ』の原型であり、はじまりであり、プロトタイプのふたりです。
シホリカちゃんについて語るのは後に回すとして、本当にこのふたりもまた、ただ『ちさまひの原型』として語るだけではいられない、凄まじい魅力と切なさを孕んでいるのは(オタクなら)周知の事実だと思います。存在しないエピソードを何回でも壁打ちできてしまうほどの、そんな破壊力と圧倒的尊さがあるんですよ。シホリカちゃんは。(シホリカちゃんの限界オタク、ガンギマリ顔)
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しかしシホリカちゃんはあくまでも『脇役』。
ゆえにちさまひのように公式からグッズが出ることもなく。実質ちさまひがシホリカちゃんの『未来』でありながらも、シホリカちゃんとしてのあかりさんとさおりさんの新規供給はほとんどなく。おれはシホリカちゃんの存在しない記憶を、延々とついったーくんに壁打ちをすることにより飢えをしのいでおりました。頭おかしい??おれは全然普通だよ(ノルマ達成)
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しかし限界沼で育ってきたオタクの端くれ。
『自給自足』の機会があるのなら、それに『飛び込まない』という選択肢がないというのも、また事実。
おれ1『オレはやるぜオレはやるぜ』
おれ2『そうかやるのか』
おれ3『やるならやらねば』
常に心にハスキー犬を住まわせている限界オタク。
今回も急遽当日予約の枠が空いたとの報を受け。駆け込んだのは毎度おなじみ、軽率に情緒をぶっ壊してくれる神の店、大阪天満の『Bar Bluewood』さんでした。いつもありがとうございます。
職場が近すぎるゆえ何回もお世話になっている(そのたび情緒と理性を完膚なきまでに破壊されている)安心と安定のBluewoodさん。前回も最高のまひろさん概念をお出しいただき、もれなく限界化していたおれですが、今回のおれが作りたいものはハナから決まっておりました。
おれ『……シホちゃんだ』
おれ『シホちゃん……シホちゃんの概念、飲みたい(ガンギマリ顔)』
……おれはあほの限界オタクであった。
Bluewoodさん系列店は怪文書オーダーシートを記入し、その間にもう一杯別のドリンクを頼むスタイルなのは、おれの他のレポを読んでる人ならご理解されてるとは思います。
今回もおれは『ダーティーマザー』をチョイス。9/16、おれたちのまひろさんの誕生日カクテルです。コーヒーリキュールをブランデーで割るという、かなり度数もきついカクテルです。だがそれがいい。
コーヒーリキュールにはカルーアが使われることが多いですが、苦めもできますよということだったので、コーヒーリキュールは『パトロン XO カフェ』なる、テキーラで作られたものを使ってもらいました。
……なおこれが後におれの墓穴を掘ることになる。
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相変わらずダーティーマザーは飲みやすい。度数かなり高いのに。これだからよくない。
そんなことを思いながら、まひろさんアクスタを傍らに、ちびりちびりとダーティーマザーを嗜んでいたおれの目の前に。
バーテンダーのおねえさん「おまたせしました」
おれ「おっきたか…………ミッッッッ(爆散)」
おれたちのママ、もといシホちゃんは。
今回も致命的に尊いお姿で、現れました。
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シホちゃんのイメージカラーである、ピンクとグレーの2層構造。
Bluewoodさんのカクテルは基本的に2層構造がデフォではありますが、予想していたとはいえ圧倒的な『シホちゃんみ』に、この時点で限界オタクの情緒は決壊寸前です。
しかし見た目だけで攻勢を緩めるなど、甘い選択肢はBluewoodさんには『無い』のも、また事実で。
おねえさん『解説始めさせていただきますね』
おれ『はひ………(ちょっと今日が命日かもしれん)』
シホリカちゃん限界オタクを殺すための数分間が、容赦なくここに、始まったのでした。
