今の大変な状況のなかの日々を、将来振り返ったときに、「こんな時もあったねぇ」と、みんなの 《楽しい記憶》 になるように。 (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)
これまでとはかなり違う特殊な状況での暮らしが続いています。
新しいやり方で仕事や勉強をしたり、初めてのことをやることになったり。
やることがたくさんあり、ずっと急かされて追われているような気持ちになります。
家族と過ごす時間も、圧倒的に増えました。
長い時間一緒にいるからこそ、感情的になったり、ぶつかってしまったり。
こんな状況がいつまで続くのかもわからず、閉塞感で息苦しくなってしまいます。
それでも、これは今の新しい日常であり、今日1日も、この1週間も、ここ1ヶ月も、今年1年も、人生の大切な一部です。
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そこで、将来振り返ったときに、「こんな時もあったねぇ」と笑顔で語り合えるような、みんなの《楽しい記憶》になるように、暮らしをつくり、今を生きることが大切です。
いつかこの状況が改善され、自由に外出でき、人に合い、ショッピングをし、集まって話したり、飲み明かしたりできる日が来るでしょう。
そのときに、家族や仲間内で、あるいは、世の中の人たちと、「2020年は、こんな年だったね」と、懐かしく語り合うことになるような、そんな日々を、私たちは今、生きています。
「とても不自由で大変な時期だったけれども、家族と長い時間過ごして、一緒にいろんなことをして、たくさん話して、思いがけず楽しい日々だったね。」
最終的には、そうやって《楽しい記憶》になるように、今を生きるのです。
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そうすれば、この大変な状況を、人生を乱した特殊な空白時期となるのではなく、自分たちにとってかけがえのない人生の一幕だった、ということになるでしょう。
たとえ特殊な状況であっても、限りある人生のなかの大切な一部であることは、変わりがないのです。
生きていると、良いことも悪いこともあります。
それは、個人的に起きることも、社会で起きることもあります。
平坦な道ではなく、起伏のある、そのときどきで特徴のある豊かな人生・時代を歩いているのです。
その瞬間がどんな状況であれ、どんなときにも希望を胸に、今を大切にし、前に歩みを進めていく人たちだけが、幸せに生きるということを実現します。
普段とは違う、今の大変な状況のなかでの《新しい旅》にも、だいぶ慣れてきたのではないでしょうか。
やってみればなんとかなるものです。
ここからも、無理をせず、自分らしく、自分たちの日々の世界をつくっていくことにしましょう!
いつか《楽しい記憶》になる日まで。
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今回紹介した《楽しい記憶》は、『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための 企画のコツ32』に収録されているものです。
通常、何かの企画のプロジェクトでは、複数のメンバーやクライアント、ステークホルダーが関わります。
そういうとき、本気のコラボレーションをするなかで、意見がぶつかったり、思いがけない問題が生じたり、雲行きが怪しくなったりすることもあるでしょう。
それでも、最後には、関わったみんなにとって「楽しい記憶」として残るようなプロジェクトにする、ということの大切さを強調するのが、この《楽しい記憶》というパターンです。
今の状況での暮らしも、これと同じです。
いろいろ大変なこともありますが、それでも自分の、そして家族の人生の大切な一部だと思い、最後には《楽しい記憶》として、今が思い出されるような、そんな日々にしていきたいものです。
本連載が、そのような暮らしづくりの一助となっているならば、幸いです。