真面目で密なコミュニケーションだけではなく、《ゆるやかなつながり》をつくることも大切にする (大変な状況のなかでの暮らしのヒント)
今日紹介するのは、《ゆるやかなつながり》です。
これは、目的があって集まるミーティングやコミュニケーションとは別に、ゆるやかにつながることも大切にしよう、というものです。
最近、オンライン・ミーティングが増えてきましたが、リアルからオンラインに移行したときに失われたのは、エレベーターや廊下ですれ違ったときにちょっと話すとか、会議の前後で立ち話をする、ご飯を食べながら雑談する、というような機会です。
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そこで、真面目に話す時間以外に、ゆるやかなつながりを持ち、それとなく他のメンバーの状況を知ることができる工夫をします。
聞くことろによると、ランチタイムや終業時間の前に、遠隔でつないで雑談をする環境をつくっている会社もあるようです。
また、最近、オンライン飲み会というのも流行っていますね。
僕もこの前参加してみましたが、それぞれ好きなものを飲んで食べて、楽しく会話して、とてもよかったです。
各自が家で飲んでいるので、飲んだあとに電車に乗って帰るなんてこともないので、普通の飲み会よりも楽でいいなと思ったくらいです(神奈川県民には、都内で飲んだ後に帰る1時間が、実は結構しんどい)。
ほかにも、我が家では先日、夕飯時に実家とつないで三拠点のビデオLINE通話をしながら、ご飯を食べてみました(LINEグループをつくってそこにビデオ通話をかけると複数人でビデオ通話ができます)。
「オンライン飲み会をしよう」と言うと、年配の方はちょっと躊躇するかもしれないと思い、「みんなでつないで、乾杯しよう」と声をかけました。
でも、そのあとは自然に続いていき、気づいたら2時間経っていた、そんな感じでした。
「今日は何食べてるの?」とか「最近このあたりは・・・」という話や、子どもがワアワア騒いでいるのを微笑ましく眺めたりと、目的も落とし所もない、何気ない会話です。
誰も何も話さない時間があっても気にしない。もぐもぐ食べている時間もあったりしていいんです。テーブルがただ拡張されただけですから。
こういうリアルな空間で普通にあることを、オンラインであっても意外と実現できるものだな、と感じます。
おすすめです。
あるいは、必ずしも音声通話でつながなくても、何でもない日常の写真を送り合うようなLINEグループをつくってみたり、twitterなどで非同期にゆるやかにつながることもできます。
実際、大学の僕のゼミ(井庭研)では、ここ十数年、学生と積極的にtwitterでつながるようにしてきました。
学生たちの「つぶやき」は、日常で起きたことやその感想、授業のこと、サークルのこと、笑える失敗、悩み、ぼやき、好きなアイドルやアーティストの話、体の調子についてなど、いろいろです。それらはたいてい、わざわざ研究室で話したり聞いたりしないことばかり。
そういうことをそれとなく知っているというのは結構重要で、ちょっと手を差し伸べたり、相談に乗ったり、好みを知って話が盛り上がったりできます。
そういうゆるやかなつながりが、心的な距離を縮めたり、より関係性を築くことにつながったり、強い絆を生んだりします。
気持ちのシンクロが起きやすくもなります。
そんなわけで、ぜひ《ゆるやかなつながり》をつくることも大切しましょう。
どういうかたちが自分たちに合うのかも考えて、自分たちなりの《ゆるやかなつながり》のつくりかたを模索してみてください。
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《ゆるやかなつながり》は、「コラボレーション・パターン:創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ」に収録されているものです。
メンバーが互いに高め合いながら成長し、チームで素晴らしい成果を生み出す「創造的コラボレーション」のコツを34個のコツにまとめたものです。
昨今の大変な状況は、これまでとは異なる暮らし(《新しい旅》)をつくるとか、これまでとは違うやり方で仕事をするというのは、一種の創造的コラボレーションと捉えることもできます。
そのときに、ギュッとみんなで協力し合い高め合うだけでは、どこかギスギスしてきたり、凝り固まってしまう可能性があります。
こんなときだからこそ、《ゆるやかなつながり》を持つことも大切にしていきましょう。
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本noteマガジンの趣旨については、"「大変な状況のなかでの暮らしのヒント - パターン・ランゲージの 1000のコツ・知恵から学ぶ」の連載をスタートします。" をご覧ください。