落ちこぼれが30を超えてアメリカに留学して、起業する物語⑧(起業4期目終了。5期目も頑張ろう。)
なぜ書くか。
2023年3月3日、モンゴルへ。自分自身のリーダーとしての価値観を探す旅。
自分自身がやりたい事、応援したい人、届けたいもの、を自分自身の原体験から、原体験から生まれた価値観から、そして熱量を持って行えることから取捨選択していった。
振り返ってみると当時の自分はインポスター症候群(詐欺師症候群)のような状況だったし、自分が行なっていることは本当は単なる自己満足で、サービスを買ってくださっている人のためになっていないのかもしれない。そもそもサービスに価値がないのかもしれない。そんなことを考えていた。
そんなときに八木Gやひろさんから熱いメッセージを頂けたことは、(なんというかとてつもない語彙力ない感じで表現すると)背中をぐーーーっと押して頂いた感じだった。
さて、2023年度を振り返る。
では、その一年後、どんなことが起きた一年だったのか。
2024年3月23日、起業4期目、23年度が終わるこのタイミングで、経営陣で2泊3日の合宿を行い、改めて今後の事を語り合った。
ただ目の前の仕事を頑張るだけではなく、ゆっくり時間をとって1年間を振り返ろうと。今年は今年で、多くの反省もあった2023年度を振り返る。
まず、赤字だった。
さて、2023年度は、どうだったのか。
結論、赤字だった。多くの事柄に投資を行った。E-learning Platformをはじめとした新サービスの開発やローンチによる広告展開、海外カンファレンスへの出張、能力開発、従業員の採用と手広く行った結果、売上が当初の目標値を上回ることは出来ずに赤字となった。
キャッシュが無くなるかもしれない、また起業当初と同じように給料無しで何とか生活する期間が続くかもしれない。そんなことを感じた瞬間が数カ月続く事があった。基本楽観的な自分もひりひりする数カ月だった。
これは経営者ならではの刺激なのかな、とそれはそれで前向きに取り組んだ。とはいえ、上場企業クラスの大きな負債リスクを抱えるわけでもないのでその方々と比較をしたらまだまだこの程度できついとも言ってられないし、きっとうまくいくと信じなきゃダメとも思った。
これも最近この本を読んだからかもしれない。
何をしてきたか?
改めて1年間を振り返ってみると、いろんなことにチャレンジして、ほとんど失敗して、たまにうまくいった。以下2023年度に行ったことの振り返りを羅列していく。
取り組み①HRBP養成講座は150名の卒業生を輩出
創業年、初めてのプロダクトサービスとして展開した「経営と人事をつなぐHRBP養成講座」。今現在は、第12期の開講を行っており、卒業生も150名を超え、多くの方々に出会うことが出来たサービスでもある。
取り組み②組織変革を体系的に学ぶ新プログラムChange Agent養成講座の第1期をリリース
そして、昨年第1期として新規プログラムをリリースした。それが、「組織変革のためのChange Agent養成講座」である。組織行動学をベースに、組織・集団・個人の行動心理を理解し、チェンジマネジメント(組織変革)を学んで頂くプログラムだ。(2024年5月に第2期参加者受付中)
上記の2つのサービス共に、素晴らしい方々を特別講演としてお招きし、実体験やHRとしてのキャリアや価値観など赤裸々に語って頂いた。受講生の皆さんも目が輝いていたし、「こんな人になりたい」、「こんな人に弟子入りしたい」と言って頂けるほどの素晴らしい方々で、自分自身も弟子入りしたいくらい、本当に素晴らしい時間だった。
<特別講演にご協力頂いた皆様>
一柳 達也(いちやなぎ たつや)様
アッヴィ合同会社 人事本部長
岡本 佐知子(おかもと さちこ) 様
i-PRO株式会社 CHRO
佐々木 丈士(ささき たけし) 様
株式会社INFORICH CHRO(元Facebook Japan株式会社 執行役員 人事統括)
瀬戸 まゆ子(せと まゆこ)様
株式会社リコー コーポレート上席執行役員CHRO 人事部部長
望月 賢一(もちづき けんいち)様
ソニーグループ株式会社・安部専務室・組織開発アドバイザー
改めて、ご協力頂いた皆様に、大感謝申し上げます。
取り組み③ヒトと組織をセルフペース・E-Learningで学ぶ「Every HR Academy Platform」を開発しリリース
さらに、創業当初から構想していたE-learning Platform「Every HR Academy Platform」をリリースした。
日本は欧米諸国と比較をしても、やはり仕事以外の時間を捻出することが難しいように思う。仕事や家族のバランスを取ってLive講座に参加する事はハードルも高いし費用も高い。そんな人でも気軽に手に取って頂けるような、すきま時間で学べるような環境を用意することが出来た。
4年をかかったけど、0から学校に行って作り上げた田中さんやプロトタイプでご協力頂いた皆様、チームのみんなに感謝。
