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トヨタ紡織様インタビュー:CSMと共にTurbonomicを活用してクラウドコストを削減

現在Turbonomicを活用しているトヨタ紡織株式会社は、導入後よりCSMとの共創活動を続け、クラウドコストの削減に成功しています。
不要なインスタンスの停止、サイズの変更に加え、パーキングと呼ばれる機能を使い、利用しない時間帯の自動停止・起動を実現して約2割のコスト削減効果を実現しました。

今回は、その主担当である、ビジネス改革推進部ITインフラ室サーバ運用グループの吉見有司グループ長、秋山一仁主担当員のお二人にインタビューをさせて頂きました。

日本IBM箱崎事業所にて、トヨタ紡織様担当CSMの田中俊介と、CSM Automation製品リーダーである村上雄介、Turbonomic SMEのCSM河野哲也が同席し、インタビューアーはCSMの加藤典子が実施しました。


1.   お二人の自己紹介をお願い致します。

(吉見氏)
元々は開発を担当していましたが、その後海外赴任などを経験しました。サーバ、ホスト、ネットワークといったインフラ運用に関わり、2023年からサーバ運用グループのグループ長を務めています。インフラはサーバの台数、利用ユーザ数ともに4桁レベルと言える大規模なものを担当しております。

(秋山氏)
最初はホストのプログラマーSEを担当しており、会社が合併してトヨタ紡織となった2004年からインフラを担当しています。2012-2018年までIT推進担当として中国に赴任し、帰国後、他の部門を1年半ほど経験した後、その後、インフラ関係やクラウドを担当し、そこからクラウドの管理ソフトに関わることになりました。

2.   クラウドを利用するにあたっての状況を教えて下さい

2017年頃からSAP環境の一環としてAWSの利用を開始しました。当社の管理部門では、必要なチームに対して環境を提供することはクラウド利用当初から行っていました。一方で、リソースが適切であるかどうかについてのチェックプロセスや意識は、あまりなかったと言えます。

その結果、作成されたまま放置されているVM環境などが散見され、そこにも課金が発生していることから、クラウド管理に対する課題意識が生まれました。中国滞在中に申請して使用していた開発用の環境でも、利用終了後も削除されずに残るという同様の問題が発生しており、身に覚えがあったため、これは課題だと捉えました。

当時のAWSの環境では、技術的好奇心の強い担当メンバーが運用に必要なツールを独自に開発するなど、個人の強みを生かして運用していました。一方で、他のメンバーからはブラックボックスになっている課題もあり、まずは可視化していくソフトウェアが必要だと考えました。Turbonomicとの出会いもそういう背景からです。

3.   ツールの導入に際して、社内での反発・課題はありましたか

実際に技術力の高いメンバーからも、Turbonomicは当初から興味を持ってもらうことができました。これまでは人が解析して、適切なインスタンスを選び・変更する必要がありましたが、Turbonomicはこうした提案を自動で行ってくれるため、技術に強いメンバーにとっても魅力的でした。

導入に際して、当時の管理対象のサーバ数を考えると、ライセンス数に課題はありましたが、営業担当者のおかげで無事にクリアすることができました。

4.   実際にTurbonomicを使い始めての感想を教えて下さい

PoC(Proof of Concept)においては、まず環境構築費用が不要であることに驚きました。実際、最初の接続には多少苦戦しましたが、一度接続が完了すると画面上にシステムの状況が表示され、それが非常にわかりやすいと感じました。さらに、そのPoC環境からスムーズに本番環境に移行できたのも大きなメリットでした。

実際に使い始めてみると、最も利用しているのはPoC後に追加された「パーキング」機能です。これは当初の提案時には存在しなかった機能で、SaaSならではのツールの使われ方ですね。SaaSは確かに急に画面が変わることもあるかもしれませんが、そのことにこだわりはありません。むしろ、オンプレミスのようにバージョンアップやメンテナンスをし続ける必要がない点が非常にありがたいです。

5.   実際のTurbonomic導入効果はいかがだったでしょうか

導入当初から対象台数が増加したため、明確な数値効果を示すのは難しいですが、現在では約2割のコスト削減効果があると考えています。当初は管理目的で導入したツールでしたが、コスト削減にも効果があると聞いて取り組むことになり、大きな成果を上げることができました。

