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職場でつらい思いをしている方に伝えたい、セクハラを我慢していませんか?

パワハラ、モラハラなど多くのハラスメントがある中で、最も相談件数が多いものが、セクシャルハラスメントです。「傷ついているけど、上司に嫌われるから我慢しよう」「不愉快だけど気づかないふりをしておこう」と、相手に否定的な態度をとると自分の立場が不利益になるのではないかと考えて「NO」を言えない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2015年度に全国の都道府県労働局雇用均等室に寄せられた内容別相談件数の統計によると、全体の55%以上がセクシャルハラスメントの相談となっています。件数そのものは減少傾向ですが、それでも2019年都道府県労働局の調査によると7323件と、依然、相談件数が多い状況です。ここでは、セクシャルハラスメントを受けた時の対処方法や相談先についてご紹介していきます。

セクシャルハラスメントとは?

セクシャルハラスメントとは「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることを言います。具体的に以下の2つの類型があります。

1.対価型
性的な言動に対して拒否や抵抗をしたことにより、その労働者が解雇、降格、減給される、契約更新が拒否される、客観的に見て不利益な配置転換をされるなどの不利益を言います。

例えば、経営者から性的な関係を強要されたが、拒否したら解雇されたなど。
2.環境型
性的な発言により、労働者の就労環境が不快なものとなり、労働者の能力発揮に悪影響が生じるなど、就労する上で見逃せない程度の支障を生じることを言います。

例えば、仕事中に上司が腰や胸を触るので、また触られるのではないかと思うと仕事意欲が低下するなど。

セクシャルハラスメントの行為者とは?

事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者、学校における生徒、男性、女性問わず、行為者にも被害者にもなり得ます。また、異性に対するものだけでなく、被害者の性的志向、性自認、同性に対する性的な言動もセクシャルハラスメントになります。
※性志向:人の恋愛・性愛がいずれの性別を対象にするか
※性自認:性別に関する自己認識

セクシャルハラスメントを受けたときの対処法

もし、上記の具体例に当てはまると感じたら、以下の対処法をとってみましょう。

1.どんなことをされたか記録する
いつどこで誰が何を何のために(5W1H)したのかを記録しましょう。後々の事実確認などで有効です。メモや録音など最適な方法で記録を残すことをおすすめします。
2. 周囲に相談する
セクシャルハラスメントは我慢していても解決しません。それどころかエスカレートする可能性があります。一人で悩まず信頼できる同僚や上司に相談しましょう。
3. 会社の窓口や人事担当者に相談する
上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。
4. 外部の窓口に相談する
社内に相談窓口がない場合や社内では解決できない場合は、外部の相談窓口に相談しましょう。全国の労働局雇用環境・均等部にある相談窓口は無料で相談を受け付けており、電話でも相談できます。

雇用環境・均等部(室)所在地一覧(厚生労働省)


一人で悩まず、まずは相談しよう

セクシャルハラスメントを受けていると感じたら、まずは信頼できる同僚や上司に相談してみましょう。時間が経過すると、どんどんハラスメントがエスカレートする可能性もあります。職場の方に相談できない場合は、社内や国の相談窓口に相談してみましょう。「あなたのいばしょ」でも匿名でチャット相談が可能です。相談者のプライバシー保護を配慮した対応を行います。相談することによりあなたの不安が軽減したり、問題の解決に近づくかもしれません。

参考:
職場におけるハラスメントの防止のために(厚生労働省)
職場でつらい思いしていませんか?(厚生労働省)
ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)
あかるい職場応援団(厚生労働省雇用環境・均等局)
平成 27 年度 都道府県労働局雇用均等室での法施行状況(厚生労働省)