ひかりの当たる場所
高校生の時、自分が無知であることで人を傷付けてしまうことがあることを知って、その事実にあたしは傷付いた。優しい心と他人を気遣える精神だけでは、他人の苦しみを和らげるのに限界があると知った。逆を言えば、それらさえあれば、人は人を救えると思っていた。まだ現実を知らなかった、世間知らずなころのあたしだ。その頃はその頃で、幸せだった。勉学に励むことは学生の時代だけで終わらせてはいけないと、今ならよくわかる。知らないことは山ほどあって、あたしはどんどん歳をとりながらも、どんどんいろんな