The End of Tedeum 2/21~
これは、なんの変哲もない日常の記録。
↓先週↓
2/21 (Mon) 爆速で整える
週末をはさんで私も少しは落ち着いたのだろうか。最低限の引き継ぎだけして帰国とか先週の日記に書いたばかりだが、仮にも2年弱お世話になったし、今後の進路にも少なからず寄与していると思えばある程度の引き継ぎを残しておきたいと思うようになった。
まずは一部の客先……というか見込み案件などのピックアップ。特に今年動きのあるものから優先的に引き継がせたい。
後は今までに連絡を取っていた各営業先から関係会社等々、Eight*1にこれまで登録していたデータを一括で落としてから必要な分だけの宛名とアドレスを抽出するべくデータクレンジング*2、最終的にはWordの差し込み文書機能で全ての宛先へと宛名込みで個別に配信できるようにした。肝心の挨拶文は(一応決まったらしい)私の後任の詳細が届いてからだ……っていうか、いつの間に後任なんぞ手配してたのな?全く抜け目のないことで。
2/22 (Tue) 有給消化モード
今日から有給休暇の消化に入るのもあって休みが続く。一応最後の引き継ぎみたいなものが木曜の午前中にだけあるが、必要なものは昨日までにほぼ完了させてあるので特に困ることはない。
ではその空白の時間で何をするかという話になるが、まずは部屋の荷物の整理に取り掛かった。
要るもの・要らないもの、言い換えれば、キャリーバッグの容量を見ながら入れるもの・入れたいもの、入れなくていいものと分けていく。特に衣類は日本で着る機会があるかどうかを考えるし、過去にクラッシュしたゲーミングノート(享年:7歳)はワンチャンSSD/HDDのサルベージだけでもできればいいので、大型のACアダプタなどの付属品は処分することを決意した。いや、本当ならこっちでサルベージを試みたかったし、もしくは物理的に解体して本体から取り出してもよかったのだが、あいにく工具らしい工具も手元に無かったのでやむを得ず15インチ/2kgの筐体を飲み込むことに決めた。
夜は付き合いの深い先輩方と馴染みのイタリアンへ。そもそもは以前住んでいた家の窓からよく見える湖沿いの立地にあり、開店当初は事ある毎に友人・知人を連れて足繁く通っていた。気がつけばハノイ在住の日本人界隈で流行っていたのも懐かしい。
お姉様からはプレゼントを頂いた。包袋からしてお上品な、この中身はというと……
タブレットPCなどがちょうど収まりそうなケースだが、中央のワンポイントやファスナー周りにこちらの伝統工芸の意匠がよく目立っている。これはもう、早速使うしかあるまい。
2/23 (Wed) 餃子衝動
私と同時期に帰国が決まった友人から、「発作的に餃子が食べたくなった」と誘いを受ける。これまでと同じ店では芸がないと思って選んだのは昔勤めていた職場の近くにある店だ。かつては大型バスで観光客がこぞって来るような所だったが、今は多分昔からの固定客で支えられているのではと思う。
帰国までの経緯の深い話とか、日本に帰ってから行きたいチェーン店とか、そんな話をしながら延々と羽付き餃子を頬張った。今後の行く末がどうなるのかはお互い未知な部分が多いが、それでもそう遠くないうちにまた会える気がしているから、なんだか不思議だ。
2/24 (Thu) 後はどうにかなってほしい
午前中だけ出社。一応私の後任となる予定の人とWeb面談。年齢的にはうちの社長と上司と変わらないくらいで、私とはまた違った経歴の異業種出身。とりあえずITスキルは高くなさそう。
上司からは会社紹介や正式赴任までの段取り、私からは普段の業務などを簡単に説明して、引き継ぎ資料なども追って共有した。これで満を持して、私の現職での引き継ぎは一通り完了した。まぁ、後はどうにかなるだろうというか、どうにかなってほしいというか、そんな気持ちの方が強い。
ついでにゴルフセットは日本から出張者が来た時などを見越して買い取ってもらえることになった。適当な金額の値札を付けて事務所まで持ってきてくれと言われたので、適当な時に中古品の相場を調べなくては。
後はバイクだな?思い入れのある機体なので、誰かいい人がいればいいのだけれど。
2/25 (Fri) 1回3000円の流星群
昨日で完全に仕事は収めたものの、普段とさほど変わらない時間に起床。同世代の友人から「朝食ビュッフェ来る?」と連絡が来て、何事かと思ったら当人が住んでいるレジデンスの朝食券が今月は余りそうとのことで権利を譲ってもらった。
好きなものを好きなだけ取り、外の道路を行き交う車やバイクを眺めたりしながらゆっくり気が済むまで朝食の時間として過ごせるというのは、普段6時半起きで8時出社の私にとってはとても新鮮というか、久しく忘れていたものを思い出せそうな、そんな一日の予感でもあった。
夜は客先と会食、というかもう間もなく帰国する私のためにと時間を設けてくれて、そもそもどういう経緯で帰国に至ったのかという話を少しずつ紐解きながら話していった。
計画はともかくとして目標は割と具体的に定まっているのが功を奏したのか、全面的に納得も応援もしてくれたのがありがたかった。最後の引き渡しまで(責任を持って?)勤められなかったことも、まぁ、目をつぶってくれたと思う。もっともこの辺は工事自体が順調に行っているからだとは思うが。
早めの夕食の後は馴染みの店でバーテンダーごっこ。開店当初からカウンター席にばかり座っていた私の、「一度でいいから、向こう側に立ってみたい!」というわがままを店主(通称:寮のお姉さん)が叶えてくれた。案外、何でも言ってみるものだな?
