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日本語多読のオンラインイベントに参加して

こんにちは。
今年もあとわずかとなりました。みなさんの日本語ボランティア活動にとって、日本語教室にとってはどんな一年だったでしょうか。今年は5月にコロナウィルスが5類になり、外国人の入国が急増しました。そのことで活動に何か影響があったでしょうか。
わたしたちの日本語教室では、今のところ外国人参加者は増えていません。増えるどころかむしろ減っているかもしれません。不思議です。平日の午前中の教室はどこも同じ状況のようです。外国人は増えているはずなのに…。どこも人材不足なので、みなさん働いているのかもしれませんね。

さて、今回は、わたしが先日参加した日本語多読のイベントについてご紹介したいと思います。すでに主催者の方がブログに報告記事も書いています。

<12/17(日) 第6回日本語多読支援研究会 報告①>(報告②もあります)/NPO多言語多読ブログ

イベントの概要はこちらのブログを読んでいただいたほうがいいと思いますので、ここでは参加してみて思ったことを書きたいと思います。

今回の研究会でのテーマの1つは地域日本語教育での多読活動でした。わたしの団体でも日本語教室で毎年夏に多読教室を開催しています。それで参考にさせていただきたいと思い参加しました。
<オルビスの日本語多読教室>

研究会では事例発表が2つ。どちらも公的な機関が主催する地域日本語教育での事例でした。地域日本語教育での日本語多読の取り組みが思っていたより多いことに希望を感じ、心強く思いました。地域日本語教育にとって日本語多読は役に立つという考えを持つ人たちが他にもいるのだと思えたからです。わたしたちが日本語多読教室を始めたのも、「多様な人が参加する日本語教室だからこそ日本語多読は有効で、自律学習にもつながる、ぴったりな活動だ」と考えたからでした。わたしが考える地域日本語教育での日本語多読の利点を挙げると…

【地域日本語教育での日本語多読の利点】
・日本語習得に効果がある:
→外国語(第二言語)を習得するためにはインプットが大量に必要だと言われています。日本語多読はまさにこの大量の日本語のインプットになります。多読が外国語(第二言語)習得に有効だということは広く知られていると思います。
・活動が楽:
→日本語のレベル差など多様な外国人参加者に対応できます。
→多読教室を実施しなくても、個人活動として少人数で1冊の本を読んだり、読み聞かせをしたりしながら、おしゃべりすることもできます。(つまり、日々の活動にすぐに取り入れることができます。)
・活動が楽しい:
→おもしろい本を読むことも楽しいと思いますが、本の内容についておしゃべりすることで自分の感想を自分の言葉で伝える楽しさを味わえるでしょう。支援者の大事な役割になると思います。
・自律学習につながる:
→週1回2時間程度の日本語教室だけで日本語が上達するのはなかなか難しいと思います。外国語を習得するためには、やはり自分で学習することが必要です。日本語多読はネット上に入門レベルから無料で読める本がたくさんありますから、日本語教室で多読のおもしろさを知ってもらい、自分1人でもすき間時間などに読む習慣を作ることにつながればと思います。

【地域日本語教育での日本語多読の短所】
・全ての人が気に入る活動ではない:
→ただし、多読活動のやり方を工夫することで、興味を持たなかった人も参加できる可能性はあります。この点については、わたしたちも模索中です。


さて、研究会の事例発表では公立図書館との連携の取り組みが紹介されました。事例についてのブログ記事もありますので、内容はこちらからどうぞ。
<三田市国際交流協会 日本語サロンさんだ「多読の時間」報告>/NPO日本語多読

わたしたちの多読教室は普段日本語教室活動をしている国際交流センター併設のライブラリーで開催しています。ですが、それとは別に公立図書館でも開催したいなという野望を多読教室を始めたころから持っています。ですから、こちらの事例で連携の過程を紹介してくださったのは、とても参考になりました。ただ、任意団体がどこまでできるかは難しい課題ですが…。

【公立図書館での取り組みが必要な理由】
・行政サービスとして:
→外国人も地域で働き、生活する住民なので住民サービスを受ける権利がありますし、行政にはサービスを提供する義務があります。
→以下のような総務省事業の後押しもあります。(研究会で教えていただきました。)

【公立図書館での取り組みの利点】
・外国人住民の日本語習得機会の場が増える
・図書館の利用率が上がる
・日本人住民に対する啓もう
→図書館に日本語多読の書籍があったり、外国人向けの日本語多読イベントがあることで、外国人住民が身近にいて、同じ地域住民であることが日本人住民に認識されます。(これは、日本語教室にとっても大事な役割の1つであると考えています。)

いつか県内各地の公立図書館でも日本語多読ができるようになればいいな~と思っています。(*´▽`*)

日本語多読については、NPO多言語多読さんのウェブサイトを見ていただくのが一番よく理解できると思います。サイトには無料で読める本もたくさんあります。

また、日本語多読のためのリンク集はこちらです。(ネット上の無料の本や動画などを集めました。)ぜひ活用してください!

今回は日本語多読についてご紹介してみました。
みなさんも日々の活動に日本語多読を取り入れてみてはいかがでしょうか。

今年一年、おつかれさまでした。来年も楽しい活動ができますよう。
よいお年をお迎えください。(≧▽≦)

(山)