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LGBT法案は何が問題?テレビしか見ない人にはわからない怖さ



今日ものんきな大手通信グループ会社のお昼時間。普段テレビとスポーツ新聞しか見ない照微部長とテレビは全く見ない入社3年目の絶途くんは社内の食堂でランチ中です。

「それにしても何だな、自民党の一部保守グループってのはとんでもないな。LGBT法をサミットまでに成立させなきゃいけないのに、なんだかんだと邪魔して。岸田さんが恥をかくじゃないか。G7でLGBT差別禁止法がないのは、日本だけなんだろ」
「日本だけLGBT差別禁止法がないって誰が言ってるんですか」
「公明党の山口党首も言ってるし、新聞にも書いてあるよ。新聞の中には自民党の人権意識はどうなってるんだって書いているのものあるし、本当にそうだよ」
「LGBT差別禁止法が日本だけないなんて嘘っぱちですよ。第一アメリカでさえ共和党の反対で法案成立の見通しは立っていないって聞いてますよ」
「そうなのか!アメリカのエマニュエル大使はやけにごり押ししてくるじゃないか。自分の国でも通っていないの?」
「アメリカはオバマ大統領の時代に全米の公立学校と大学に『自らの性自認に一致するトイレを使わせろ』という通達を出しちゃって大混乱になったんです。州によっては男女別々のトイレを禁止するなど、もうめちゃくちゃですよ。
そんなこともあってアメリカではLGBT差別禁止法には相当慎重になってます。LGBT差別禁止禁止法など決めた州もあってもう何が何やら」
「そうは言ってもLGBTの人を差別していいわけじゃないから差別禁止法は必要なんじゃないか?」
「そもそも欧米のキリスト教国やイスラム国では宗教的に同性愛を禁止してますから、差別の度合いが日本と全然違うんですよ。同性愛者が牢屋に入れられたり死刑になったりする国もありますからねぇ。そういう国では歴史的に同性愛者はひどい迫害や差別を受けてきたわけで、欧米の国はその引け目から今になってLGBT差別禁止を言ってるんですよ。日本ではそんなことないでしょ」
「歌舞伎には女形があるし宝塚も男装で舞台に立ってるな。日本は昔から同性愛者や男装女装におおらかだったんだな。」
「そうなんですよ。日本人は元々差別意識が希薄なのに、わざわざ法律で禁止すればおかしなことになりますよ。
特に問題なのはトランスジェンダー(T)についてで、その人の性自認が生物的な性と異なっている人です。
トランスジェンダーは男性の体で女性の心を持った人で(逆もありますが)その人を女性と同等に扱わないと『差別だ』と訴えられることになります。トイレの問題はここなんです」
「なに、見た目は全く男でも自分で『心は女性です』と言えば女子トイレが使えるってこと?そんな無茶な、大騒ぎになるぞ」
「そうなんです。厄介なのは女性が男性に出て行ってくれと言っても『それは差別だ』と言われると排除できないし、警察も介入しずらいんです」
「恐ろしい話だな。そんなこと慌てて法制化することはないじゃないか。」
「それを自民党は党内で反対意見が多いのに強引に法案提出しようとしてますからね。
もうどうしちゃったんだろうって感じですよ」

と、若手社員にものを教えられているうちにランチタイムも終わり職場に戻っていく照微部長と絶途くんです。
それにしても自分は毎日テレビや新聞で情報を集めているのになぜ若者に教えられてるんだ?
と訝しく思う照微部長なのでした。

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