上の部分、淡い桜色の部分に使用されているのは、『アブソルート ライム』。名前の通りライムの味付けがされたウォッカの一種です。もちろんウォッカなので度数も、40度とかなり高いやつ。
おれ「(初手ウォッカじゃん……)」
おねえさん「ライムのきりっとした酸味がありますね、こちらのお酒。シホちゃんの『クールな仕事人気質』を表現しております」
おれ「アッ」
おねえさん「さらに切れ味と度数の強さで、『殺し屋』としてのシビアさ、強さも表現させていただきました」
おれ「アッアッ」
おねえさん「あとライムの花言葉なんですけどね」
おねえさん「『あなたを見守る』というものがありまして」
おねえさん「相棒であるリカちゃんを心配しているところ、彼女への『保護者』『母性』のニュアンスも、こちらで表現させていただきました(いい笑顔)」
おれ「(爆散)」
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………ちょっとまてなんだこれ。
初手からあまりにもシホちゃんすぎん???なにこれ????(あまりにも尊いものを出されて頭の中でキレ始める限界オタク)
上部だけでこんなに限界なのに。
下段もなんかものすごくこう、情緒に危ない予感がする。
この時点で情緒の完全なる『死』を覚悟したおれに。Bluewoodさんは容赦なく、次の一撃を浴びせかけてくるのでした。
おねえさん「下段にはココナッツのリキュール、マリブを使用しております」
おれ「(おっパリピの定番………)(諸説あり)」
おねえさん「こちら、混ぜれば混ぜるほどマリブの甘みが出てきまして」
おねえさん「シホちゃんのリカちゃんへの大きな愛情が、どんどん色濃く出てくるようになっております」
おれ「(爆散)(2回目)」
おねえさん「また、ココナッツの花言葉ですが」
おれ「…………はへ(まだ回復してない)」
おねえさん「『固い決意』と『家族愛』というものがありまして」
おねえさん「リカちゃんを殺した『勝てないような』相手にも立ち向かう姿と、その足を動かしたリカちゃんへの強い愛情も、こちらで表現しております」
待って「おれ」
…………やめてくれ。
やめてくれ、その解釈はおれに効きすぎる。
あの一瞬のシホちゃんの、美しくも凄絶な覚悟を帯びた眼差しを反射的に思い出し。リアルに悶絶したおれの目の前で、にっこりと笑ったおねえさんは、言いました。
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おねえさん「マリブのココナッツの味が、しっかりお口の中に残るように作っております」
おねえさん「十数分にしか満たない僅かな登場時間でも、心に刺さって離れない。そんなところをイメージしました」
待って「おれ」
おねえさん「またグラスですが、二重構造になっておりまして」
おねえさん「シホちゃんのクールさと優しさの二面性、またリカちゃんを『保護者』みたいに守ろうとする姿もイメージしております」
おれ「(爆散)」
本当に。どこまでも情緒に悪い。シホリカちゃん。
おれは悶絶しながらそのうつくしいカクテルを、しげしげと見つめておもむろに、気がつきました。
おれ「ミッッッッ………あっあの」
おれ「これ………もしかしなくても、ナイフ、ですか」
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おねえさん「はい(にっこり)」
おれ「ア!(爆散)」
そういや怪文書オーダーシートのイメージモチーフに、『ナイフ』を書いていたなと思い出し。
まさかのここにそれを用いられるとは思っておらず、おれは嗚咽しながら覚悟を決めて、シホちゃんのカクテルにお口をつけました。
おれ「さっぱりしてる……(嗚咽)」
ピンク色の、それこそシホちゃんの制服の色をした、桜みたいな淡い色のカクテル。それでも一口飲み込めば、口の中に広がるのはきりりとした、清廉でさっぱりとしたライムの香りで。強めのアルコールが喉を焼く感覚と、清々しさすら感じさせるほどの柑橘の香りに、思い浮かぶのはシホちゃんの美しくも凛々しい『仕事人』としての姿。
シホちゃん、本当に桜の妖精さんのようで。金髪と灰色と桜色、光を浴びて煌めく髪の毛の先は、触れれば砕けてしまいそうなほどに繊細な光を纏っていて。儚さと美しさと愛らしさを帯びた姿をしてるんですけど、その本質は『捕食者』なんですよ。
