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【ランクマ戦士たちに捧ぐ】アルティメットバハムート〜ランクマに君臨し続けた『革新的なヘイトカード』
みなさんこんにちは。茨木鹿扇(いばらきのかせん)と申します。もうすぐ極天竜鳴がスタン落ち...ということはアイツがローテからいなくなります。そう、アルティメットバハムート(以下アルバハ)です。登場してからスタン落ちの間、ランクマで使われ続けたこのカード。しかし、競技環境で見ることは意外と少なかったこのカード。その歴史を辿りたいと思います。
登場
アルティメットバハムートは極天竜鳴の目玉カードとして登場し、ランクマにていきなり活躍を見せます。そう、ど陰キャコントロールデッキのフィニッシャーとして。当初代表的だったのがエルフとドラゴン。
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エルフはブロッサムルナールやユピテルを用いてガッチガチの盤面を形成、またジャイアントハッピーピッグやマスターコックで体力最大値を増やしつつギルネ等で超回復、受け切ることをコンセプトに、
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ドラゴンはPPブーストを行うことで終焉の地→アルバハルートを爆速で決め勝つことをコンセプトにしました。わかりやすい勝ち筋とプレイ難度が一定まで到達しやすいアルバハデッキはランクマで流行します。しかし、競技環境での立ち位置はあまりよくありませんでした。その理由は、後述する競技環境向け性能ではなかったことと、天敵・フラグラネクロが環境にいたからです。
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アルバハ軸はデッキの性質上、盤面にフォロワーが最低一体は残ってしまうため、レイダー効果がどうしても刺さってしまいます。さらに基本的にアルバハ軸はリーサルをアルバハに依存しすぎているため、レイダーを溜めるプランを容易に許してしまうのも非常に致命的でした。しかし、そんな環境下でもあるアルバハデッキが活躍を見せます。それはエルフでもドラゴンでもなく共鳴ネメシスでした。
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当初はフラムグラスを走らせるデッキだったのが、ナーフを受けて採用されたのがアルバハでした。カシムローザで序盤から苛烈に攻めつつハンドを整え、ノルンでPPをちょろまかせるようにして、終焉の地→アルバハからの直接召喚オートマティックメイデンアルバハで蓋をして勝つ。これが王道の勝ち筋でした。聞く感じ他のアルバハと変わらないけど、じゃあ他の山と比べて何が違うのか?そういう質問が来ると思います。筆者は非常に高い柔軟性だと考えています。このデッキはvtuberくもの上ユメミちゃんが、可愛く分かりやすく簡潔に解説しています。リンクはこちら。
https://youtu.be/cqCYIYXsQKs?si=rCj6N4K6mPW9hvFu
その動画でユメミちゃんは共鳴ネメシスをアグロ・ミッドレンジ・コントロールが出来る山と評価しています。このデッキ、基本的にはタイプはコントロールなのですがミッドレンジも強くてアグロもできるのがイカれてます。他のアルバハを使ったデッキはコントロールプランしかないのですがこれは別腹。手札と相談しながらゲームプランを決めれる、アルバハデッキの特異点と呼べるものでした。ちなみに筆者は共鳴ネメシスだけを使い込んでいましたが、かなり強かったです。1番好きだったのはシオンアルバハオートマティックメイデンで蓋するコントロールプランです。なんかガチガチ盤面を作って蓋するのが最高にカードゲームって感じでした。
ここまで見てきてわかったかも知れませんが、アルバハ最大の弱点は動きの固さにあります。結局アルバハ以外の勝ち筋がほとんどなく、適切な対処をすれば容易に勝ててしまいます。
また、その勝ち筋も結局相手依存。生殺与奪の権を他人に握らせてるのです。
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これを解決出来たのは共鳴ネメシスぐらいであり、それ以外のアルバハデッキは競技環境から駆逐されていきました。
しかし、ランクマはその限りではありませんでした。アルバハの強みは高い再現性と一定のレベルへの到達が容易なこと。そして何より格下狩り性能が異常だったことです。
先程アルバハの弱点は適切な対処をすれば容易に勝ててしまうことと述べましたが、それを毎度できるのはいわゆるシャドバ星人位で、それ以外はどう打点を溜めるか?どう処理をするか?放置していいのかっていうのは、場数を踏んでないと結構難しい。デッキやプレイヤー練度がまさに有象無象なランクマ環境においてアルバハっていうのは適性が非常に高いデッキなのです。こうしてアルバハはランクマデッキとしてローテーション環境に君臨し始めたのでした。
転機
獄天竜鳴環境以後、スタン落ちの影響で、アルバハデッキはほとんどがドラゴンになります。そんな中、アルバハは2度転機が訪れます。
1度目の転機はウーラノスの登場とナーフ、2度目はドラズエルの登場です。
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山札が減ると特大バーンを飛ばすこいつは対アルバハ性能に優れており、相手がアルバハを投げて勝ちを確信していたところにウーラノスを投げリーサルを取る、というのはランクマの日常風景でした。また、その性質上山をザブザブ掘るデッキとの相性抜群。主にスペルウィッチやディスカドラ、八獄ウィッチで活躍しました。しかし、遥かなる学園で謎ナーフを受けてしまい、ウーラノス及びそれに頼っていたデッキの多くは環境から姿を消しました。(唯一の例外はディスカドラ、けど徐々にインフィニットフレイムドラゴンに取って代わっていった印象)個人的にこのナーフシャドバ史上最悪だと思ってて、確かにドラが頭抜けてたけど色んなデッキがあって、みんな手探りで強い山考えてたのに、あのナーフのせいで全部ご破算。それがあのクソデフレ環境だからもうなんていうかうんち。しかもデッキとしての美しさが高い狂乱ヴァンパイアが強いってだけでナーフしろ連呼されてほんとにキレそうだった。ガチでクソだった。
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ドラズエルは一言で言えば、アルバハの不快感を爆増させたカードでした。除去と回復が超強くて、処理が割とめんどくさくて、かといって放置するとデカいスタッツで叩いてくる。これが余計カジュアル層にとってプレイを悩ませてしまった。また容易にアルバハを潰せるカードのウーラノスをナーフしてしまったことも余計にアルバハにヘイトを集めるようになってしまいました。しかし、アルバハデッキ自体はやることが昔から何一つ変わっていないので競技環境では梲が上がらず、結局ランクマで雑魚狩りをするクソ迷惑な部活の先輩みたいな扱いになってしまいました。
上級者には相手にされず、カジュアル勢には目の敵にされ、アルティメットバハムートはある意味不遇のカードとなってしまいました。ただアルバハって自分からライブラリアウトを狙うという、シャドバに新しい勝ち方を教えてくれた革新的なカードでもあるのです。だから、ただのクソカードで片付けるのはちょっと違うなぁ…と思います。またこういった結果になっても革新的なカードを創り出すチャレンジを、Cygamesはやめて欲しくないと感じています。
まとめ
アルティメットバハムートはそのカードの性質上、どうしても後ろよりのデッキにならざるを得ず、最終的にはアルティメットヘイトカードになってしまいました。しかし、先程も述べましたが、シャドバに『明確に、相手にライブラリアウトをさせる』という戦法を生み出し、また対コントロールへの立ち回りを理解し、打点を溜めるというという動きを覚え、シャドバの核心の一つを掴んだ人達は多いのではないでしょうか。
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アルバハは確かに嫌われたカードでした。だからこそ、どう立ち回り、どうカードを切り、どう勝つか?という、『何となく』でシャドバをやっていた人たちの進化を促したという点で、アルバハの残した功績は大きいのではないかと私は考えます。ここまでお読みいただきありがとうございました。またの機会で。