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ロックン・ロール・サーカスをみて

地球の後継者はロック。

60年代、ロックミュージックは全盛期だった。69年、ウッドストックが開催される。ベトナム戦争は終わらない。63年にケネディ暗殺。そんな時代の68年、サーカスとロックを融合させたライブイベント。伝説のライブ。

ジョン・レノンとミックの会話だけでも胸が躍る。クラプトンがギターを弾き、キースがベース、ボーカルがジョンにヨーコとヒーロー大集合の映画より感動。The Whoの演奏が凄まじい。キース・ムーンはドラムと一体化している。ドラムが生き物のようにキースに合わせているかのよう。悪魔に取り憑かれたようなミック。このパフォーマンスを超えるボーカルはこの50年間いただろうか。スタンドマイクを後ろ足でける、観客を煽る、鳴り響くブルースハープ。これぞロックスター。

無常の世界で泣く。あらためて、この時代に聞くと受け取り方が以前と異なった。

「いつも欲しいものが得られるわけじゃない」

「いつだって手に入るわけじゃない」

「そういうわけにはいかない」

「でも努力していれば分かる時がくる」

一人一人に訴えかけるように歌うミック・ジャガー。「ケネディを殺したのは誰?」「結局のところあなたとわたしでした」最近の出来事もありこの一節にどきりとした。

このライブの半年後に敬愛するブライアン・ジョーンズが亡くなる。

チャーリー・ワッツの追悼で上映された4Kリマスター版。ソースがいいのか会場がいいのか驚くぐらい音がいい。ずっと輸入版のVHSを字幕無しで見ていたのでこの上映は心から感謝。

つまずいたとき、困った時。塞がったとき、いつもロックが助けてくれた。ロックンロール高揚の頂点を記録したフィルム。ウッドストックと並び死ぬまでに何度も見たい映画。

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