詫びと寂びの話
侘びに詫び、寂びに錆び。
勘のいい人は速攻で気づくだろう。
いやいや、それ誤字なんじゃないのか?……って。
今回は本題から書いてしまおう。
私はどうにも、人に謝るのが下手で、かつ人から謝られるのが苦手なのだ。という訳で、早速だがその辺について以下つらつらと書かせてほしい。
自覚したのは成人してからだったと思う。
それこそ大学3年目以降、「ろくに講義出てないけどすいません単位欲しいのでワンチャンください」的なやつとかさ。
後はお酒絡みの失敗とかかな。
つい調子に乗って飲みすぎて、エンタケ状態(「宴もたけなわではございますが〜」のくだりの前後くらいのこと)で盛大にマーライオンした挙げ句、近くの足元に置いてあった知人のカメラの三脚に被弾させたという。
翌日メッセージで簡単にお詫びをしたものの、「しね」とだけ返信が返ってきて。更にその後、直接会った際にもお詫びをしたのだけれど、納得してもらえないどころか目すらも合わせてもらえなくなった。結局二度と関わることはなかった。
そんな様な失敗を何度かやっているうちに、
「あぁ、冷静に考えると俺って人様に謝るのめっちゃ下手くそじゃん。そもそも変なプライドみたいなものが邪魔して他の第三者がいない完全な一対一じゃないとできないとか。なんなんだろ」とか思うようになった。
いや、もちろん、毎度毎度誰かに謝ってばかりの人生だった訳じゃない。時には自分の周りの誰かが何かやらかして、偉い目にあった場面だってある。……あると思う。
いや、ぶっちゃけ覚えてない。
「いやもうお前なんて事してくれたんだよ最低最悪じゃねーかこの馬鹿野郎」みたいな事件は、私の人生にだってまぁ一度二度くらいはあったはずなんだけど。もうまるで覚えてない。
ここまで記憶にないと、「嫌なことはキレイさっぱり忘れるタイプ〜♪」とはまた違った理由がある気がして。
恐らく、人から謝られるのがあまり好きではないのだ。そしてそれ以上に、人に謝らせたりするようなのはもっと嫌いなのだ。
……それにしても。一体どっちが先なんだろう。
自分が人に頭を下げるのが今ひとつ下手くそだから、その影響で人から頭を下げられたりすることに抵抗を感じてしまうのか。
あるいは人から誠意だの何だのを示されるのが好きでなく正面から向き合ってこなかったがために、その反動で誠意の示し方やら何やらを人から勉強できずにここまで来てしまったのか。
果たしてどっちの前提が先にくるんだろう。そして結果はどっちなのだと。
なお上記の件がきっかけで、人前でマーライオンすることは滅多に無くなった。
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