見出し画像

B’z「GET WILD」:分厚くて濃密なギターと強く鋭く響くボーカルの圧倒的存在感

新たな生命とリスペクトを込め、40周年のCELEBRATIONで包んだギフト。TM NETWORKのデビュー40周年を記念してリリースされた『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』に、B’zによる「GET WILD」のカバーが収録されました。

松本孝弘のギターと稲葉浩志のボーカルが聴ける「GET WILD」は、40周年という特別な区切りに届けられた嬉しいギフトです。濃密なギターの音、唯一無二の歌声。エレクトロニック・サウンドも盛り込まれたので意外に思いましたが、アレンジに中田ヤスタカが加わっていたようです。B’zの最初期の雰囲気を意識したのでしょうか。

松本孝弘が弾くギターの音は分厚くて、それでいてメロディアス。圧倒的な存在感に包まれて、その音の世界に取り込まれます。彼がTM NETWORKの初ツアーから1989年のツアーまでサポートし、「GET WILD」も弾いていたことは有名です。サポートを離れた後は、1994年と2004年のライブにゲスト出演して数曲を演奏しました。最後に「GET WILD」を弾いたのは1994年の〈TMN 4001 DAYS GROOVE〉だった――と思っていたら、2024年5月の〈TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days -YONMARU-〉にゲスト出演した際、最後に「GET WILD」が披露されました。

稲葉浩志が歌う「GET WILD」は、彼らしい高音が張り巡らされているところが、原曲とは大きく違う点です。オリジナルのボーカル――ウツこと宇都宮隆の歌は中音域がメインであり、それが「GET WILD」の抑制的でクールな特徴につながっています。一方、稲葉浩志の声質や歌い方によって、不良っぽい「GET WILD」が姿を見せました。いい大人が見せる奔放さというべきでしょうか。間違いなく格好良いパフォーマンスであり、オリジナルと異なる魅力があって、とても好きなカバーです。


いいなと思ったら応援しよう!