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【囲碁】9路盤布石の考え方【踊る碁会所】
こんにちは。囲碁講師の井場です。
『踊る碁会所チャンネル』を始めました。
踊る碁会所とは
プロダンサーのKazuhoMonsterと井場がお送りする企画です。
囲碁指導の仕事とはまた違う人として活動しています。
今回は踊る碁会所チャンネル【9路盤対決】の棋譜を解説していきます。
9路盤の一局目はどんな戦いだったのか楽しみです。
対局の様子はぜひ動画をご覧ください。
黒番が意識する事
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(1~8)
9路盤の布石は相当大切です。序盤の数手をしっかりとするだけでも勝率は大きく変わるのではないでしょうか?
皆さんは黒番、白番それぞれどんな事を意識して布石を決めているでしょうか?
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黒番では白にコミ6目半を出すため、最終的に白に対して盤面7目多く勝つ必要があります。囲碁を始めたばかりだとここになかなか苦労したのではないでしょうか…
黒番ではまず「白より地を大きくするよ」という主張が必要です。
例えば変化図の黒1~5です。白より明らかに大きな地を見せていく事で勝ちやすくなっていきます。
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白としては、黒地と同じような空間を保てれば勝ちやすくなります。
例えば白1~9は同型ですが、このような進行だと黒はこの後白より大きな地を作る事が大変です。
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白1と黒に合わせて同じような地を作りに行きたいところですが、KazuhoMonsterには強烈な狙いがありました。
それが黒2の置きです。白1とあえて同じ地の空間を広げさせて、黒2と白地の中からかき乱そうとするのが黒の作戦です。
黒2はAとBに広げる手が見合いの手でもあります。
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黒2の置きは白地の中で黒地を作ろうというだけではありません。
黒6,8と黒2,4を利用して白地を狭く、黒地を広くと積極的に打ち進めていきます。
このように
黒地が大きいという主張が出来れば黒の布石は成功です。
白番が意識する事
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白1と控えたのには理由があります。
実戦の白1の手は黒2と白地の侵入の余地を与えません。
黒2は眼ができる手がなく、白地を減らすきっかけも得られにくいです。
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また、黒1としっかりと地を囲うような手は白もしっかりと地を囲います。
似たような地の幅であれば、黒はコミ6目半を出すのが難しく、白が勝ちそうです。
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ただ地を囲うだけでは、勝てない黒は実戦黒1,3と積極的に仕掛けました。
このあたりKazuhoMonsterは9路盤の感覚を持っていると感じました。
白4と受けてばかりだと、黒5~13と黒地が白地を大きく上回っています。
白4とは受けるだけでは勝てないのが9路盤の勝負の在り方です。
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黒5,7は「白より地を大きくするよ」という主張ですが、
ここで白番の考え方があります。
よく9路盤では「白は二箇所で生きたら勝ち」と言われます。
その狙いが白8です。白2~6とある程度白地が固まり、黒が地の主張をした瞬間が黒地に入るタイミングです。
その時の最も重要なところは、
「黒地に入る時、片方の白地は生きを確保している。」ことにあります。
白4はより生きを確保することを意識しました。
というのも、もし白2~6が眼を脅かされる事があれば、
白8からの戦いに大きな影響を与えるからです。
次回、その白の眼を巡る戦いを詳しく見ていきます。
お知らせ
9路盤はとても奥が深くて楽しいです。
僕も囲碁クエストというアプリで日ごろから楽しんでおります。
踊る碁会所はプロダンサーのKazuhoMonsterと井場がお送りする企画です。
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9路盤の動画はこちらでも投稿しています。
18と囲碁【囲碁講師の9路盤実況】
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