8日目 満月イボガオンラインセレモニー
双子座満月。
アセンダントに惑星キロンが入っているので、コンプレックスや心の傷に向かい合うのに良い時となっているそうだ。
今日は初のイボガオンラインセレモニーとなっている。zoomにはイボガールのように摂取してからセレモニーに臨む者もいれば、イボガコースを申込済の方や、精霊のコーリングで、何をするのかよく分からずにセレモニーに参加した初お目見えの方までが集まった。
イボガを口に含んで、生温かくなった水に苦みを感じる頃まで待つ。
その間は、精霊に意図を送って量子瞑想。
ごくんと飲み込んで、セレモニーが始まるまで1時間ほど待った。いつもはすぐに寝るので、起きているのは初めてだ。なんだか眠くなってくる。
zoomのオンラインセレモニーが始まった。
しばらくすると、中高を過ごした校舎が見えてくる。卒業してから数十年経っているのに、まるで今日、学校から帰ってきたかのようにリアルだ。
脳って…ぜんぶ覚えてるんだ…
靴箱の近くにはパン売り場やゲタ箱、傘立てがあって、そこから螺旋状に斜め上へと続くコンクリートの道がある。
き◯◯というあだ名の同級生がいた。
ケンカが強くて格闘技が好きなのに、妙に可愛らしくて黄色い声の子。キツネ目で色黒で、決して可愛いカテゴリに入らないはずなのに、気の強さと屈託のなさが同居している可愛いその子を、その風景のなかに感じていた。
ああいう感じ…
なにがって、乱暴でゴツい感じと女の子らしさが同居してるのに、矛盾せずにひとつの身として存在できていること。それが当時、とても不思議だったけれども、ひとのキャラクターとしては自然よね。と、いまは素直にそう思える。
ひるがえって、イボガール自身はどうか。
型にはめて、らしい感じ・らしくない感じをコントロールしようとしていたし、自分自身であることへの心もとなさが絶えずあった。
太宰治の、生まれてすみません。というのを高校時代、感じていた。それはクレッチマーの「天才の心理学」に憧れて、少し病的な不健康さに憧れていたからと言うのも、少しはあったけれども。
あぁ、別に両親に何か言われたことはなかったけれど、女の子らしいことをがまんして、可愛がられることを避けていたみたい…
女子校のなかには、女の子らしい子と、あまりらしくない子がグラデーションになっている。
そんなことに気づいて、量子瞑想した。
翌日。
イボガのマイクロドージングを始めてから、外界で起きることにいちいち目くじらを立てることが減ってきている。
少しずつ、確実に変化を感じている。
イボガマイクロドージングで、イボガの精霊は睡眠中にさまざまな魔法をかけてくれるのだった。