IBM新参デザイン組織を数字で紹介してみます。
こんにちは。デジタル領域でデザイナーしてほぼ20年。moritomoです。
私達の所属しているICE( IBM Client Engineering )はキャリアの多様なメンバーが所属する組織です。
人数は増えてきましたが、まだまだ社外のデザイン組織の皆様と比べれば新参組織になりますので、皆様のnoteなどデザインチームの発信を勉強させていただきながら、私達を知っていただく活動について考える日々です。
そこで、今回は数字を軸に私たちの組織で働くデザイナーについてご紹介させていただくことで、社外の皆様にアピールしてみようかなと考えました。
よかったらこれを機に仲良くしてください。
● 活動の3つの軸
まずは基本的な活動の軸です。私たちはお客様の新しい取り組みに対し目指す方向を整理する Design Thinking Workshop と MVP(Minimum Viable Product)お届けすることで、その効果検討のご支援をしています。
その時の考え方としてCo-create、Co-execute、Co-operateと言う3つの軸をとても大切にしています。
一言で言うと共創と言う表現になりますが、それに関してはWorkshopの観点で以前書いたnote(一緒にはじめるデザイン思考〜デザイン思考型ワークショップの課題と展望〜)でも触れていますので、こちらも参照いただけると嬉しいです。
● プロジェクト数
私達のプロジェクトはお客様の課題に合わせたDemo、デザイナーがメインで担当する事の多い Design Thinking Workshop、データ分析の為の Data Discovery Workshop、動くものを見る事でその価値を考察いただく MVP や、Hands-onなど様々で、この数字にはデザイナーが関わっていないものもありますが、去年までの部門全体の動きとしてのご紹介になります。
大きな方針はグローバルから通達が来るのですが、別のnoteでも記載したように、日本のお客様に合わせて考慮すべき特性もあり、如何に柔軟に対応しながら共創の効果を上げていくか、その質の向上を目指し、日々取り組んでいます。
● 日本国内のデザイナー割合イメージ
組織自体はスタートアップ形式の動きを基本とし、エンジニアやデータサイエンティストと一緒の小さなグループ(squad)で動く構成で、デザイナーはそれぞれの経験値とIBMの基盤として提供された研修などを融合させながら、お客様とのより良い共創の道を探っています。
チームによって構成が変わる場合もありますが、データサイエンティスト、エンジニアメンバーなどスペシャリティを持つメンバーと4〜7名程度にデザイナーが1、2名入っているという状況です(プロジェクトによってはメンバーのリソースの補強を行いながらより良い知見、スピードをご提供します。)。
では、ここからこの組織の日本に所属するデザイナーの傾向を数字でお伝えしていきたいと思います。
● デザイナーの世代別の人数
年代は薄々感じていたのですが、こうしてみると30代40代のキャリアが多めなので、今度の新卒の参入により、精神面も含めて若返りを図りたいと思います!
● デザインや関連業務の自認キャリア年数と人数比率
デザインやそれに関わる業務で仕事をしてきたと自認している年数とその人数です。この数字は4月入社予定者をまだ入れていない為、既存メンバーがデザインという枠組みでキャリア年数をどの様に捉えているかを測る目安ですが、デザイナーの判断力はいわゆる「デザイン領域」をやってきていることだけが全てではありませんよね。
この数字では表す事が出来ていませんが、私たちのデザインチームにもユニークなキャリアを経験しているメンバーがいて、状況に応じながらその能力を発揮しています。
その上で、デザインと判断する業務範囲がこのくらいに分散しているというのは比較的バランスがいいと言えるかもしれません。
さらに新卒メンバーの巻き起こす新たな風が既存メンバーの知見をどの様に楽しくかき混ぜていくかにも期待したいところです。
● IBMに入ってからUIとUXで対応していると考えている比率(とそこに収まらず溢れ出た何か)
普段の業務をUIUXで考えた上で比率を聞いてみました。(そこに収まり切らない何かもあるようですが、)ざっくりいうとUX寄りだと考えている人が多いようです。
私はUIを必要としないUXがある事を認めた上で、UIを通したUXは UIUX表裏一体と考えるタイプのデザイナーですが、今の業務では構想段階の共創がとても多い為、UI検討段階ではないものも多くあると考えています。