(E-learnngでグローバルスタンダードHR学ぶEvery HR Academy Platformはこちらから)
取り組み④グローバル・トレンドセミナーは100名を超える大規模セミナーに。
また、2023年度はコロナから脱却した1年でもあり、一方でChatGPTをはじめとしたAIの技術革新が起きた年でもあった。このような状況下で、アメリカ企業はアメリカのHRはどんな将来予測をし、問題意識を持ち、どんな活動をしていこうと考えているのかを調査し、セミナーとして皆さんに共有した。
100名を超える皆様に集まって頂けた事をとても嬉しく思う。やはりアメリカの最前線は、日本よりも『まずやってみる』精神が強いので、AIやスキルベースオーガニゼーション、ChatGPT、ハイブリッドワークプレイス、Z世代など、最先端の事例を知ることが出来たのも貴重な経験だった。
先日Academyのご受講を検討されている方からも、「このブログがとってもわかりやすくて面白かったので、講座にお申込みしました!」と仰っていただけて、やってよかったなとも思った。
(メインテーマのスキルベース・オーガニゼーションはこちらから)
取り組み⑤UC Berkeleyの教授を招いて、リーダーシップを学んだ。
また、上記の海外出張期間中に通っていた母校のUC Berkeleyへ訪れ、ビジネススクールでリーダーシップの授業を持つAlexに再会した。その時に
「日本の人に向けて講演して頂けませんか?」と無理を言ってお願いしたところ快く快諾してくれ、2024年の新年特別セミナー「チェンジメーカー~人と組織を変えるチェンジメーカーの育て方・なり方~」として開催する事となった。忙しい中、時間を作ってくれたAlex教授には大変感謝だったし、結果的に自分自身のリーダーシップや振る舞いも新しく考えるきっかけを頂けた素晴らしい時間だった。
実際に授業を見学させて頂いた際に、「じゃあ今から外に出て、失敗を経験してみましょう」と続々と学生がチャレンジしてみる瞬間を見て、「やっぱりがアメリカの教え方や学び方は面白いなー」と感じた瞬間でもあった。
(ご興味のある方は、ぜひ彼の本を手に取ってみてほしい。)
取り組み⑥HRの為のコーチング・アドバイザリーサービスをリリースした。
Academy卒業生の方が増えた結果、卒業生の皆さんが勉強会を開きつつも、学びを実践する事に対して適切にもがいている様子を伺う事が増えた。折角ついた火を消さない事、その為には1兆ドルコーチのビル・キャンベルの様なコーチが必要だと感じて、HRを1on1デサポートする仕組みがないなら作ってしまえ!とHRに特化したEvery HR Career Coachingをリリースすることが出来た。当然自分の限られた経験ですべてを解決することは出来ないとも同時に思い、様々な方に相談し、これまた10名を超える素晴らしいHRエクゼクティブやプロフェッショナルコーチの方々にご快諾頂けた。既に多くの方々をサポートさせて頂けている事、また素晴らしいコーチの方々が本当に素晴らしいサポートをして下さっている事を本当に嬉しく思う。
多くの方々が一人で頑張るのではなく、尊敬できる人のアドバイスを必要な時に受けて、前向きに頑張れたらこれ以上の嬉しいことはない。大変なことを前向きに頑張る、そんなきっかけになったら嬉しい。
(HRの為のパーソナルコーチングサービスはこちら)
取り組み⑦Every HR Academyの取り組みが、経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択された。
そして、Every HR Academyは経済産業省様のプログラムに採択されることが出来た。この結果、日本経済新聞にも掲載頂くことができ、会社として初めて世の中にちゃんと取り組みをご紹介できた良い事となった。一生で一度の日本経済新聞デビューだと思う。
(Boot Campはこちらから)
弊社を見つけて下さった日本経済社さんに感謝申し上げます。
取り組み⑧人事のキャリアを年末年始で調べた。
そして、卒業生の皆さんとの会話の中で、キャリアについてもご相談を頂く事が増えた。新しい機会を探される方もいらっしゃるし、純粋に自分のスキルアップを目指されている方もいる。そんなご相談にきちんと答えたいと思って、様々な文献をあさり調査し、また求人票などもあるだけ集めて、人事
のキャリア大図鑑なるものを完成させた。この調査については、10名のHRエクゼクティブの方にインタビューをさせて頂き、キャリアパスの様なものをお伺いすることが出来た。こちらもご協力頂いた皆さんのお気持ちに、本当に感謝する日々だった。こちらの内容をご紹介する「これからのグローバルHRキャリアセミナー(次回2024年3月26日開催)」も50名を超える方に大好評でこんな形でも自分が役に立てたことが嬉しかった。
(ご興味をお持ちの方はこちら)
