各国の優れたリーダーの事例だけでなく、残念なリーダーからも 《ダメ事例の研究》 によって学び得ることが多くある (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)
今日紹介するのは、《ダメ事例の研究》です。
いまのような有事の時には、組織や社会のリーダーの力量が試されます。
こういうときに、未来を見据えた決断をして、万が一のときには責任を取ろうとする優れたリーダーがいます。
その一方で、日頃よいことを言っていたり、人気があったりしていても、こういうときに優柔不断だったり、保身に走ったりする人もいます。
各国の対応を見ていて「さすがだな」と思う人もいれば、期待もしてなかったけど「やっぱりか」とがっかりさせられる人もいます。
個別の人・政府・組織について、ここで何かを言うつもりはありません。
でも、一つだけ、自分たちの今後に活かすことができる重要なことを。
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それは、どんなにいまいちででダメな事例でも、《ダメ事例の研究》をすると、学ぶことが多々あるということです。
僕らが「ダメ事例」だと思うものも、本人やその周辺の人たちは「ダメ事例」をつくろうと思ってやっているわけではありません。
本人たちは、おそらく、よかれと思って、あるいは、精神誠意ベストを尽くした結果、その「ダメ事例」になってしまったのです。
そこには何か落とし穴や、発想・力の限界というものがあったのでしょう。
僕らも、日々、いろいろな意思決定をしたり、大小の違いはあれ、リーダーシップを取ることがあります。
その意味では、僕らだって、同じように「ダメ事例」をつくってしまう可能性はあります。
そう思えば、「ダメ事例」を研究することで、そうならないための教訓を学ぶことができるはずです。
もちろん、政治や組織のリーダーは僕たちが知っている以上の情報を持っていたり、専門家の助言を受けている可能性はあります。
それでも、そういうことも類推しながら、なぜ、どのようにして、その判断や発想が出てきたのかを考えてみることはできます。
おそらく、あえて言っていない何かを気にしていたり、特定の人たち・集団に配慮していたりするのかもしれません。
その結果でてきた言動が、自分や周囲によってどのように評価されているのか。
そういうことを踏まえて、そういうとき、リーダーは、そして自分だったら、どうすべきなのかを考えます。
こうすると、「ダメ事例」から学ぶことができます。
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自分の失敗から学ぶことの大切さは、これまでも言われてきました。
人が失敗から学ぶことができるのは、それだけではないのです。
人は、他の人の失敗からも、学ぶことができます。
もちろん、人の成功からも。
いまのような有事のときに、どのような判断をすべきか。
その研究すべき事例(ケース)は、目の前にリアルタイムで進行しています。
せっかくですから「ダメ事例」も、切り捨てず、学びの素材にしてしまいましょう。
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今回紹介した、《ダメ事例の研究》は、『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための 企画のコツ32』に収録されているものです。
企画の力を養う上で、よい事例ばかりを見ているだけでは足りません。
本人たちはよいと思って結果として生み出してしまった「ダメ事例」からも、かなり学ぶことができます。
ダメ事例はくだらない、しょうもないと、切り捨てるのは、自らの学びのチャンスを切り捨てているのと同じことです。
今回は、元のパターンが言っていた企画の話ではなく、リーダーシップや意思決定の話に置き換えましたが、本質は同じですね。