また、IBMにはこう言った動きの中でも基本的な体験(この場合UI操作やアクセシビリティ)を担保する為にCarbonというデザインシステムが提供されています。それに関わるメンバーのnote(ビジネスとカーボンデザインシステムについてデザイナーが考えた)もありますので良かったらこちらもご覧ください。
そして、根本を押さえながら柔軟に対応するデザインシステムの重要性は私も入社前、過去のnoteで書いている(デザインシステムをアジャイルで構築する方法、CDO2年生のアイコンはサインシステム。そう考えて設計をする。)のですが、IBMでもこういった基盤があるからこそ、安心してUXの活動をしていると言う意識をメンバーが持ちやすくなっているという側面もあるのかもしれません。
● IBMに入るまでに得意としていたデザイン分野
ここでは、もう少し細かく、入社前の業務認識を集めたものを面積比率と相互の関係値でざっくりとグルーピングしてみました。デザイン業務という範囲内で聞いた結果ですが、みんな結構色々やってきているようです。
エンジニアリング系、HCD系、Graphic系をルーツと考える人間がある程度いると言うのは、皆様の会社とも共通するところかな。なんて思っています。 人によって言葉の粒度、込める意味合いが変わってくるとは思いますが、意識として上がっているジャンルを改めて相対的に眺めてみるのも面白いですね。
●IBMに入ってから担当してると思ってる主なデザイン分野
こちらは入社後はどんな業務が占めているかを書いてもらった結果になります。ここからは、圧倒的にファシリテーションが占めている現状が見えてきました。
社内外含めWorkshopという形式を通してコミュニケーションを図る事の多い私達は、その設計や対話方法、意思決定の促進方法に意識がいくようです。
● これから深めていきたいと考えるデザイン分野
これから勉強したい、深めていきたいデザイン分野という問いに対しては人それぞれ多様に興味が分散しているようではありますが、若干、HCDと向き合い直したい人と、デザイン経営、サービスデザイン寄りの思考を深めたい人が多いようにも見えます。
そしてデザイン分野にも関わらず英語への気持ちが溢れ出ている人もいますね。(私は書かなかったのですが一票入れるべきだと後で気づきました。。)
社内の環境含め英語が出来ればそれだけグローバルメンバーとのやりとり、グローバルでの最新の戦略のキャッチアップが早くなる為、ある意味デザイン力を上げる観点でもとても重要なスキルなのかもしれませんw
● デザインに関する今年の興味関心ワード
今年のデザイン関連の興味の方向性は今のところ、AIがかなりの割合を占めているようです。toCのビジネスとしてはすでに広く利用されており、図の中にも上がっているChat GPTの体験の面白さは多くの人が感じていらっしゃる通りかと思います(私はChat GPTに英語を教えてもらう事にしました。)。
この分野はこれから、その情報源の確かさ、バイアスの改善次第によって企業レベルでの本格的なAI導入の主戦場となるでしょう。
IBMにはそのあたりで動いている仕組みもあるので、他のサービスの持つ体験の良さ、楽しさも学びながら、IBMが得意とする中身の確かさも合わせ、お客様にとってAIによるサービスがどの様な価値を生むか、一緒に考えていきたいと思っています。
● これまでの英語での実務年数
最後に、IBMはグローバル企業でもありますので、実務での経験がどれくらいあるか聞いてみました。(既に途中で溢れていましたがw)海外留学、就業経験もある英語がペラペラなメンバーもいますが、私のように英語はさっぱりな留学、実務共に経験0の人間もいます。
ただ、正直、一定の知識が日本人、日本語資料で提供される上で、英語でのイベント、学習機会の提供がある為、私のような苦手意識のある人間でも、一人で海外に挑戦するよりはずっと心強い環境なのではないかと感じています(因みに通常業務は日本語のみで成り立ちます。)。
さらにグローバルのメンバーは英語ネイティブではない人間に対する敬意を持つように教育コンテンツが提供されており、拙い英語で話しかけてもとてもジェントルに対応してくれます。
将来転職でIBMを考えていただける機会がありましたらこの辺りの話も思い出してくださいw
● さいごに
いかがでしたか?
簡単ではありますが、私達のデザインチームを数字の観点で表現したご紹介noteでした。
皆様のデザインチームと似ているところやこれは違うな、なんてところはありましたでしょうか?
これを通し、少しでも皆様との距離を近づけることが出来れば幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。