インタビューのご協力頂いた皆様に、改めて感謝申し上げます。
取り組み⑨SHRM-SCPに合格した。
グローバルにはHRの資格団体が多く存在する。中でも世界最大級の団体であるHRCI・SHRMは世界で30万人以上の会員数を持つ団体であり、多くのグローバルHRの求人に夫々の資格を取得している事が推奨されている。どんな人でもきちんと努力すれば、その能力証明が出来る仕組みであり、学歴に関係なくセカンドチャンスのきっかけを得られる仕組みでもある。
これまで、GPHRやSPHRiを取得してきた中で2023年はSHRM-SCPを目標において勉強してきた。結果的にこの資格を取得できたことは自分の努力を素直に褒めたいと思う瞬間だった。
日本人で英語苦手でも、こういったグローバルな資格を目指してみようと思って下さる方が一人でも増えたら嬉しい。
取り組み⑩ブログは約10,000人の方に読んで頂いた。
粛々として書いていたブログも約10,000名の方に読んで頂き、本当に嬉しかった。特に宣伝をせずに呼んで下さる方がいるのはNoteさんのおかげでもあり感謝。上述のように、このブログを読んで学んでみたいと集まって下さる方がいる事も本当に嬉しい事。読んで下さっている方に改めて感謝。
ランキング1位
ランキング2位
ランキング3位
嬉しかったこと
嬉し①卒業生の方が学びをアウトプットして下さった。
講座卒業生のTweeetyさんがブログを書いてくれた。本当に勉強熱心だし、原理原則を深く理解し、応用し、また派生させてアウトプットするという素晴らしいアクションを行って下さった方。
このような方が、HRの施策にポジティブな意味をもたらすことが出来る、Whyを突き詰められる方だと思うし、自分も読んでいて本当に勉強になる内容だった。tweeeetyさんのブログを以下に張り付けておきますのでもしよろしかったら読んでみて下さい。
他にもインタビューという形で多くの方のお話を聞けて、やりがいをたくさん感じることが出来た。卒業されてから、少しでもその方にポジティブな影響を与えられているのだとしたら嬉しい。飲み会に誘ってくれる方々が多いのもうれしい。
(インタビューにご協力頂いた皆様ありがとうございました)
嬉し②卒業生の方と特別講師の方々と直接会えた。
本年度も本当に多くの方に助けて頂いた。メルカリの木下さんやソニーの望月さんやINFORICHの佐々木さんやi-PROの岡本さん、アッヴィの一柳さん、本当にありがとうございました。
超多忙の中スケジュールを開けて下さった尊敬しかない特別講師の方々をはじめ、受講生の皆さん、いろーんな人たちと直接会って話せて、コミュニティが存続し続ける事は本当に嬉しいこと。
そして、自分のキャリアに対してもしとってつもなく迷ったときに、ちょっと勇気をもってすごい方々に相談してもらえたら嬉しい。
卒業後も勉強会や個別に連絡を取り合うような関係性を取って下さっている事は何よりもうれしい。
あそこで一緒に学んだ「仲間」が将来的に、いつか一緒に仕事をするかもしれないし、お互いを助け合える仲間になるかもしれないし、10年後大きなセミナーで皆さん同士が登壇者になっているかもしれない。そんなことになったらすごいな~夢があるなと思う。
HRにも様々なコミュニティがあると思いますが、
その中の一つとして、今後も存在し続けてくれたら嬉しいです。
自分の軸を振り返る
そして、話はモンゴルに戻り、丁度1年前に言語化した自分の軸、夫々に対して採点をつけていく。
Beyond myself(自分に期待し努力し結果を出す・過去に捕らわれない)
Life is short(やりたい事から逃げない・家族/友人を大切に)
Student Always(謙虚に、学び続ける)
Think the global(世界的な視点を持つ)
Set the direction(方向性を示す)
Open mind with Imperfect(どこからでもフィードバックを受ける)
Growth with all(全員で勝つ)
Beyond myself(自分に期待し努力し結果を出す・過去に捕らわれない)
70点。新しいサービスをリリースできたこと、資格に合格した事、は前進した一方で、ビジネス目標を達成できなかったことは結果を出すことが出来なかったことであり、30点-。
Life is short(やりたい事から逃げない・家族/友人を大切に)
90点。ビジネス活動においてやりたい事は概ねやろうと出来ている。もっともっと大きな視点で、より良いサービスを創っていきたいけれども、今自分がやっている事は、正しい事をしていると自信を持って言えるし、そのような活動を今後も続けていきたい。一方で、家族との時間はあまりとれなかったので親父をゴルフにでも誘ってみようと思う。
Student Always(謙虚に、学び続ける)