実際、クラウドの利用部門では、環境を保有していてもそこにコストが発生しているという意識が低いのが実情です。Turbonomicを導入して、利用状況を可視化し、確認が入ることで、その点も改善されてきました。

現在では、Turbonomicを活用した運用が定着し、稼働しているサーバや削減可能なサーバが明確になり、その情報が開発チームにも共有されています。これにより、全体的な意識が変わってきました。

開発者の意識としては、環境をリクエストする際に、どうしても高めのスペックで申請することが多くなりますが、管理側もリソース削減を提案する際に、Turbonomicのアクションに基づいて根拠を持って提案できる点がありがたいです。

現在は、毎月のリソース利用状況を部門や担当者に公開しています。この見える化により、各担当者の意識も高まってきました。例えば、リソースの削減推奨が何回連続で出ているかを提示することで、意識改善や円滑な運用に効果的であると感じています。開発者からも、使わない間はサーバを停止するなどの協力を得られるようになりました。

6.   パーキング機能の実例について、もう少し教えて下さい

現在、3つのスケジュールを設定してパーキング機能を適用しています。具体的には、金曜日の夜から月曜日の朝までサーバを停止するようなプランを実施しています。

起動に関しては、多少の余裕を持たせています。現在は開発環境だけでなく、本番環境にも基本的に適用しており、クラウド利用申請時に停止できない理由がある場合はそれを申告するようにしています。例えば、海外から利用するサーバなどは時差の都合で停止できない場合があります。

7.   今後の取り組みについて教えて下さい

細かい機能の使い方では、まだ改善したい点があります。例えば、グループとポリシーの組み合わせや、ユーザ権限の設定については、完全に理解していないまま使ってしまっていますが、これらを工夫することで、運用がさらに効率化されると考えています。

今後も田中さんにアドバイスをいただきながら、共に取り組んでいきたいと思います。

8.   IBMのCSMについて最後に一言お願いします

TurbonomicはSaaS製品で、開発部門がアメリカにあるため、問い合わせる際にハードルが高いと感じていました。その点で、CSMの田中さんに質問すると素早く回答をいただけるのが非常にありがたいです。

これまでIBM製品では、導入後に継続して支援を受ける経験があまりありませんでした。今回のTurbonomicのように、困った時にいつでも支援を受けられることが非常に助かります。

導入効果を明確に出すことができたのも、IBMのおかげだと感謝しています。アメリカからも開発責任者が来てくださり、その時にもCSMのプログラムを今後も続けていただきたいとお願いさせて頂きました。

現在は別製品のInstanaについても関わっていただいており、製品同士の組み合わせについての支援もいただけるとありがたいです。特に現在導入対応しているメンバーは技術に明るいため、Turbonomic同様に技術者目線の支援があると活用度がさらに高まると期待しています。 

インタビューを終えて

(村上)気づくと1時間30分ほどお話をさせて頂きました。今回はTurbonomicの活用事例と、それをCSMでご支援させて頂いた点を中心にお話を頂きましたが、パーキング機能やコスト最適化のためのアクションの実行など、様々な工夫をされており、実際の効果を出されていることがよくわかりました。

インタビューの中でも利用方法に関する話題がいろいろと出てきましたが、更なる運用の工夫について今後もCSMではお手伝いさせて頂きたいと思います。

また、このようにご支援させて頂いているお客様同士にもご交流頂き、日本国内のTurbonomicユーザの製品利用レベルが更に成熟していけるよう、CSMとしてもご支援を続けて行きたいと思います。

本日はインタビューにお付き合い下さり、貴重なお話をして頂き、誠にありがとうございました。


左から:トヨタ紡織 ビジネス改革推進部ITインフラ室サーバ運用グループの吉見有司グループ長、同じく秋山一仁主担当員、日本IBM カスタマーサクセス村上雄介、同じく田中俊介


左から順に、日本IBM田中、トヨタ紡織 吉見氏、トヨタ紡織 秋山氏、日本IBM村上



執筆

日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部
カスタマーサクセス

村上雄介

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