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Zedd「Daisy」:美しい歌声とストリングスが咲き誇るバラード

2015年にZeddがリリースしたスタジオ・アルバム『True Colors』はポップで聴きやすい作品です。聴きやすくても、さらっと流れていくわけではありません。あるときは重厚なエレクトロニック・サウンドを響かせ、あるときは歌メロの魅力をストレートに届けます。

EDMという文脈だけで捉えるとZeddの音楽がEDMから離れたと感じらます。しかしポップスの視点に切り替えると、間口が広くなって魅力が広がったといえます。そうした拡張の一例として挙げられる曲が、柔らかく優しい雰囲気をもつバラードの「Daisy」です。

ボーカルで参加しているのはシンガー・ソングライターのJulia Michaelsです。Julia Michaelsの歌は、美声であるだけではなく、言葉の置き方にも魅力を感じます。なかでも♪Why you running, running...♪と歌う、メロディが小さく跳ねるところが好きです。繊細なメロディの移ろいが心を震わせます。

また、「Daisy」を彩るもうひとつの魅力がストリングスを加えたアレンジです。このメロディもZeddが書きました。張り巡らされたストリングスの音は美しく、その響きに魅了されます。加えて、歌声やシンセサイザーの音を引き立てるのもストリングスの役割です。他の音を柔らかく包み込み、魅力を膨らませます。


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