【IB日本語A】IB Japanese Aでは何を学ぶ?LiteratureとLanguage and Literatureの違いは?
こんにちは!
今回は、IB JAPANESE A(IB日本語A)で行う内容について解説します。
IB JAPANESEの学習内容についてイメージがなかなかないかもしれませんが、日本の「国語」とは全く異なる視点や能力が求められる科目となっています。
IBの評価にあった学習を進めることが成功のカギになりますので、まずはどのような科目なのか把握することが第一歩です!
IBDP(ディプロマプログラム)
国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラム(DP)は、高校2年生と3年生(11‑12年生)の2年間にわたる国際的な教育プログラムです。このプログラムは、3つのコア科目と6つの専門教科を履修するよう設計されており、知識の幅と深さを育成しながら批判的思考能力や探究心を養います。
コア科目
DPの核となる3つのコア科目について。
1つ目は“Theory of Knowledge”(TOK/知の理論)であり、これは知識そのものに関する問いを探究する科目です。異なる学問分野における知識の構造やその限界、可能性など幅広い知識について考察します。DP最終学年に、IBによって評価される必須のTOKエッセイを完了してIBに提出し、TOKエキシビション(展示)を行います。
2つ目は“Extended Essay”(EE/課題論文)で、生徒は4,000語(日本語の場合は8,000字)の独自の学術的研究を行い、論文としてまとめます。
3つ目は"Creativity, Activity and Service"(CAS/創造性・活動・奉仕)です。CASは、定期的に、理想的には週1回のペースで少なくとも18ヵ月にわたって継続し、 「創造性」「活動」「奉仕」を合理的なバランスで実践します。 CASに取り組んだエビデンスとしてCASポートフォリオに記録をつけ、「7の学びの成果」という観点からどの程度達成できたか振り返ります。
専門科目
6つの専門教科について。
6つのグループ(Group 1‑6)からそれぞれ1科目ずつ選択し、そのうち3科目を上級レベル(HL)、残りの3科目を標準レベル(SL)で履修します。
これらのグループは次のように構成されています。
Group 1: Language and Literature(言語と文学/第1言語)
Group 2: Language Acquisition(言語習得/第2言語)
Group 3: Individuals and Societies(個人と社会)
Group 4: Sciences(科学)
Group 5: Mathematics(数学)
Group 6: Arts(芸術)
Group 1の「Language and Literature(言語と文学)」にはLanguageAという枠組みの中に3つの選択肢があります。
“Language and Literature”(言語と文学)、“Literature”(文学)、“Literature and Performance”(文学とパフォーマンス)です。
この分類は、日本の「国語」という教科における「現代文」「古典」「国語総合」などと同じイメージです。
Group1は、日本語であれば、たとえば「日本語A 言語と文学」(Japanese A Language and Literature)といった表記になります。
ちなみにGroup2はLanguageBという枠組みで、たとえば「EnglishB」という表記になります。
【日本語A 言語と文学】科目内容
日本語Aでは、文学作品や非文学作品を正しく理解する能力を身につけるだけでなく、作品の分析と探究を通して批判的思考力や表現力を養います。最終試験に向けては、日々の分析や論述を通じて自分の視点を深め、実際の試験問題に近い形式で練習を繰り返すことが成功への鍵となります。
では、実際に各科目でどんなことを行うのか解説します。
◆日本語A 言語と文学 - 文学(Literature)
この分野では、小説、詩、戯曲など様々な文学形式の作品を分析し、文学が持つ美的機能や社会的意義について深く探究します。
この科目では第1言語で書かれた文学作品と翻訳された文学作品を扱います。
文学作品の分析:登場人物の描写、テーマ、象徴、語りの視点など作者による工夫された表現を取り上げ、文学作品がどのようにメッセージを伝えているかを分析する。
◆日本語A 言語と文学 - 言語と文学(Language and Literature)
「言語と文学」では、文学テクストに加えて広告やニュース記事などの非文学テクストも対象とし、テクストがどのようにコミュニケーションを形成しているかを研究します。また、言語そのものがアイデンティティや文化にどのように影響を与えるかを考察します。
非文学テクストの分析:レトリック、文体、視覚的要素(例:レイアウトや色使い)などの様々な要素が、どのようにメッセージを伝え、受け手に影響を与えているかを分析する。
◆日本語A 言語と文学 - 文学とパフォーマンス
文学とパフォーマンスでは、文学分析と演劇的なパフォーマンスを融合させ、文学を実践的、象徴的に捉える学びを行います。ただし、この科目を提供している学校は非常に少なく、日本での導入校を私は知りません。ご存じでしたらご一報ください。
SSST(School Supported Self-Taught)
IBでは第1言語の学習を特に重視しており、学校にGroup 1の第1言語科目が設置されていない場合でも、SSST(School Supported Self-Taught)という形で自主学習を行うことが可能です。
SSSTでは、”Literature”(文学)のSLコース”のみ選択が可能です。
Yoshida Education LabでもSSSTチューターとしてJAPANESE Aの指導を行っております。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせくださいね。
◆ IBDP JAPANESE A SSST講座の詳細はこちら↓
現役IB教員が指導する”IBDP JAPANESE A SSST講座(国際バカロレア日本語Aセルフトート)"。学校の探究型授業と同様の内容をオンラインで提供し、最終試験に求められる文学作品の深い読解と表現スキルを体系的に磨きます。最終試験を踏まえたブックリストの作成やスケジュール管理もサポートいたします。
◆ IBDP JAPANESE A対策講座の詳細はこちら↓
本コースは、「JAPANESE A Literature(日本語A文学)」と「JAPANESE A Language & Literature(日本語A言語と文学)」の両方に対応しています。
HLおよびSL共に指導可能です。最終試験である試験問題 1 (Paper 1) や試験問題 2 (Paper 2) 、個人口述(IO)、HL小論文の対策を行います。
◆【IB JAPANESE専門指導】Yoshida Education Labについてはこちら↓
今回はIB Japanese Aという教科と各科目の概要について紹介しました。質問などありましたら、お気軽にコメントください。