おしぼりを出したり、ビール瓶の栓を抜いたり、今まで散々注文してきた看板メニューのレモンサワーを今日だけは提供する側になったりしながら、常連客をはじめ一部の面々におなじ話を繰り返す。
店じまいの後は別の知人の店の周年記念に立ち寄る。帰国の旨を伝えると何でも1杯サービスすると言われ、オススメを頼むとニコラシカが出てきた。……ほら、ウィスキーボンボンなんかに入ってるコニャックってあるでしょ。アレよアレ。
見た目こそこんな感じだが、お値段なんと1杯600k(約3000円)。はい、そこで今いかついなと思ったあなた、ちゃんと理由があるのよ……。
ここで使用しているコニャックはマーテルの”コルドン・ブルー”と呼ばれる一級品、オーナー曰く「本来はこんな使い方をする銘柄じゃないが、うちではこれ一択」とのこと。どんな飲み方をしていいのかも分からなかった私は思い切ってグラスの中身を一気飲み、間髪に入れずに砂糖の乗ったレモンをブルスケッタ*3の構えで口へと運び咀嚼、そして……全身を駆け巡ったのは今までに感じた事のない種類の満足感!
同時に頭の中を色々なものがまるで流星群のように駆け巡って、今度は一瞬の瞬きもせずに味わいたいと自腹でおかわりして再挑戦。こういう刹那的なものに対してコスパがどうとかそんなしみったれた事を抜かすのではなく、僅かな時間に価値が凝縮されているのだと感覚的に理解した私は間違いなく大人の階段をまた一つ登った。間違いない。
2/26 (Sat) 売ったり配ったりの急拵え
バイクやゴルフセットなどのやり取りに日本円を用いる可能性を考慮して、実家に保管してある通帳を確認する。指名・銀行名・支店コード・口座番号が分かれば振り込みできるはずなので、それがわかる様に写真を撮って送ってもらった。
台所周りのものも片付け始める。一人暮らしとともに揃え始めた鍋やフライパン、食器、調味料などをできる限りコンパクトにまとめて、近所の家みたいな店に「使えるものから使ってくれ」といわんばかりに置いていくことを考えついたからだった。ついでに台所以外のもので、捨てるには惜しい感じのものなどをいくつかピックアップしては適当な紙袋にまとめた。
そんな訳で、今日からはしばらく自炊はなしだ。
2/27 (Sun) 平行線の向こう果て
昨日まとめた荷物を近所の店へと運ぶ。寮のお姉さんは私が旧市街のいずこかで見つけたアンティーク風な間接照明を気に入ってくれたようだ。自宅でも、馴染みの店でも、ぜひ有効に活用してくれれば嬉しい限りだ。
そして開店とともに、金曜に引き続いてカウンターに立ってのバーテンダーごっこ。途中で慣れ親しんだメニューをまかないのつもりで食べながら、友人の誕生日会を見届ける。
一時期店の上に住んでいたこともあって、オーナーからはプレゼントのサプライズがあった。
左からストラップ、パスポートカバー、手帳の3点セット。カバーについては今使用していたものが剥げてきていたのですぐさま取り替えた。ストラップは普段使っているリュックに取り付けた。手帳はその中に入れた。
残りあと2日だ。
*1 ビジネスマン、特に営業系なら必須ともいうべき名刺管理アプリ。スマホで写真を撮るだけで記載情報をデータ化してくれる。
*2 誤字脱字の修正はもとより、各行・列ごとの体裁や入力規則を統一して整えること
*3 イタリア料理の代表的な前菜であり、上に乗った刻みトマトなどの具材をこぼさずに口元へ運べるかどうかは器用さが問われる。