どこへでも行ける頭と体と足と地図があるのに どれだけ地図を見ても どれほど歩き続けても 行きたい場所へたどり着けない 私の行きたい場所 私は想い出に行きたい
命を削って手に入れた物は その削った命と同じくらいに 大切な物なのかい? そんな大切な物どこにある? 私は体の中にしまっておいたよ 命と同じくらい大切なものだからね
諦めるという言葉は便利なものだ 何もしてなくても 諦めたと言えば今を終われる 終わった先には新しい今が 終わった後には 今まで諦めてきたすべてが佇んでいる 私は全てを諦めたはずなのに 何も終われない 後は何を諦めれば私を終われるだろう
生きている限り 人は何度でも死ねる だから毎日死んだつもりで 生きている
私の夢は自由 右に左へ行ったり 上に浮び下に沈み どこへも行ける 掴む手があり 歩く足がある 私の夢は人間 自由な場所へ行きたいけど そんな場所などなかった 人間は人間に縛られ 人間に傷つけられ 人間に殺される 私の夢見た夢は汚れていた もう一度私は不自由に 私はカナリアになりたい
目覚めは1人ぼっちの朝に始まり 誰もいない街を歩く1人きりの昼 終わりは明かりも音もない孤独な夜 1つや1人はたくさんあるのに 私は私だけ
心が折れても 身体はまっすぐに 涙が枯れても 想いは残る 今日が終わっても 明日がある 私が死んでも
一度こぼした涙はいつ止まるだろう? 地面に涙を落とし続け 大きな水たまりになり 涙の上に船を浮かべ 目的はないけれど 涙の流れのままに進んでいこう いつしか涙は増え続け船は沈み 私は涙の上を漂っている あとどれだけ涙を流せば 私も沈んで行けるだろう?
今日は昨日と同じ事をやって 明日は今日と同じ事をする そんな毎日に慣れてしまった 私の目の前にレールが見える 今もこれからもずっと固定された毎日が続き しだいに心も顔も固くなりもう戻らない もう少しあと少しで上手く笑えそうだ
初めて列車に乗った日 私はまだ幼かった 列車は速くて大きく レールはどこまでも遠く続いている 乗っているだけで列車は右へ左へ 敷かれたレールに沿って走る そして色々な道や町を進み 列車は時と私を乗せたまま 止まることなく永遠に走り続ける 私はもう帰れない 道はもう引き返せない 一方通行の列車よ あの日の私を返して
歩くのが遅くいつも誰かに抜かされ 人の後を追いかけてる 私の後ろには何も無い どんなに歩いても どんなに走っても 誰かの先には行けない はるか先に見えるものは もう私は見る必要がない 私には新しいものやこれから先も無い あるのは今までだけ もう得られない 失えない
永遠はどこにある? 時間の繰り返しなのか? それとも時間の長さか? 私が生きてから死ぬまでの時間は 人によっては短く見え そして長く感じるだろう 私は産まれてから数10年生きて死に とても短い時間だったが 私にとってはあの時間こそが永遠だった
今日は風が強い 全てを吹き飛ばし 音を撒き散らす このままずっと風が吹けばいいのに 私の嫌いな大人達を どこか遠くへ吹き飛ばして 私の目から消してほしい そして風の音で 大人達の人間を捨てる音を 消してほしい
風が吹けば時が進み そして命も進む 全てが進むにつれて 風が汚れて重たくなった 人々は汚い風を拒み 世界に壁を作り さらに風と空気を汚し続けた やがて風は吹かず時は止まり もう明日が見えない 次の風が吹くまで
今夜雨が降るだろう 朝から空が暗く 水の様な風が吹いている 昼には空が見えないほど 雲に覆われ雨で前が見えない 夕方になる頃 空に雲がなくなり夕日が映し出された 今夜多分雨は大丈夫だろう
初めて見た朝が昨日も明日も 同じだなんて嘘だ 月が沈んで太陽が昇り 空が明るく全てを照らす光 これが昨日も明日も同じように 繰り返すと言うのか? 初めてだったのに…