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DePINを見逃してはいけない
「今後10年間の暗号資産投資において、最も重要な分野の1つ」
大手暗号資産分析企業のメッサーリは「ある技術」について、こう評しました。
そして私は、この技術がAIのゲームチェンジャーになると考えています。
その技術とは「DePIN」 。
DePINというのは、
Decentralized Physical Infrastructure Network(分散型物理インフラ)
の頭文字です。
物理インフラの例としてわかりやすいのは、
UberやAirbnbといったシェアリングサービス。
これらのサービスでは、物理的に存在する、
供給側と需要側をUberやAirbnbといったインフラが繋いでいます。
これが物理インフラです。
そして、既存の物理インフラはUberやAirbnbといった
中央集権的な組織が管理・運営しています。
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この物理インフラの構造を「分散型」で実現しようとするのがDePINです。
わかりやすく言えば、
巨大企業が支配してきたインフラを個人や広く企業に分散させるということ。
例えば、”GoogleMap”で考えてみましょう。
この地図サービスは、
Googleが中央にいて
データ収集が行なわれています。
しかし、DePINでは
地図データの定期的な収集を
分散型で実現します。
ドライバーが車載カメラを設置し、
運転中にマッピングデータを
収集するのです。
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そして、その報酬として
ドライバーにはトークン(暗号資産)が 提供されます。
こうすることによって
地図データを作成していき、
常に最新の情報が更新されていくのです。
そして、データに透明性や信頼性、安全性が確保されていく...
これがDePINの例です。
他にもエネルギーシステムやモビリティ、スマートデバイスなど
大企業が支配するインフラは
DePINによって分散型となっていくでしょう。
では、なぜこれがAIのゲームチェンジャーになることが期待されているのでしょうか?
それは高性能なGPUすらも
分散型で提供されるようになるからです。
詳しく説明していきましょう。
AIのトレーニングには、
高性能なGPUが必要です。
そんなGPUは非常に高価。
供給量が限られていて、入手が困難です。
しかし、GPUが必要なのはわずかな期間のみ。
このため、
多くのスタートアップ企業にとって、
GPUは手の届かない存在となっています。
そのため、AI市場では、資金力のある巨大企業だけが成長・支配する構図になってしまうのです。
しかし、DePINが AI開発を劇的に変化させます。
例えば、「GPUのためのAirbnb」と呼ばれるプロジェクトをみてみましょう。
Airbnbは民泊を提供する側と旅行者を繋ぐサービス。
そしてこのプロジェクトでは、同じように
GPUを提供する側とそれを必要とする側を繋ぎます。
もちろんこれは「分散された」ブロックチェーン上のプロジェクト。
これにより、管理者を必要とせず、
より小規模な企業や個人が高コストなGPUにアクセス可能になるのです。
つまり、スタートアップ企業が
高価な機器を購入するために巨額の資金を調達する必要はなくなるということ。
もちろんGPUだけでなく、
AIに関係するインフラも同様に使えるようになるでしょう。
つまり、AI市場への参加者は増加。
これにより、イノベーションを
一気に加速させることができるでしょう。
このようにDePINは
AI市場すらも大きく変えてしまう可能性があるのです。
もちろん、AIに影響を与える暗号資産関連技術はDePINだけではありません
(例えば先日は、「ブロックチェーンがAIに必要な理由」をお話ししました)。
私は、暗号資産が歴史的な技術革新の1つになると考えています。
そして、今はまだその黎明期なのです。