「交流分析 for Teacher」シリーズ記事では、学校現場の事例について交流分析を通した解釈を書いています。今回は学校現場の話ではありませんが、似たようなことが学校でも起きると考えて掲載しました。子どもや保護者と向き合うためのヒントにしていただけたら幸いです。
交流分析 for Teacher①は管理人の別アカウントに掲載しています。
このお話はオンラインショップ運営のM山さんにうかがいました。筆者も仕事の関係でお世話になっている方です。
M山さんはオンラインショップのオーナーです。天然繊維の衣料を販売し、体を冷やさないで健康に暮らすためのアドバイスもしています。電話やメールなどで相談を受け、回数や時間などの制限はなくお客さんの話を聞きアドバイスをしているそうです。
以下は筆者が仕事の関係でM山さんに電話した時にうかがったお話です。
M山さんのお店に頻繁に電話で相談をされるお客さんがいたそうです。
そのお客さんは「おばあちゃん」と言っても良い年齢の方ですが、とても依頼心が強い方です。「このことはどうですか?」「教えてください」などとM山さんのアドバイスを仰ぐのですが、何度相談しても不安なのか、彼女からお店に2~3日に1度電話がかかってきて、しかも一回の相談がとても長いそうです。
彼女は誰にでも依頼心を向けるかというとそうではなく、M山さん以外の他のスタッフには威圧的な態度を取るそうです。
M山さんの話を聞いて、頭に浮かんだのは「転移」と「逆転移」です。
相手の方は「おばあちゃん」ですが、M山さんが体験しているようなことを、私も高校の教員時代に生徒との間で体験したことがあるような気がしました。
その一か月後にまたM山さんに電話で伺ってみると、2~3日に一回あった彼女の電話が週に1回くらいに減ったそうです。
彼女のM山さんに対する振る舞いが「転移」で、それに対するM山さんの反応が「逆転移」にあたると思います。これは精神分析の用語です。
M山さんが体験したのと同じようなことを、私は教員時代に体験しました。
交流分析とは少し違う角度からですが、こういう見立てや対応の方法があることを、教員を辞めたあと、交流分析を学ぶより前に知りました。
次回は交流分析からは少し離れますが教育現場の「転移」と「逆転移」を語ってみたいと思います。