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ビタミンXR欠乏症で全裸露出光合成(有料)
■1:発病
高校1年普通科1組のタチバナ ミカンは、体調不良で学校を休んだ。
日を追うごとに体調は悪くなり、休んで3日目に疑問に思い、病院に行った。
フラフラする。目まい、吐き気、軽い頭痛。
全身がなんとなくだるくて、動きたくない。
血液検査。パッチテストのようなものをされ、医者はすぐに結論を出した。
医者は60代ぐらいのおじさんで、顔は少し怖いが、話し方は優しかった。
「重度のビタミンXR欠乏症だね」
「ビタミンXR?」
「ええ。必須ビタミンで、普通は光合成と食べ物の栄養を元に合成できるけど、あなたは今、食べ物からの合成が機能不全を起こしてるんだ」
「そ、そうですか」
「今すぐ服を全部脱いでください。そうすれば光合成で、体調もよくなります」
「服を、全部って、下着までですか?」
「もちろんですよ。露出すると一番いい場所は下腹部、お尻、乳首なんですよ」
「でも……」
「命に関わりますよ」
「分かりました」
ミカンは恥ずかしがりながら、服を一枚ずつ脱いでいく。
羞恥心。
人前で全裸だなんて、病院でも恥ずかしい。
思いきってブラを外し、ショーツを脱いだ。
医者も看護婦にも見られていた。
「そのまま、その辺の明るいところに居ればいいから。別に直射日光でなくてもいいよ」
「はい。あの、薬や輸血などで改善できないんですか?」
「詳細な血液型みたいに、人によって抗体反応があって、それは無理なんだ」
「そう、ですか……はぁ」
「目隠しの衝立、使っていいから、一時間ぐらい、そこで日光浴していきなさい」
「はい」
「紫外線はよくないから、専用クリーム出しておくからね。それと剃毛してもらって、光合成に一番重要な場所が毛で隠れてるから」
「て、剃毛って、まさか……」
「うん。下の毛、全部剃ってもらって」
「うっ、は、はい」
「以上、はい。今は終わりです。日光浴終わったら詳しく説明するから」
「ありがとう、ございました、ぐすん」
少し涙ぐんでしまった。
最後は羞恥心で顔が赤くなるのが分かった。
全裸はこたえる。とても心細い。手足が震えそうになる。心臓もバクバクと速く鳴っていた。
背を縮めて、なるべく目立たないように、しかし逃げ場所なんてなかった。
裸を、今まで見せたことがない白い肌を人目に晒していた。
看護婦のおばあさんが対応してくれる。
「そこ座って、下の毛すぐ剃るからね」
「はい……」
ハサミで短く切られたあと、髭剃りクリームのようなものを股間に塗って剃っていく。
それほど濃くないので、お尻のほうまでは毛が生えていないから、前の性器の上のほうだけ剃れば大丈夫だ。
大陰唇を引っ張られて、一本も残さないようにきれいに剃られてしまった。
おばあさんに見られているのも、少し恥ずかしい。
ツルツルに戻った性器が外気に晒され、オマタがスースーする。
ピンクの小陰唇、それから敏感なクリトリスが露出して空気に晒されてしまった。
この年になるとただのへこみの、きれいな一本線とはいかなかった。
卑猥な場所、名前さえ放送禁止のアソコが太陽の下に大公開になっている。
「それじゃあ、立ってね。保護光合成促進クリーム塗ろうか。ちょっと変な感じするようになるけど、我慢してねぇ」
「はい。変な感じ?」
「うん、そうだねぇ。気持ちがいいんだよ。痛いとかじゃなくてよかったね」
「はい」
気持ちがいいとは、どういうことだろうか。
看護師のおばあさんが、クリームを出して顔以外の体、全身に広げていく。
胸、背中、腕、お腹、お尻、足。
そしてオマタ。
性器の割れ目まで、クリームを塗られて触られてしまい、とても恥ずかしい。
確かにクリームは、変な感じがする。
なんだろう、体がポカポカしてきて、マッサージした後のような気持ちよさもある。
それとは別に気持ちがいい。
はっきり言えば、性的に気持ちがいい。
興奮してくる。
感じちゃう。
「それじゃあ、椅子座っていいからね」
「ありがとうございます」
タオルを一つ置いてってくれた。
椅子に再び座り、直射日光の当たらない明るい場所で、窓のほうを向いて座る。
衝立で見えていないけど、診察室にはほかの患者の人が先生に見られていた。声が聞こえてくる。
