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【講演レポート】 iPaaSで今すぐ始める、手軽なITモダナイゼーション -2024年11月27日開催 IBM TechXchange Japan

【講演レポート】2024年11月27日開催 IBM TechXchange Japan ブレイクアウト・セッション「iPaaS」

既存システムを活かしながらITモダナイゼーションを進めるために―IBM Hybrid iPaaS

日本アイ・ビー・エム株式会社 テクノロジー事業本部 Automation事業部
シニア・ソリューション・アーキテクト 小野 奈海

DXは喫緊の課題でも、新しい技術についていかれない。ITモダナイゼーションにどう取り組めばよいのか――。そうした悩みの解決策となるのがiPaaS(Integration Platform as a Service)です。本セッションの前に行われたセッション、「進化するIBM iPaaS、ニューフェースを迎えてHybrid iPaaSへ」では、多様なデータを手軽に連携するiPaaSの価値、そしてwebMethodsを仲間に迎え進化を遂げるIBMのHybrid iPaaSを紹介しましたが、当セッションではwebMethodsの機能をクローズアップ。具体的にITモダナイゼーションにどのようにアプローチすればよいかを、日本IBMのシニア・ソリューション・アーキテクトの小野奈海がデモを紹介しました。

ITモダナイゼーションの遅れを打破するためのHybrid iPaaS

日本では6割の企業がまだレガシー・システムを利用し、レガシー・システムに依存していると見られています。多くの企業ではDXを推進しようとしたときに、その現状に気づくのではないでしょうか。小野は「DXに取り組む企業ではITモダナイゼーションが進んできていますが、全体としては苦戦している様子が見受けられます」と話します。

DXによって企業のビジネスモデルは変化します。コーヒーショップであれば、客は列に並ぶことなく、クラウドサービスで予約してその場で欲しい商品を手に入れられます。銀行は現金を引き出すATMだけではなく、業務をAPI化して電子決済機能によって顧客のビジネスを支えることができるようになります。

しかし、多くの企業ではこのITモダナイゼーションが進んでいません。その原因はITシステムの仕組みが古いため、必要なデータを集めることができないからです。データが集められなければ、データ分析などに活用できません。

実際に新しい技術の活用も遅れています。小野は「パブリッククラウドやハイブリッドクラウドなどは米国とは大きな差が生まれています。開発という面でも同様です。ノーコードやローコード、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)、マイクロサービスなど新しい技術をキャッチアップできる仕組みが必要です」と話します。

この状況を打破するためにIBMが提唱しているのがHybrid iPaaSであり、それを実現するソリューションがIBM webMethodsです。「IBM webMethodsはハイブリッド・インテグレーションに重点を置いていて、APIを使ってイベント・ドリブンでシステムを動かしていきます」と小野はその特徴を語ります。

[図]IBM webMethodsはインテグレーションを革新しています

新しい技術を活用しながらITインテグレーションを推進

IBM webMethodsはインテグレーションのためのプラットフォームとして、さまざまな機能を備えています。APIのバージョン管理やポリシー設定など“野良API”を作り出さないAPIマネージメント、データ連携フローを作成するJavaベースのノーコード・ツール、IoTなどのデバイス連携機能などです。

加えて、JDBCアダプターなど600以上のコネクター、REST APIやSOAP APIなど各種API連携機能、リホストなしにレガシーをつなぐハイブリッド連携機能が標準で提供され、アプリケーションやデータ連携、サーバー連携、ファイル連携などの機能がオプションで提供されています。

IBM webMethodsのこれらの機能を使うことで、日本企業で活用が遅れている新しい技術を導入することができます。「開発分野の新技術について実装しているところが大きなポイントです」と小野は話します。

まずノーコード/ローコード・ツール。すぐに使えるコネクターがアイコンで表示され、それを並べていくことでフローを作ることができます。UIはIT未経験者でも使える直感的なものになっていて、ループやIF文などのコントロール機能、SaaS連携やハイブリッド連携のコネクターもアイコン化されています。

[図]新しい技術 ノーコード・ローコード

また、新しい技術であるCI/CDに必要な機能がパッケージ化されて提供されているので、継続的な開発、運用が可能になります。すべてはGitHub上で連携していて、それぞれの環境の定義ファイルを持っているので、簡単にデプロイやテストをして、別の環境に移動させることができます。


[図]新しい技術 CI/CD

もう一つの特徴がマイクロサービスを基盤とするアーキテクチャーになっていることです。APIなどのイベント・ベースでデータ連携のソリューションを提供しているので、顧客管理や請求書管理、在庫管理などそれぞれの仕組みを小さな形でさまざまな場所で動かしながら、1カ所で管理できます。

「これらのマイクロサービスは基本的にはすべてコンテナで動くようになっていて、動かしたものを中央管理しているので、どこ国のどの場所でも、オンプレミスでもクラウドでも、どのクラウドでも環境を問わずに動かすことができます」と小野はメリットを語ります。しかも一つのフローで走らせることができるので、一気通貫で運用できます。

[図]中央でのコントロール、分散された実行

効率的なデータ活用を実現するIBM webMethods iPaaS

講演ではアプリをオンプレからプライベートクラウドに移行し、データ規制の異なるEUと米国でそれぞれ処理をして、結果を戻して一元管理するフローをノーコード・ツールで開発するというデモを行い、実際にIBM webMethodsを導入した成功事例についても紹介されました。

100年の歴史を持つ建機メーカーでは、レガシー・システムにデータがあり、サードパーティーのソリューションが導入されていましたが、IBM webMethodsによってクラウド上でデータを統合し、BTOなどのビジネスニーズに迅速に対応できるようにしました。それによって開発速度が30%向上し、単一ファイルの統合時間が5日から1日に短縮され、オンプレミスのインターフェースの70%をクラウドに移行するという目標が達成できています。

最後に小野は「今回は国をまたがった処理のデモをご覧いただいたのですが、今後は企業間をまたがったデータ連携も増えてくると思います。IBM webMethodsであれば、そこでも同じようにガバナンスを効かせながらデータを集めることができます」と企業間連携でもメリットがあることを紹介しました。

また、今進められているAI活用にも触れました。「文字コードを打つことでご紹介したようなフローが作れるようになり、AI駆動で生産性を向上させることができます。ベータ版はすでにリリースされています」と小野。ITモダナイゼーションによってデータをビジネス戦略に活かすために、IBM webMethods iPaaSのご活用を
ご検討ください。

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