なぜAIにブロックチェーンが必要なのか？
「AIが世界の終わりをもたらす」
これは、悲観論を好む人たちがよく主張することです。
しかし私はこれに賛成しません。
むしろ、このAI技術が私たちの未来を大きく、そして良い方向に変える可能性に興奮しています。
私はほぼ毎日AIを利用しています。
そして、AIがすべての人の生活をより簡単で充実したものにする未来を見ています。
そして今、AIはインターネットの在り方を揺さぶっています。
これまでのインターネット：Web1とWeb2
あなたがもし、私と同じようにインターネットの古き良き時代を覚えているなら、当時を思い出してみてください。
1990年代初頭、いわゆるWeb1の時代。
ほとんどのウェブページは「読むだけ」の静的サイトでした。
インターネットで発信できるのは限られたユーザーのみで、多くのユーザーはページを見つけて読んで終わり。
それ以上でも以下でもありませんでした。
しかし、現在のインターネットの使い方はまったく違います。
現在のウェブサイトの多くは動的な「読み書き可能」なページです。
他人が作ったコンテンツが掲載され、広告が収益を生み、ユーザー情報が商品として売買される世界です。
そして、誰もが自分でコンテンツを作成し、発信することができます。
これがWeb2です。
ソーシャルネットワークやブログ、動的コンテンツが当たり前になった場所。
コンテンツが絶え間なく生産され、それを訪問することで広告収入を得る仕組みが確立されています。
少なくとも、これがこれまで数十年にわたって機能してきたシステムです。
しかし、AIがこの構図を変えようとしています。
AIがインターネットを揺るがす理由
ChatGPTのような新しいAIツールは、自らコンテンツを作成し、情報を要約できます。
つまり、ユーザーは他のウェブサイトを参照することなく情報を得ることができるのです。
あなたも、スマートフォンや検索エンジンでこれをすでに体験しているかもしれません。
これを例えるなら、あらゆるWeb上の文献を読み、それらの要点を教えてくれる優れたアシスタントを持つようなものです。
私も、Siriに質問すれば毎回リンクからWebサイトに移ることなく
答えを得られる便利さをとても気に入っています。
しかし、この便利さは他人に損失を与えることになります。
なぜなら、クリック数が減り、広告収入が減少することで、ライターやウェブサイト運営者が収入を得るのが難しくなるからです。
そしてこれは、AIが現在のインターネット構造を揺るがしている一例にすぎません。
信頼の危機
さらに、AIが動画や写真、文章のディープフェイクを作る能力が向上するにつれ、オンラインで何が本物かを見分けるのが難しくなっています。
あなたもソーシャルメディアをスクロールして、動画が本物なのかAIが作ったものなのか分からなくなった経験があるかもしれません。
この問題は今後さらに深刻化していくでしょう。
しかし、その解決策となるのがブロックチェーン技術です。
Web3 — 次世代のインターネット
ブロックチェーンをわかりやすく言えば、改ざん不可能なデジタル記録簿のようなものです。
そのため、オンライン上で何が本物で、誰が所有しているのかを証明することができるようになります。
現実世界で例える際にわかりやすいのが有名な絵画の「モナリザ」です。
ポスターなどに印刷されたモナリザが「偽物」とわかる一方で、
ルーブル美術館に展示されているモナリザには「本物」という証明があります。
これまでは、このような「本物」の証明は実物にしか与えられていませんでした。
しかし、ブロックチェーン技術を用いれば、オンライン上のあらゆるコンテンツに対してこの証明を与えることができるのです。
これが次世代のインターネットであるWeb3の基盤となります。
Web3は所有権と分散化に焦点を当てた革命的な新しいインターネットで、次のようなことが実現できます。
理想的なWeb3は、大企業が所有する巨大なショッピングモールのようなものではありません。
各コミュニティによってルールが定められ、独立したストアがたくさんあるような世界です。
これはインターネットの元々の目的である「アイデアの自由な交換の場」に近づくものです。
Web3はすでに現実のものとなっている
ブロックチェーン技術はインターネットに急速に統合されつつあります。
次のグラフからも分かるように、今後3年間でCAGR（年平均成長率）42.6%が見込まれています。
そして2025年、これらの変化がより多く
目に見えるかたちで現れるでしょう。
イアン・キング