全裸なのにすぐ近くに人がいると思うと、恥ずかしい。
「キャッ」
思わず胸を手で隠した。
窓の外は庭なのだけど、奥のほうが駐車場とつながっていて、人が通った。
かぁああと、顔が再び真っ赤になった。
看護婦のおばあさんが様子を見に来てくれた。
「大丈夫かい?」
「あの、外を人が通って」
「それぐらい我慢できないと、学校いけないよ?」
「えっ? それってどういう?」
「欠乏症は慢性だからねぇ。治るまで5年ぐらいかかると思うの。その間は外を裸で歩かないといけないでしょ?」
「ええっ。先生そんなこと言わなかった……」
「男の先生がいきなり言うのは、少し残酷だもんね。年頃の娘が全裸で外出しないといけないなんてねぇ」
「そんなの、む、むむむ無理です……」
「そうそう。手で隠したりすると光合成が止まってしまうよ。長時間連続して光を当てないといけないんだよ。だから手で隠しちゃだめだよ。ビタミンXRが足りなくなっちゃうからね」
「そんなっ。……そう、ですか」
「うんうん。辛いかもしれないけど頑張ってね。神様は試練を与えてくることもあるよ。でもそれにはきっといい意味があるんだと私は思うの」
「神様の試練」
「そうだよ。挫けそうになっても勇気をもって立ち上がるんだよ。女は度胸さ」
「はい」
火照った身体、赤い顔で、椅子に座って光合成をする。
植物になったような気分がしてくる。
お日様は優しくて、暖かさを世界中に届けている。
太陽がないと、ミカンは生きられない。
まさか、太陽に晒されるだけではなく、一般人、その辺を通る人、クラスメートみんなにおっぱいもアソコも晒す生活になるなんて思わなかった。
死ぬほど恥ずかしい。
でも死にたくない。だから、恥ずかしいけど……全裸で生活しなきゃ。
■2:外を移動
オマタが少し冷たい。
愛液が垂れてきていた。
「ヤダッ」
小さい声でつぶやいて、タオルで股を拭いた。
汗を拭くためとかで用意してくれたと、てっきり思っていたのに、まさか愛液のためだったなんて、絶望的だった。
全裸で発情して愛液垂れ流しだなんて、こんなの恥ずかしい。
様子を見に来た母親も全裸の娘に目を丸くする。
日光浴のあいだに親も状況を説明されていた。
それでも、日光浴中の裸の娘を見れば、動揺を隠せない。
ミカンは左腕を右手で掴んで、はにかんだ。
母親も顔を赤くする。
声も掛けづらい。
ビタミンXRが増えたのか、少し体調もよくなってきた気がする。
体も顔も火照っているが、本人はそれが発情だと、はっきり自覚している。
あれから何回もオマタをタオルで拭いたから、自覚しないほうが無理というものだ。
病院での日光浴の時間が終わりになった。
仮処置に過ぎず、まだ全裸のままだ。
親と一緒に、再び先生の説明が始まった。
「日没まで服は着ないでください。また朝になったら全裸で日光浴を再開してください。ビタミンXRは体に溜まらないので、毎日続ける必要があります」
残酷な説明だった。
毎日1時間とかなら、制服を着て学校へ行き夕方家の中で全裸になればいい。
しかし光合成だけで必要なビタミンXRを賄うには、日中はずっと全裸でいないと、足りないらしい。
曇りや雨でもその明るさで十分らしい。なにやら光の波長がどうのとか先生は言っていた。ただ紫外線など、太陽からくる光のバランスが重要なのだとか。
非常に高価な疑似太陽のライトも存在しているらしいが、それを手に持って歩くにはバッテリー容量が足りないなど現代の技術的に無理だそうだ。
入院する必要もないけど、全裸で生活はしないといけない。
ビタミンXR欠乏症は、ミカンも母親も知らない程度に、マイナーな病気だった。
先生によれば、全裸で普通の生活をすることが法律で保証されていて、法律上は合法露出になるらしい。
しかしマイナーであるため、露出狂と勘違いされやすく、患者会は悩んでいたそうだ。
そこで患者会は患者カードの配布と、希望者の患者データの公開に踏み切った。
苦渋の決断だったが、正式な患者は身分を確認できるようになった。
先生には、患者データの公開を強くすすめられたので、渋々了承した。
もし露出狂と勘違いされると、警察を呼ばれてしまう。
それが毎日になると生活するもの難しい。
データ公開は、ほぼ患者にとって必須だったのだ。
