立浪監督退任に寄せて
私は、立浪和義のファンだった。今でも覚えている。2007年の春、祖母に連れられて行った広島カープ戦。燃えよドラゴンズの後に告げられた『代打・立浪』で球場のボルテージは最高潮に達した。そして見事にタイムリー。その瞬間、私はあの人の虜になっていた。
当時から黒い噂はあった。ただ当時子供だった私は露知らず、立浪を見るのが楽しみでナゴヤドームに行っていた。2009年、引退に際し、背番号3を永久欠番にしようという署名活動があった。それも私は反対で、来るべきその背番号が合う選手に渡すべきだと思っていたからだ。それぐらいには立浪和義という選手が好きだった。だから監督になった時はどうなるんだろうという期待があった。
結果は見ての通りである。負け癖のついたチーム・旧時代的な野球観・ドブカスみてぇな会社。やはり勝つには厳しかった。ただ、あまり批判したくなかった。そこはやはりあの頃見た立浪和義が好きだったからだ。だが、インターネットはそうでも無い。誹謗中傷スレッスレの批判が毎日飛び回り、気持ちの悪い蔑称がタイムラインを走る。気持ちはわかる。満を持して就任してミスタードラゴンズが、3年連続Bクラスなのだから。編成や采配にも疑問符が付く。だが本当にキツかった。若狭アナが語っていた『ファンのせいで応援するのが嫌になりそうになった』というのが心で理解できた。だからファンと交流はほぼしなかったし、ドラゴンズに関わるワードをいくつかミュートにした。ドラゴンズを応援しているのにだ。でも、それ以上に見てツラい目に会うよりはマシだった。それほどまでに一部のファンの態度は酷かったと確信している。そして、退任報道に際して、黒味噌氏を始めとしてオーバーな発言が目立つ。本当に嫌な気持ちになる。
恐らく、立浪監督の退任セレモニーがあるだろう。きっとファンは罵声をあげるに違いない。そうなったら、この球団とファンはまた同じ事をしていると私は思うだろう。元ミスタードラゴンズ、高木守道氏も退任時かなりブーイングを浴びせられ、居場所は無い、とキャンプを見に行くこともなくなった。いつまで経っても中日という球団とファンは功労者を大切にしない、不親切な連中だ。そういうのと一緒にされたくないしどうすべきか。考え時なのかもしれない。
さて、次期監督について誰なのかと早速話題になっているが、このままいけば井上さんがなるのではないだろうか。(落合さん待望論もあるが、個人的には家族と穏やかな余生をエンジョイされているので、苛烈な監督業に戻って欲しくない。)その時球団は金を出すだろうか。多分出さない。あの貧乏ドケチ球団だから。そうやって中日が15年前、私が代打立浪に思いを馳せた、あの黄金時代に戻れるのはいつなのだろうか。そしてその時まで私はファンでいられるだろうか。ため息が出そうになる。
ここまで筆者のお気持ちに付き合って頂きありがとうございました。このnoteをどう見るかは皆さんの手に任せます。それでは。