
2日目 こんこんと眠る イボガマイクロドージング
夕食を取った途端に眠気が襲った。
…気がつけば25時。土曜日だ。
まだ頭痛はしている。
指示のあった量を水と一緒に含んで、
しばらくしてから飲み込んだ。
2日目。
ファン族の音楽をかける。
なかなか寝つけない。
いや、寝つけていないのか明晰夢なのか。
起きている感じがずっとしている。
…中学校のクリーム色の建物が見えてきた。
学院祭のときにお弁当を広げて食べた芝生。
意識を合わせていくと、売っていたパンや靴箱やロッカー、石の廊下や美術室がリアルに見えてきた。毎日昇り降りしていた階段もはっきり感じられる。
当時の親友は絵を描くのが得意で、
美術室の先生とよくふざけていた。
卒業後、その先生と再会したとき
イボガールは言った。
「先生、◯◯は元気にしていますよ」
先生は慈愛に満ちた視線を向けて、
しばらくしてから穏やかに言った。
「君は自分のことを話さないの?」
…何かが大きく動いたわけではない。
けれども、当時の自己認識はそうだったのかと確認できた感じはした。他人を立てて自分は脇役。
気がつけば朝になっていて、頭痛は激しいまま。
頭痛と胸の痛みと、右手小指から肘にかけて、痺れるような痛みがあった。これは何年も前から、起きがけにときどき発生する症状だ。
右手小指を優しく包んでみる。
心身で痛みを感じる場所に光を送る。
そんなことをしながら、気づけば寝入っていた。
起きたのは、13時だった。
シャーマンから具合の確認があり、報告。
3日目はさらに少ない摂取量の指示があった。
ミラーニューロン革命が順調に起きていることを告げられた。「まだわからないかもしれませんが。」
テレグラムのメッセージを見て、なぜ昨日、一段飛ばしで階段を昇ってしまったのかが初めてわかった気がした。
40代女性が出勤途中で、一段飛ばしの階段昇り…美しい絵面とは言いがたいが、エネルギーは出ていたのだろう。
たくさん眠っているはず。
けれども、もっともっと眠りたい…
土曜日は、その後もこんこんと眠った。
気づけば18時になっていた。