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藍井エイル「Campanula」:サイケデリックでスモーキーな歌、野性的で攻撃的なロック・サウンド

藍井エイルといえば、ハイトーンの歌声にスピード感のあるバンド・サウンドをイメージします。そんな「エイルらしいロック」を挙げることはできますが、そこから外れる曲も少なくありません。そのひとつが2023年の頭に発表された「Campanula」です。ロックであることは間違いありませんが、歌も音も「エイルらしいロック」とは雰囲気の異なるアプローチが見られます。

分厚くて重いベースをはじめとした野性的なロック・サウンドを背負いながら、ボーカルはサイケデリックな雰囲気を醸し、ときにスモーキーな質感も見せます。目の前に広がるのは、歌と音の戦いです。歌を呑み込もうとする音、するりとすり抜け音を翻弄する歌。両者は混ざるのではなく、異質な存在として共存しながら、やがてひとつの流れを作り出します。

「Campanula」はCö shu Nie中村未来が提供した曲です。Cö shu Nieとのコラボレーションは、2022年の頭にリリースされたシングル「PHOENIX PRAYER」に続き二度目です。ロック・サウンドの塊である「PHOENIX PRAYER」にも驚きましたが、負けず劣らず、次作の「Campanula」でも驚きが積み上がりました。エイルと中村未来の信頼関係から生まれたコラボレーションは、他の組み合わせとは違うシナジーを呼び込むに違いありません。


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