90点。ちゃんと目標としていた資格を取れたことが評価できる事。但しこの項目は100点にならないことが大事な項目なので、ふとした瞬間に過信しないこと。結果以上にプロセスとして諦めずに毎日勉強を続けた事が一番評価できる事だと思うので、来年度以降もこのスタンスを継続していこうと思う。
Think the global(世界的な視点を持つ)
50点。まだまだ、自分には広い視点が足りないし、いろんな世界があると思う。何かグローバルなコミュニティに入ってみようかな。。新しい領域の勉強もしたい。また大学の先生たちにもいろんなアドバイスを貰いに行きたいな。
Set the direction(方向性を示す)
50点。事業も大きくなり、業務量が増え、社員の数も増えた。半期に一度のキックオフミーティングを通じて会話し、経営陣では1週間に一度、メンバーとは月次で集まるコミュニケーションを行った。
方向性を示せているか、ぶれていないか、皆さんに伝わっているか、希望と行動を生み出せているか、正直分からない。だけれども、田中さんには想いが伝わっていたみたいで嬉しいし、それを感じてくれていたのはとても嬉しいことだった。
Open mind with Imperfect(どこからでもフィードバックを受ける)
50点。コミュニケーションを取る時に決めつけが強いとフィードバックを受ける事があった。関わって下さっている皆さんからアドバイスを貰おうという取り組みそのものを意図的に行うことは出来なかった。
Growth with all(全員で勝つ)
75点。幸運なことに仕事をさぼったり誰かを傷つけたりするような人は会社には存在しないし、任された仕事を一生懸命やってくれる安心出来て良い人たちに囲まれた1年だった。辛い局面も、共に乗り越えようと頑張ってくれる田中さんには改めて感謝。
一方で、やはり結果を出すという意味ではビジネス目標を達成できなかったことは、自らに不足があったという事の証だと思う。来年は、自分自身がさらに成長する事が必須であり、社員として携わって下さっている仲間とまたはパートナーの方型に感謝しながら皆さんと共に前へ進んでいきたい。
「だが、情熱はある人」へのきっかけを
さて、今後に関して考えていることを書いていこうと思う。いろいろと考えた中で、Everyは、「だが、情熱はある人」を応援する会社であり続けたい。
企業経営でも仕事でも趣味でも運動でも、何かをするときに、最も大事なことは「続けられること」だと思う。そして続けられる理由の一つは、「好きだから」とシンプルである人は強い。
「嫌々やっている人」と「好きでやっている人」、どちらを取っても大変なことはあるし悲しいことも辛いこともあるけど、後者の方がハッピーだし、一生懸命だし、周囲に対しても良い影響を与えている人が多い。
なので、仕事をもっと好きになってくれるような、突き詰めたいと思う領域を見つけられるような、ワクワク感を与えられるような、そんなサービスを提供していきたいと思うし、そういう人たちが増えてくれたらもっと社会もよくなっていくと信じているし、
・能力がない
・実績がない
・経験がない
・人脈がない
・お金がない
のどれか若しくはすべてに当てはまっている人でも、情熱さえあれば良いチャンスを得られるような、そんなきっかけを提供し続けていきたい。
コンサルティングとして伴走させて頂くクライアントの皆様も、Academyに集まって下さる皆さんも、情熱のある方々ばかりに囲まれている事は自分を成長させてくれるものであり、日々会話していて楽しい。だからこそ、続けていけるし、続けていきたいと思う。
これは社内に目を向けてもそうで、全ての人にとって最高な会社ではなく、「だが、情熱はある人」にとって、最高な会社である事、成長できる環境であり、自己実現できる会社である事を最も大事な価値観として据えたいと思う。
会社4期目終了。5期目も頑張ろう。
つまらないブログですみません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
著者Profile:
Every代表取締役CEO
松澤 勝充/Masamitsu Matsuzawa
神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。リクルーターとして総合商社への出向などの経験を経て、2016年より、最年少執行役員として営業・マーケティング・採用の3部門を管轄し、5年間で約300%の売上拡大、6倍の組織規模成長を経験する。2018年8月渡米留学、UC BerkeleyでHRを学ぶ機会に恵まれる。帰国後2020年4月1日に株式会社Everyを設立し、6月1日から事業を開始。
保有資格:
・SHRM-SCP(SHRM)
・SPHRi/Senior Professional in Human Resources – International (HRCI)
・GPHR/Global Profession Human Resources (HRCI)、他