あのナイフを構えた姿の美しさと、深見さんの胸に躊躇いなく刃を突き立てた時の一瞬の表情に、おれは何回だって『ァァ~ッ』となるんです。可愛いのに甘くない、儚くとも一頭の『獣』であるシホちゃん。だいすきです。(嗚咽)あの深見さんとの最初で最後の死合を思い出して、自然と視界が霞んでくる。本当にあの時のシホちゃんの美しさと気高さと鋭利さ、思い出すだけでもしんどくなるんよ……。
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おれ「シホちゃ………(嗚咽)」
ひりひりと喉を焼くアルコールの存在感。チェイサーでその衝撃を和らげながらも、しばしそのシホちゃんの強さと美しさを堪能し。おれは覚悟を決めて、下の灰色、マリブと上を混ぜ合わせました。
マドラーも何気なく見れば、それはシホちゃんのイメージそのままな『桜の花』。
本当にシホちゃんって桜の花の化身、あるいは妖精さんにしか見えないんだよな………(末期)と、こみ上げてくる嗚咽を堪えながらも。おれはそのマドラーでカクテルの二層を混ぜ合わせます。
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灰色。シホちゃんのパーカーの色に染まる、カクテル。チェイサーを流し込むと、おれは覚悟を決めて口をつけます。
おれ「ミッッッッッッッッッッッッッッ」(爆散)
先程までの清廉で鋭利なライムの香りの上に。
一気にココナッツの甘く濃厚な味が襲いかかってきて、おれはその場で奇声を上げそうになるのを、どうにかしてこらえました。
クールでややぶっきらぼうに振る舞ってはいるものの。心の奥底ではリカちゃんのことが何よりも心配で、リカちゃんの『ママ』と呼んでもいいレベルで過保護でもあるおれたちのシホちゃん。
その優しさと母性(シホちゃんは高校生です)が一気に、ここに来て頭を直接殴りつけてくる感覚に。おれは背筋にぞくぞくとした興奮が駆け上がるのを感じながら、改めてシホリカという存在の間に横たわる『愛』の重さを、大きさを感じました。
あまりにも甘い。
あまりにも重い。
そして口の中にその濃厚な、甘い味が飲み干しても、残っている。
80分ほどある『ある用務員』本編の中で、シホリカちゃんが登場するのは、わずか10分と少しほど。
おれたちがちさまひのオタクであるという『大前提』があるにせよ、それでもシホリカちゃんはその短い時間の中で、あまりにも鮮烈な煌めきと重い愛情を見せつけて、駆け抜けていく。
そしてその余韻が未だに。おれという限界オタクの頭を焼き続けている。まさにこれを『シホリカ』と呼ばずして、何と呼ぶのかと。
おれ『ァッ…………シホリカちゃん………(嗚咽)』
大阪天満の一角で。
おれはみんなから愛された、みんなが愛する『永遠』となった、二人の少女たちの『はじまり』に。改めて顔を覆い嗚咽することとなったのでした。
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シホちゃんをどうにか飲み干し、最後の一滴まで、喉の奥に彼女を焼きつけたおれ。
そういえばジェネリックまひろさん、ダーティーマザーが残っていたなと思い出し。まひろさんアクスタに見守られながら、おれは残ったダーティーマザーに口をつけます。
おれ「ミッッッッッッッッッ」(爆散)
カルーアではなく、パトロンXO。
即ち『甘くない』、大人のほろ苦さを纏ったまひろさんの味に。
おれはまひろさんが『二十歳』を迎えたのだと──『未来』を知ることのなかったシホちゃんの代わりに、『未来』を迎えることができたのだというその事実を思い出して。
おれ「むり………(嗚咽)」
改めて、シホリカちゃんが出会えた奇跡に。
そしてちさまひが『永遠』となった、奇跡に。
そのどちらの奇跡に震えながらも、こう思ったのでした。
ちさまひよ、シホリカよ、末永く幸せであれ、と。
今年の年末。
できればひとりでも多くの人に、ちさまひとシホリカちゃんが、届きますように。
おれは今日も限界化しながら、改めて日本の片隅でそう思っています。