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広島叡智学園の「志望理由書・自己紹介書」、どう向き合う?【第1次選抜】
こんにちは!公立中高一貫校対策のiBASE(アイベース)です。
今日は、広島叡智学園 第1次選抜出願時に提出する「志望理由書」と「自己紹介書」について紹介・解説をしていきます。
広島叡智学園に限らず、公立中高一貫校入試の出願書類に関して、例年大変多くのご相談をいただきます。
つかみどころがなく、筆記検査の対策に追われて後回しにされがちですが、余裕を持って向き合うことで「自身のこれまでを振り返り、志望する学校を深く知る」良い機会となります。
また、まとまった時間がとれる夏休みに向き合うことで、受検勉強のモチベーションアップにもつながります。ぜひ本記事を読んで、親子で取り組んでみてください。
※本記事をもとに、2021年8月21日(土)に塾生以外も含めた公開イベントとして、より親子で充実した対策を進めるための叡智学園対策セミナーを開催いたします。
1. 志望理由書と自己紹介書ってどんなもの?
まず叡智学園ホームページからの抜粋になりますが、概要は下記のとおりです。
【志望理由書】 ※R2年度の実際の書類PDFはこちら
・問い「志望の動機・理由、中学校生活への抱負」
・文字数:マス目はなく、12行分の横線あり
・他の広島県内の公立中高一貫と共通の出願書類
※文字数について:1行25文字と仮に換算すると、約300字
【自己紹介書】 ※R2年度の実際の書類PDFはこちら
・問い「これまで自分が頑張ってきたこと、また、興味があること」
・文字数:マス目はなく、14行分の横線あり
・叡智学園独自の書類
※文字数について:1行25文字と仮に換算すると、約350字
少ない情報ではありますが、これらの情報からまずは学校側の意図をつかむことが重要です。
志望理由書は、広島県内の公立中高一貫校と共通の出題。
そこに、他校では課していない「自己紹介書」を追加出題しています。
そして、あえて2行分、字数を多くしていることから「自己紹介書」を叡智学園が大切にしていることが読み取れます。
上記2種をあわせて提出する際、自己紹介書は「過去〜現在(=これまでどう過ごしてきたか)」、志望理由書は「現在〜未来(=これからどう過ごすか)」の時制で書き進めると、それぞれの書類の役割が明確になります。
iBASE講師陣が、出願書類や志望理由を数多く添削してきた経験から、叡智学園の志望理由書は、志望者の間でどうしても内容が似通ってくると想定しています。
特に、今後の抱負(未来)の部分は、これまでの過ごし方とは関係なく、何でも自由に語る(宣言する)ことができるため、本人の人となりを判断できる有力な材料にしづらく、
また、親御さんや先生の助言次第でそれなりの内容を書けてしまうため、志望者の間であまり変わり映えがしないという事態も想定されます。
だからといって、手を抜いて良いというものではなく、志望理由書で書いた内容に説得をもたせるための自己紹介書とセットでどのように書き進めるかがポイントと言えます。
下記でくわしく触れますが、原則、書き進める展開は「問い」の順が望ましく、自己紹介書であれば「頑張ってきたこと→興味があること」の順、志望理由書は「志望動機・理由→中学の抱負」の順が望ましいと言えます。
2. 原稿作成にあたってのポイント・コツは?
練習する際、細かいことではありますが、タテ書きの作文原稿を使うのではなく、叡智学園ホームページに掲載の本番用PDFデータを印刷して、ヨコ書きでその用紙に何度も推敲(すいこう)していくのが良いと思います。
※昨年度のものは、1.でリンクを貼っています
マス目ありの原稿用紙と違い、自分の字の大きさで合計字数が変わってしまうため、その想定も含め練習しておく必要があるためです。
また、入試問題のように「原稿用紙の書き方に従って、◯◯のルールに従いなさい」という注意書きはないため(あえて県教委、叡智学園が書いていないともくめます)、発想を少々拡げて、用紙の使い方を工夫することもできます。
※叡智学園の選抜では、500人近くの出願書類や答案に目を通す採点の先生方からすると、中身だけでなく見やすさの工夫も大きなプラスとなるはずです。
具体的には例えば、「◯◯には2つあります。」と書いた場合、改行した冒頭に「①〜〜〜」「②〜〜〜」などと番号を付してパッと見やすくする、などは無難にできる工夫です。
(大人になじみのあるもので例えれば、ビジネスメール等で見やすくするための工夫、などのようなものです)
このあたりは、内容が固まってから最後に工夫する部分のため、最終調整の段階での工夫として念頭に置いていただいても良いかもしれません。
3. 自己紹介書のポイントは?
