マルチクリエイターでも肩書きは都度つけるべきだと思う話
FLOW DHUという学発プロダクトの新作が公開されました。
FLOW DHUはデジタルハリウッド大学がプロデュースする、24/7のライブ配信で作業用BGMと作業の邪魔にならない映像で構成された、人々の集中時間を応援する、ある意味自習室のようなYouTubeチャンネルです。
product001、002と楽曲の選定やサムネイルの制作で関わらせていただいたり、池谷さんに声をかけていただいてからワクワクするプロジェクトに参加させていただいています。
今回の新作はこちら
※YouTubeでの生配信なので今後URLが変わるなどで埋め込みが機能しない可能性があります。池谷さんのnoteに作品リストがありますので見れない場合は以下よりご確認ください。
今回の新作ではクリエイティブディレクターという肩書きで参加させていただいております。なんでこの肩書きなのかという話を今回のノートではさせていただきます。
実写作品チームの発足
今回のプロジェクトは杉山学長と今回アクトを担当してくださった田井みさきさんの所属事務所であるレプロエンタテインメントさんの間で何か一緒にやろうと話が上がったことがきっかけです。
私はまず池谷さんから楽曲のこともあるのでとチームアップの最初の段階から「何かをする係」として参加させていただいていました。
撮影は一緒にお仕事もしている、私が大学1年生のときに大学4年生だった尾山さん。セットのデザインなどは私が卒業した後に入学していて学部では被っていないものの、フリーランス時代の案件を手伝ってもらったり同じ展示会の講義に参加したり仲良くさせてもらっている川口さん。大好きな2人が参加していました。
この時点で良いものができる確信がありました。
動画監督からクリエイティブディレクターへ
ある日学長からSlackで監督をお願いしたいと連絡をいただきました。私の規模でお仕事していると動画監督と撮影を兼任することは多くあるのですが、今回は監督と撮影を切り離し、女性を女性が撮る作品でいこうといった形だったかと思います。
監督になる!と決まったものの、私は信頼のおけるクリエイター2人とせっかくお仕事をするのであれば、2人のクリエイティビティが発揮できるような座組みでいきたいと思っていました。もちろん始まってしまえば協力して素敵なものを作ろうとするとわかっていましたが、言葉には力があると考えているのでクレジットの肩書きをあえて先に提案し、ここの部分については最高責任者として取り組んでいこう、と考えられるようにしたのです。
Creative Director = 全体統括
Art Director = 美術統括
Director of Cinematography = 撮影統括
今回は制作進行を兼任する形でわたしがクリエイティブディレクターという形にしました。私が全体の方向性を決め、細かい部分を2人がそれぞれ決めていくという形です。とはいえ当然のように3人で協力して作っていくということに挑戦しました。
肩書きを意識した企画提案
動画監督という名前でも、企画提案は必須です。今回はクリエイティブディレクターという肩書きにしてみたので、企画提案時にはFLOW DHU全体における本作品の本作品の位置付けを意識しました。
そこで私が出したのが以下の内容
過去作品の作業への邪魔にならなさ、集中(FLOW)状態への切り替えになるような24/7配信を目指し
画面を見ている際は演者や動きに目が行くが、集中すると気にならない、動きが多くなりすぎない作品に
実写ならではの「息抜き感」を「動きの種類の豊富さ」を出しながら
モダンなおしゃれさを目指していく
撮影はマルチアングル、カット編集を行いループ動画を作成する
今回の作品には対となるもう1作品も制作予定です。2作品の共通要素とそれぞれのテーマを提案し、承認をうけ、実制作に入りました。
作業用BGM配信は複数ありますが、ほとんどがアニメーションで構成されており、実写では難しい表現(まずループをさせようと思ったらCGを用いて編集をしないといけない)のでその辺りは意識しつつ企画に落とし込みました。
1作目は、学長からもE-Girl(LDHさんのグループではなく、海外のトレンド)を意識したものを1つやりたいと言われていたので、そちらの要素を拾いながら、媚びないDTM女子の作業の様子を作ってみました。E-Girlのトレンドについて気になる方は以下の記事をご参照ください。
制作チームが肩書きを横断する撮影準備
制作チームの3名だけでセットを組み、撮影をするのは難しいと考え、学部生のスタッフを3名入れることにしました。スタッフの3名には事前に「撮影のお手伝い」「セット制作のお手伝い」と別々の内容で依頼をしていて、基本的には尾山さんに1名、川口さんに2名のアシスタントが付く形での進行でいく、としていました。
とはいえ前日の建て込みでは私もセット制作のお手伝いをするし分野はどんどん横断していきます。カメラチームがセットに使う木材をホームセンターで購入し軽トラで運んだりもしました。これは全員デジハリ出身のとりあえずなんでもできちゃう人たちだから、なのかもしれないです。
撮影のお手伝いを頼んでいたAlt-keyさんは撮影の際にはカメラをチェック、録画ボタンを押すなどの対応をしてくれていて、セット制作をお願いしていたUro。さんと mao miyamotoさんはまずは何からすればいいか、次は何をすればいいかを意識しながらセットの細かな部分の詰め作業も行ってくれました。事前に何を期待しているのかを伝えたことで動きやすかった(と思ってもらえると良いな...)のではないでしょうか。
演技もセットも良すぎて楽勝だった撮影
動画を見ていただくとわかると思いますが、演技がとてもよく、セットがとてもよく、撮影は(尺が長いことを除けば)楽勝でした。
細かい話をするといろいろあるのですが、この項目ではアクトを担当してくださった田井さんのサイトを紹介させていただきます。
チームで動いても肩書きは大事
同じ目線でチームとして動くというのは、心地がいいしうまく行けば終始楽しい状態で居ることができます。
今回あえて最初に肩書きを決めたのは「自分がどこまで責任を持つのか」をはっきりさせたかったから。
よく知る間柄だからこそ、自分がどこを見るのかをはっきりさせることでうまく回ったプロジェクトだったと思っています。(まだもう1作品撮影ありますが)
制作チームの2人は、これはこうしますと私に都度聞いてくれて、私は基本的にはNOは言わない、2人が悩んだら、こっちで!と決断をする、を意識して動いておりました。クリエイティブディレクターだから、「私が!ディレクターだから!」制作物のクオリティに対して責任を持とうという決意のもとの行動です。
そして私が決断できたのは、デジタルハリウッド大学が、杉山学長や池谷さんが、私たち3人に任せてくれたからです。私たち3人であれば間違いないとキャスティングされ、メンバー全員がそれぞれのアイデアを素敵だと感じることができたことによる成功だと思います。
作品が完成し、良いものであるという意味での成功ですので、たくさんの方の集中時間を助けることができるかどうか(視聴者数や登録者数が増えるかどうか)はこれからにかかっております。ですので、みなさんぜひ作業のお供にご視聴ください。
ここまで制作スタッフのデジハリ関係者について触れてまいりましたが、実は裏で他にも協力してくれた方々がいます。それについては次回のnoteで。
サポートいただいた際には全額作品制作に使わせていただきます。