「はい。お大事に。今日は終わりです。次は一月後でいいから。体調が悪かったら、すぐに来るようにね。では向こうで写真撮ってって」
「はい。分かりました。ありがとうございました」
診察が終わり、看護婦さんがカメラを持ってきた。
「こっちにきて、手は横に、姿勢よくしてね」
「はい」
「ではなるべく明るい顔をしてくださいね」
頑張って笑顔を作った。
足はガクガク震えている。
少し内股になって直立姿勢だった。
フラッシュがたかれて、パシュという疑似シャッター音が鳴る。
全裸で、全身が写った写真を撮影された。
患者会で公開するためのデータらしい。
「はい。終わりです。会計と処方箋ができたら呼びますからね。待合室へ行ってください」
不安と緊張、そして羞恥心でいっぱいになりながら、診察室から出る。
母親と久しぶりに手を繋いだ。
全裸にスリッパで、手には洋服が入った袋を持っている。
待合室のおじいちゃん、おばあちゃん、それから若い子が、ミカンを変態を見る目で、様子をうかがってくる。
目がまん丸に見開いている人もいて驚いているようだ。
その視線が、表情が、ミカンの心に突き刺さった。
緊張で、全身の筋肉が震えてしまう。
ものすごく恥ずかしい。
知らない他人に全裸を見られるのが、恥ずかしい。
どういう風に思われているか、想像するのが怖い。
「タチバナさん」
「はい」
会計を済ますと、速足で病院から出る。
信じられないけど、病院の外を靴下と靴だけの全裸で歩いている。
太陽の光を肌で感じる。
風が肌を撫でていき、全裸であるのを実感する。
こんなの露出狂と何も変わらない。
最高に恥ずかしい。
そのまま横の薬局に向かう。
お薬手帳と処方箋を出して、手続きをしてもらう。
前の患者さんが1人いて、非常に驚いた顔をしていた。
でもおじいさんで、少しスケベな顔になって、見てきた。
「いやぁ。若い子はお肌がぴちぴちでいいねぇ」
「あ、どうも」
「どうして裸なんだい?」
「ビタミンXR欠乏症という病気で全裸でないといけないんです」
「それは難儀だねぇ。恥ずかしくないのかい?」
「は、恥ずかしいに決まってるじゃないですかっ」
「そうだろうねぇ。羞恥心を忘れたらもうババアだから、その気持ちを大切にするんだよ」
「あ、はぁ、はい」
薬。あの「媚薬クリーム」だとしか思えないものを処方された。
飲み薬などは出してもらっていない。
母親の車に駆け足で乗り込んだ。
お尻の下には持っていたタオルを敷いた。
これも恥ずかしいけど、愛液が垂れてしまう。
車が動き出して、外の景色が流れ出した。
道を歩いている人が全員、ミカンの全裸を注目して見ているような錯覚に思えてしまい、顔を伏せて、じっとして耐えた。
家に戻ってきて、勇気を出して車から降りて、走って玄関に飛びつく。
鍵が掛かっている。
「お母さん、早く」
「はいはい」
母親が鍵をゴソゴソとバッグの中から探している。
その1秒がもどかしい。
近所の人に、全裸を見られたら、恥ずかしさで気が狂いそうだ。
「あったわ」
「早く」
ガチャ。
ようやく鍵が開いて、急いでドアを開けて中に入った。
■3:家での生活
全裸のまま無事に家に戻ってこれた。
玄関で力が抜けて、へたり込む。
もう動けない。
足は力が入らない。
立とうとすると、生まれた瞬間の動物みたいに足がガクガクして立てない。
「お母さん、力が入らない。すごく、ものすごく、恥ずかしかった」
「うん。そうね」
「どうしようか」
「そこ座ってていいわよ。落ち着いたら家に上がりなさい」
「はーい」
やはり家が一番落ち着く。
これからのことを考える。
どうやら全裸で学校に行かなければならないらしい。
明日、明後日までは休んでいいらしい。
その間に手続きをして、学校の生徒に病気で全裸登校するという書類を配布してくれるらしい。
法律で許された権利なので、これを侵害することはできない。
差別されないのは嬉しいけど、こんなの、恥ずかしいだけで、全然嬉しくない。
全裸で学校なんて、恥ずかしいだけ。
3日後には、全裸で登校しないといけないなんて、絶望的だった。
やっと気持ちは半分ぐらい落ち着いてきて、なんとか歩けるようになった。
家の中に上がり、全裸で明るい場所、具体的に言うと道側の庭に面した窓際に座った。
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