割合として、「頑張ってきたこと:興味」は「5:5」〜「7:3」の幅が良さそうです。
1.で触れたとおり「過去(これまで頑張ってきたこと)」から学校側は受検者の人となりを見たいからです。
次に、1.で整理したうちの「問い」を改めてしっかり見る必要があります。
注目すべきは「頑張っ"てきた"こと」であって、「頑張っ"た"こと」ではない点。
過去"1点"の思い出や経験を抽出するのではなく、小学校時代を振り返って「連続的に意識してきたことや、何度かの経験をまとめたもの」を書きまとめることが叡智学園の先生方が求めるところだと考えます。
・「頑張ってきた」ことについて
まとめ方としては「結果」よりも「過程」に重きをおいた文章展開を意識しましょう。
結果(名前が載って評価された等)ではなく、過程(どういう気づきをもとに意識や工夫をしたか)をメインに書いたほうが良いと考えるためです。
・「興味」について
ポイントは、前半で触れるべき「頑張ってきた」ことと、何かしら共通点、連続性など「関連性」があることが望ましいと言えます。
300〜400字の中で「バラバラな2つ(=頑張ってきたことと興味)」を記載すると内容が薄くなってしまうため、関連性を意識したほうがよさそうです。
(たとえば、頑張ってきたことで得た教訓、気付き、習慣などが、興味ある分野の探究・技術向上などにも生かされている、など。)
4. 志望理由書のポイント
先述したとおり「未来」のことは、どうとでも書けてしまうため、書くこと自体はもちろんすべきですが、学校側は特別に重要視して読むパートではないと言えます。
それよりも「現在」、もう少し厳密には「現在完了(※後述)」を意識して展開することが望ましいです。
叡智学園の志望者の多くは、例年、学校見学の良かった点を羅列するお子様が多い印象ですが、それ以上に学校が知りたいのは「どのようなきっかけ(動機)、理由で志望したか」の部分です。
(なぜ今あなたはこの用紙(志望理由書)を書くことになったのか(=現在完了)を教えてほしい、という問いです)
学校見学で良かった点というのは「志望したきっかけの後」のもので、それよりも前に「見学に行こうと思った理由」、「そもそも叡智学園を知り、良いな、自分の進学先に適しているなと思った理由」をメインで展開するのが望ましいといえます。
特に県外受検という情報が少ない環境であえて志望した場合は、学校側としては気になり(プラスの意味で)、興味があるところです。
県内の子どもにはないそのプラスの疑問に答える形が望ましいと言えます。
5. iBASE生からいただいたご相談内容
最後に、志望理由書、自己紹介書を書く上でご家庭から頂戴した質問を取り上げたいと思います。
例年、非常に多くのご質問いただくため、原稿作成前にご一読いただくことをオススメいたします。
【iBASE生のご家庭からのご相談】
「自分の理想」、「なりたい自分」を表現するよう塾から指導をもらったが、小学生には難しいと感じています。アドバイスをいただけますでしょうか?
【iBASEの回答】
本人の強い夢で「将来なりたいもの、こと」があるのであれば、それをもとに展開してもよいと思います。
ですが、多くの小学生はそのような夢は持ち合わせていない(持っていなくて全く構いません)ので、その場合は、「身近で憧れの人、本などで知った好きな人、尊敬する人」を例に出して、憧れ・尊敬の理由も明示した上で、「そのような人になりたい」と展開することで「なりたい自分、自分の理想」に代えることができるように思います。